【毎日杯】最優先は共同通信杯組 「新馬勝ち+キャリア2戦」の鉄板データも満たすネブラディスク
SPAIA編集部

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NHKマイルCや日本ダービーにつながる一戦
3歳重賞・毎日杯(GⅢ・芝1800m)が29日に阪神競馬場で行われる。牡馬クラシック初戦の皐月賞まで中2週。そこに間に合う最後の賞金加算チャンスという意味で、かつては「東上最終便」と呼ばれることもあった。
ただ、近年はこの3歳春に中2週の強行ローテを選ぶ陣営が少なくなった。過去10年の毎日杯出走馬で皐月賞へ駒を進めたのはわずか7頭。特に2018年以降の7年間ではランスオブプラーナ、メイショウタバルの2頭だけだった。今はどちらかといえばNHKマイルCや日本ダービーの前哨戦という性質が強くなっている。
そんな一戦を制して春の府中行きチケットを手にするのはどの馬か。過去10年のデータとともに展望する。
最優先は共同通信杯組
まずは人気別成績から。1番人気は【2-4-3-1】複勝率90.0%と安定している。ただし、18年ブラストワンピースの勝利を最後に6連敗中と勝ち切れてはいない。複勝圏内では信頼が置けるものの、アタマ固定と決めつけるのは早計だ。
2番人気【3-3-1-3】複勝率70.0%も好成績で、以下3番人気【1-1-1-7】、4番人気【1-1-3-5】と続く。そもそも少頭数の年が多いせいもあるが、勝ち馬10頭中9頭が5番人気以内で、馬券に絡んだ30頭中29頭が7番人気以内だった。大きな波乱は考えにくい。
次に所属別。東西で比較すると関東馬【3-4-1-11】複勝率42.1%が、関西馬【7-6-9-66】同25.0%よりも優勢だ。
3歳牡馬の芝1800m重賞となると近い時期に中山でスプリングSもある。にもかかわらずあえて輸送してまで毎日杯を選ぶ関東馬には、それだけの根拠や勝算があるということだろう。
続いて前走クラス別成績を見る。前走新馬・未勝利【0-2-1-19】複勝率13.6%とOP・リステッド【0-0-1-9】同10.0%がいまひとつで、主力は1勝クラス組【5-4-4-27】同32.5%と重賞組【5-4-4-22】同37.1%。それぞれ掘り下げる。
まず1勝クラス組だが、そこで1着なら【5-3-3-10】複勝率52.4%に対し、2着なら【0-1-1-6】同25.0%とダウン。3着以下だと【0-0-0-11】で馬券絡みがない。ここはシンプルに着順でふるいにかければよい。
なお前走で「東京の1勝クラス」を勝った馬がいれば【1-3-1-0】と安泰だが、想定を見るに今年は該当馬がいない。
前走重賞組のうち、成績がいいのは共同通信杯組【4-0-2-2】複勝率75.0%。近年の共同通信杯は「皐月賞の最重要ステップ」という地位を確立しており、極めてハイレベルなメンバーになる。そこにチャレンジした馬は侮れない。さらに4着以内なら【2-0-1-0】で、データからはネブラディスクを最優先で取り上げたい。
リラエンブレムが該当する前走シンザン記念は【1-1-0-5】複勝率28.6%。勝ち馬の参戦は直近10年だと昨年ノーブルロジャー(2着)だけだが、期間を広げると11年レッドデイヴィスが連勝を飾っている。サンプルの数が数なので絶対視はできないが、少なくとも減点の対象ではない。
一方でガルダイア、キングノジョーが採る京成杯からの直行ローテは【0-0-0-3】と結果が出ていない。ちなみにクラス問わず「前走中山」自体が【0-0-1-8】と不振。ジュニアC勝ちのファンダム含め、この点は少し引っかかる。
最後にそのほか気になったデータを紹介する。まず最内1枠1番が【2-2-2-4】複勝率60.0%とよく馬券に絡み、4番人気以内なら【2-2-2-1】と高い好走率を誇る。コース形態上は内枠有利という感じもしない阪神芝1800m戦だが、1番に人気馬が入ればマーク必須だ。
あとはキャリア2戦馬が【4-3-3-7】複勝率58.8%と活躍しているのもポイント。といっても「初戦負け→未勝利勝ち→毎日杯」のパターンには好走例がない。狙うは「新馬勝ち→2戦目→毎日杯」のローテであり、これに該当した馬は【4-3-3-2】複勝率83.3%とほぼ“鉄板級”だ。
良血ネブラディスクが最有力
「1番人気が複勝率90%」「関東馬優勢」「1勝クラス組は1着馬を重視」「共同通信杯組が複勝率75%」「新馬勝ちのキャリア2戦馬が◎」などのデータを踏まえ、具体的に登録馬について見ていこう。
まずデータ的にバッチリなのがキャリア2戦、共同通信杯4着から臨むネブラディスク。リスグラシューの半弟という良血で、管理するのは福永祐一調教師だ。新馬戦でラスト11.8-11.2の加速ラップを記録して3馬身差勝ちと素質の片りんを見せた。前走は強敵との対決に屈したが、ここなら勝ち負けになるだろう。
「新馬勝ちのキャリア2戦馬」の中では、まず関東馬・キングノジョー。前走中山組の不振というトピックはあったが、この馬自身の適性からすれば小回りから広いコースに替わるのは歓迎だろう。京成杯は1000m通過58.3秒のハイペースで先行勢に苦しい展開だった。4角先頭からの0.2秒差4着は負けて強しの走りだ。
リラエンブレムはデビュー戦が全体時計1:34.2、ラスト11.7-11.5と優秀な内容で、続くシンザン記念も上がり最速をマークして2馬身半の着差をつけた。折り合いに苦労するタイプでもなく、200mの延長は問題なくこなすはずだ。
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