【京成杯】新馬勝ち馬も内容次第でいきなり通用 東大HCの本命はバードウォッチャー

東大ホースメンクラブ

京成杯の前走新馬組の好データ

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ソールオリエンスに続け

今週日曜日は中山競馬場でGⅢ・京成杯が行われる。1勝クラスを勝ったアーバンシック、ジュンゴールドに、バードウォッチャーら新馬、未勝利勝ちから直接挑戦してくる馬、重賞を経験したダノンデサイルなど、様々な路線からメンバーが集まった。

昨年覇者のソールオリエンスは次走で皐月賞を制覇。今年もここからクラシック戦線へと羽ばたいていく馬が出ることを期待したい。今週も過去10年のデータから馬券戦略を検討していく。

新馬勝ち即通用

京成杯の前走クラス別成績,ⒸSPAIA


<京成杯の前走クラス別成績>
新馬【4-1-3-11】勝率21.1%/連対率26.3%/複勝率42.1%
未勝利【0-4-2-24】勝率0.0%/連対率13.3%/複勝率20.0%
1勝クラス【3-2-3-30】勝率7.9%/連対率13.2%/複勝率21.1%
OP【1-1-0-8】勝率10.0%/連対率20.0%/複勝率20.0%
GⅢ【0-1-0-15】勝率0.0%/連対率6.3%/複勝率6.3%
※今年該当馬がいないクラスは省略

京成杯は新馬勝ちから直接挑戦してきた馬が勝率21.1%、複勝率42.1%といきなり好成績を残すレースで、単勝回収率も167%。ベタ買いするだけで黒字だ。特に前年末のホープフルSがGⅠに昇格して以降の6回では、新馬勝ち直後の馬が4勝を挙げている。また未勝利戦勝ち馬も、勝利こそないが2着は4回。1勝馬というだけで敬遠することは避けたい。対照的に前走GⅢ組は16年2着のケルフロイデを除きすべて馬券圏外に沈んでいて、こちらは信頼を置きにくい。

ここからはそれぞれの内訳を掘り下げる。まず前走新馬勝ち馬について見てみると、そこで上がり3F最速だった馬が【2-1-3-5】で複勝率54.5%、単勝回収率218%。また、3番人気以内だった馬が【4-1-2-6】複勝率53.8%、単勝回収率244%とこちらも好成績だ。新馬戦で高いパフォーマンスを期待され、実際に発揮できた馬はそのままここでも通用しやすい。今回の出走メンバーで両方に該当するのはグローリーアテイン、バードウォッチャーの2頭だ。

次に前走1勝クラス組について。ここは前走2着以内【3-2-2-12】、3着以下【0-0-1-18】と連対が最低条件。また前走2着以内でも、京成杯当日4番人気以下だと【0-0-1-8】と人気をくつがえすことは難しい。前走1勝クラスの馬からは穴の好走がほとんど出ていない。なお、前走逃げ先行策で連対した馬が【1-1-1-5】複勝率37.5%、差し追込での連対馬が【2-1-1-7】複勝率36.4%。脚質については前か後ろかで大きな差はない。

前走で未勝利を勝った馬は、タイム差なしの勝利だと【0-0-0-8】、0秒1でも差がついていれば【0-4-2-16】。タイム差に注目して取捨を決めるべきと言える。また前走OP組は前走中山の馬が【0-1-0-7】で意外と活躍できていない。

良血馬がクラシックの主役へ躍り出る

◎バードウォッチャー
父ブラックタイド、母アパパネという良血馬。デビュー戦は11月の東京芝1800m戦で中団やや後方を追走し、4角9番手から上がり3F33秒5の脚を使い新馬勝ち。前半5F63秒3、ラスト3Fは11秒6-11秒5-11秒3というスローからの瞬発力勝負を差し切った点は高く評価できる。小回りの中山替わりで位置取りは気になるが、継続騎乗のルメール騎手なら気にしすぎなくてよいだろう。春のクラシックへ弾みをつけてほしいところだ。

◯アーバンシック
父は新種牡馬スワーヴリチャード。夏の札幌でデビュー勝ちし、2戦目となった東京の百日草特別(芝2000m)では上がり3F33秒2の脚を使って勝利。ラスト3F11秒7-11秒5-11秒3と逃げたマーゴットソラーレが加速ラップを刻んだ中、ただ一頭それを差し切った内容は強い競馬と言える。勝ちタイム1分59秒4も優秀で、これから追いかけていきたい一頭だ。

▲ジュンゴールド
夏の小倉の新馬戦でデビューすると、4角8番手から終始余裕の手応えで前をまとめてかわし、力の違いを見せた。2戦目となった前走の紫菊賞も、3角手前で抑えきれずに先頭に立つと、そのままハナを譲らず直線で他馬を突き放し3馬身半差の快勝。いずれも快勝、かつ上がり3Fは最速とここまで底を見せていない。多頭数の重賞への対応や、初の輸送など気になる点はあるが、引き続き注目したい。

△グローリーアテイン
3番人気に支持された新馬戦は3着以下を大きく引き離すマッチレースとなったが、粘り込みを図ったウォータースケイプをクビ差競り落として勝利。前半5Fが64秒2とかなりのスローだったこともあったが、上がり3Fは最速の33秒5をマークした。好走データに合致する一頭だが、新馬戦の他メンバーでその後未勝利を勝ち上がったのは先週現時点で1頭のみ(それもダート)。レースレベルが高かったとは言えず、その点がどうか。

以下、データ的には不安だが重賞で僅差4着の実績を評価してダノンデサイルと、未勝利を圧勝したハヤテノフクノスケを相手で押さえる。馬券は◎軸、◯以下相手の馬連5点で勝負する。

▽京成杯予想▽
◎バードウォッチャー
◯アーバンシック
▲ジュンゴールド
△グローリーアテイン
×ダノンデサイル
×ハヤテノフクノスケ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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