【京成杯】2戦2勝のアーバンシックやジュンゴールドは消し ハイブリッド式消去法

藤川祐輔

2024年京成杯の消去法データ,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

前回はホープフルSを予想したが、特注としたゴンバデカーブースは出走取り消しに。その他に5頭が条件をクリアしていたが、1頭も馬券に絡むことはなく悔しい結果となった。

今週は1月14日に中山競馬場で行われる京成杯(GⅢ)を予想する。今回は登録馬16頭を対象に絞り込みを行う。過去10年のデータから、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去していく。


『前走・中山競馬場以外』×『前走3角5番手以下』 ★9.4%★

前走場所別に成績を見ると、中山競馬場を走っていた馬の成績が【5-6-5-45】(複勝率26.2%)と高水準である。一方、前走で中山競馬場以外を走っていた馬は【5-4-5-64】(同17.9%)と好走率がやや落ちる。さらに、この組を前走3角5番手以下だった馬に限定すると、成績は【2-0-1-29】(同9.4%)と振るっていない。

このデータには、2戦2勝で当レースへと臨むアーバンシックも該当。前走の百日草特別では最後方から豪脚を使い他馬を差し切ったが、直線が短い中山コースで同様のレース運びができるとは限らない。上位人気が予想される存在だが、今回はデータに従って消去リストに加える。

【今年の該当馬】
・アーバンシック
・エコロマーズ
・グローリーアテイン
・ダノンデサイル
・バードウォッチャー

『前走OP~GⅡ』×『前走上がり4位以下』 ★6.7%★

前走クラス別成績を見ると、OP~GⅡから転戦してきた馬が【1-3-1-36】(複勝率12.2%)と低調だ。この組の内、前走で上がり3位以内をマークしていた馬は【1-1-1-8】(同27.3%)と成績良好であったのに対して、上がり4位以下だった馬は【0-2-0-28】(同6.7%)と大きく成績が落ち込む。

このデータには当日3番人気以内だった馬が5頭も含まれており、テンダンス(22年・2番人気5着)、エアアンセム(14年・2番人気11着)といった面々が人気を裏切り凡走している。OP~GⅡからの転戦で、前走で速い上がりを使えなかった馬は軽視して問題ないだろう。

【今年の該当馬】
・ドゥレイクパセージ
・(エコロマーズ)

『距離延長』×『前走3角2番手以内』 ★0.0%★

続いては前走距離に着目する。前走2000m戦だった馬は好成績を収めていて、【5-8-9-62】(複勝率26.2%)となっている。これに対して前走1800m以下で、今回が距離延長となる馬は【5-2-1-47】(同14.5%)と苦戦気味だ。この中でも、前走3角2番手以内だった馬は【0-0-0-14】(同0.0%)と全く好走できていない。

この時期の若駒にとって中山芝2000mはタフな条件であり、道中でスタミナを温存できるかは重要だ。距離延長かつ前走で積極的なレース運びをしていた馬は折り合いの面で難しさが出ることが多く、こうした部分がデータにも反映されていると考えられる。

このデータには新たにジュンゴールドが該当する。2戦2勝で上位人気が想定される1頭だが、前走は5頭立てのレースで評価が難しい。また、前走では馬の前進気勢に任せて早々と先頭に立つレース運びをしており、距離延長となる今回に向けてプラスに働く内容とは思えない。また、多頭数で前走のように楽なレース運びができる可能性は低く、データ面からも評価はできない。馬券妙味も踏まえれば、今回は静観が妥当と判断する。

【今年の該当馬】
・ジュンゴールド
・ニシノフィアンス

『キャリア4戦以上』×『間隔・中4~10週』 ★7.1%★

出走各馬のキャリア数別に成績を見ると、これまでのキャリアが3戦以内の馬が【9-8-9-71】(複勝率26.8%)と馬券圏内の殆どを占めている。これに対して、キャリア4戦以上の馬は【1-2-1-38】(同9.5%)と大きく成績が落ちる。

さらにこの組の中で、出走間隔が中4~10週であった馬は【1-0-0-13】(同7.1%)と特に結果を残せていない。唯一このデータを覆して好走したのはプレイアンドリアル(14年・1着)だが、当馬には東スポ杯2歳S2着の実績があった。

このデータには新たにレイデラルース、ロジルーラーの2頭が該当するが、どちらも現時点での実績は未勝利戦を勝ち上がったのみ。データを覆す程の地力はないと判断して消去する。

【今年の該当馬】
・レイデラルース
・ロジルーラー

『父サンデーサイレンス系』×『前走4番人気以下』 ★6.1%★

最後は血統に関するデータをもとに絞り込みを行う。父サンデーサイレンス系の成績は【4-2-5-53】(複勝率17.2%)で、多くの好走馬を輩出してはいるが、全体の成績としては決して高くない。

この系統の面々を前走人気別で分類すると、前走で3番人気以内だった馬は【4-1-4-22】(同29.0%)と優秀であるのに対して、前走4番人気以下だった馬は【0-1-1-31】(同6.1%)と全く振るっていない。

今年のメンバーは11頭が父サンデーサイレンス系の馬だが、この内4頭が前走4番人気以下で、不安データに該当した。特に目立った戦歴を持つ馬もいないことから、データに従って4頭とも消去対象とする。

【今年の該当馬】
・キャントウェイト
・コスモブッドレア
・マイネルフランツ
・(エコロマーズ)

全ての条件を終えて不安データに該当しなかった馬は、アスクナイスショー、ハヤテノフクノスケ、ロードヴェスパーの3頭となった。今回はこの中でも特に、ハヤテノフクノスケに注目したい。

新馬戦はクビ差の2着だったが、この時に先着を許したミスタージーティーは先日のホープフルSで進路を失う不利がありながら5着に好走。この新馬戦を物差しにすれば、当馬にも世代上位の実力はあると判断できる。

また、父であるウインバリアシオンは日経賞を3年連続連対しており、母父シンボリクリスエスは有馬記念を連覇している。中山巧者の血を色濃く継いでいるだけに、今回の舞台替わりもプラスだろう。初の関東輸送さえクリアできれば、勝ち負けも十分に狙える存在だ。

《ライタープロフィール》
藤川祐輔
98年生まれ、新進気鋭の若手ライター。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。以前は別媒体での執筆を行っていたが、よりデータを活かした記事を書きたいと考えSPAIA競馬への寄稿をスタート。いつの日か馬を買うのが夢。

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