【ターコイズS】ポイントは「馬体重」と「距離延長組」 条件付きで面白いのはサーマルウインド
佐藤永記
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毎年フルゲートの難解ハンデ戦
重賞になってから今年で9回目を迎えたターコイズS。重賞昇格後はフルゲート割れが一度もなく、今年も22頭が登録していることからフルゲート濃厚だ。牝馬限定のハンデ戦とあって、重賞制覇のチャンスと見てこのレースに狙いを定める陣営が多いようだ。
とはいえ、ファンからすると難解なレースという印象を少なからず持っているはず。過去8年の結果を見ても、年によってペース配分や脚質傾向がバラバラで、いかにも牝馬限定のハンデ戦といったところだ。だが、難しいレースにも少なからず傾向はある。今回はその傾向と、該当馬をチェックしていこう。
2頭いれば1頭は馬券に絡む重量級
まず注目したいのは、馬体重が重い馬。牝馬で500kg以上は少数派ではあるが、ターコイズSでは【2-1-1-7】で、頭数は少ないが複勝率は36.4%もある。
また、「500kg以上の馬が2頭以上出走した」年は4回あるのだが、その4回とも1頭は3着以内に入っており、着度数は【2-1-1-4】、勝率25.0%、複勝率50.0%となかなかだ。たとえば昨年では、510kgのウインシャーロット、500kgのアブレイズの2頭が出走していたのだが、ウインシャーロットが2着に入っている(アブレイズは4着)。冬の中山でパワーが求められやすい舞台であることから、馬格の担保がある馬には注目したほうがよいということだろう。
当日の馬体重はわからないが、前走馬体重が500kg以上だった馬は、前走信越Sを勝ったサーマルウインド、秋華賞9着からの挑戦となる3歳馬ヒップホップソウルが該当する(フラーズダルムは除外対象)。どちらも当日500kg以上で出走するなら面白い。
近年好走率が上昇している距離延長組
もう一つ注目すべきは、距離延長組だ。
過去8回の傾向だけを見ると、同距離組が【3-5-3-31】、短縮組が【4-2-4-49】、延長組が【1-1-1-24】で、延長組だけ劣勢に見える。しかし、距離延長組の内訳を確認すると、直近3年なら【1-1-1-12】であり、毎年馬券圏内に1頭は絡んでいる。
昨年のウインシャーロットは1400m戦のオーロC勝ちからここで2着、2021年のギルデッドミラーは1400m戦のスワンS11着からここで3着、2020年のスマイルカナはオーロC2着からここで1着といずれも好走した。
このようになっている理由として、直近3年で距離延長組の出走頭数が増えてきていることもあるのだが、番組の都合も一つの要因となっているのではないか、と考えられる。というのも同日に阪神で行われる1200mのタンザナイトS、翌日に中山で行われる1800mのディセンバーS、翌週に阪神で行われる1400mの阪神Cが近い距離のオープンクラスとして存在するのだが、なかでもGⅡである阪神Cは当然メンバーがよくなる。それで1400mを得意とする牝馬でも200m延長して、牝馬限定のターコイズSを選択する考えが広まり、結果好走例が増えてきたのではないかと推測している。
今年の登録馬で該当しているのは、「前走馬体重500kg以上」のサーマルウインドや、抽選対象のメイショウホシアイ、ルージュスティリアのほか、オーロC8着のビューティフルデイ。ビューティフルデイは全5勝のうち3勝が芝1400mという馬で、どうみても適距離は1400m。適性を考えるなら翌週の阪神C、距離を短くしたいのであれば1200mのタンザナイトSが選択肢として存在するわけだが、日曜の1800m戦であるディセンバーSと両にらみしている。相手を見て勝算ありと考えての登録ではないか。出走してきたらこちらも注目だ。
<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。
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