【チャンピオンズC】中心は好相性ローテで連覇狙うレモンポップ 昨年2着ウィルソンテソーロは割引データあり
勝木淳
ⒸSPAIA
中京移設後、初の連覇か
ジャパンCダートから名称を改められ、舞台が阪神から中京へ移り、今年で11回目となる。移設元年に勝ったのはホッコータルマエ。前年1番人気3着からの逆襲だった。中京に移り、連覇を狙ったのは5頭。結果は2番人気5着、2番人気11着、1番人気4着、3番人気2着、1番人気4着と全敗している。
ダートはリピーターのイメージも、フェブラリーS連覇はコパノリッキー、カフェファラオの2頭しかおらず、このレースもジャパンCダート時代のトランセンドだけ。GⅠの連覇は難しい。
だが、現在は地方、海外と選択が広がり、かつてほどJRA・GⅠは絶対的価値があるとはいえない。戦力が分散し、レモンポップ連覇の可能性は高まりそうな予感がある。ここで引退を迎えるレモンポップは有終の美を飾るのか。以降は過去10年分のデータを使用して分析する。
1番人気は【3-3-0-4】勝率30.0%、複勝率60.0%とそれなりで、4番人気以内が7勝、2着7回と上位人気の信頼度は高い。一方で、6、8、12番人気も勝っており、うち2戦は連覇がかかった馬が出走していた。レモンポップが連覇に失敗したとなると、波乱決着が待っているかもしれない。そうでなくても8番人気以下の好走も目立っており、中京のGⅠらしく、上位人気だけでは決まらない。
年齢では3歳【2-2-2-12】勝率11.1%、複勝率33.3%、5歳【4-2-3-26】勝率11.4%、複勝率25.7%が確率でトップも、4歳も【2-1-1-36】勝率5.0%、複勝率10.0%、2勝をあげており、決して悪いわけではない。6歳【2-4-2-25】勝率6.1%、複勝率24.2%と年齢での差は少ない。
連覇を狙う6歳のレモンポップも年齢は気にならない。ダート三冠創設元年の3歳世代からはジャパンダートクラシック3着馬サンライズジパングが登録。ダート三冠の価値を高めるためにも好走してほしい(※ラムジェットは右前挫石により回避)。
JBCクラシックとの相性
5歳はウィルソンテソーロ、アーテルアストレア、クラウンプライドなど近況がいい馬たちが並ぶ。芝から転戦するガイアフォースはフェブラリーS2着。貴重な二刀流でもある。
前走レース別ではレモンポップのマイルCS南部杯が【3-2-1-7】勝率23.1%、複勝率46.2%と目立つ。南部杯1着馬は【2-0-0-1】で、さらに当日1番人気なら【2-0-0-0】。南部杯を勝ち、中央のここでも主役を張れる馬は負けない。レモンポップが1番人気を譲ることは考えにくく、データ上は連勝濃厚だろう。
フェブラリーSとのJRAダートGⅠ連勝を目指すペプチドナイルはマイルCS南部杯2着。過去10年で2着馬の出走はない。勝ち馬以外では5~9着あたりに好走ゾーンがあり、どちらかというと、盛岡のダートが合わずに負けた馬たちの巻き返しがよさそうだ。
前走JBCクラシック組は【4-4-2-32】勝率9.5%、複勝率23.8%と主力を形成する。今年は勝ち馬のウィルソンテソーロがここに挑む(2着メイショウハリオは左後肢の筋肉痛で回避)。だが、JBCクラシック1着は【0-1-0-7】複勝率12.5%で勝利がない。3、4着から2頭ずつの勝ち馬が出ており、地方のダートで惜敗した馬がベストシナリオか。
今年のJBCは佐賀。超小回りコースから中京に替わり、戸惑う場面もあるだろう。ウィルソンテソーロは昨年のチャンピオンズC2着以後、JRAダートではフェブラリーSの8着だけ。地方海外での活躍が目立つ近況がどう出るか。
前走JRAの組は劣勢で、みやこS【0-2-4-29】複勝率17.1%ぐらいか。その着順内訳は4着以内【0-2-2-16】、10着以下【0-0-2-3】複勝率40.0%とつかみどころがない。1、2着だと【0-1-0-10】なので、勝利したサンライズジパングよりも、大敗したドゥラエレーデ、ミトノオーなのか。ドゥラエレーデは昨年の3着馬。決して見劣りはしない。ミトノオーは展開のカギを握る一頭。みやこSは休み明けと割り切ってもいい。逃げ馬は忘れられた頃が怖い。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『アイドルホース列伝 超 1949-2024』(星海社新書)に寄稿。
《関連記事》
・【チャンピオンズC】過去10年のレースデータ
・【競馬】東大HCが中京巧者を徹底検証 ダートはキタサンブラック産駒と外枠の浜中俊騎手に注目
・【競馬】重賞に強い、妙味ある騎手を東大HCが徹底検証 2~3番人気の池添謙一、芝×内枠の鮫島克駿ほか
おすすめ記事