【ターコイズS】3番人気以内の3歳馬は複勝率44.4% コナコースト、ソーダズリングを中心に相手は手広く

勝木淳

2023年ターコイズステークスに関するデータ,ⒸSPAIA

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内枠より外枠に注目!

本年最後の牝馬限定重賞はターコイズS。マイル戦ということもあり、来春のGⅠを目指し、ここから実績を作りたい組と、ここを引退レースに定め、節目を迎える馬たちが混ざる。ハンデ戦、舞台は中山芝1600mと波乱要素も多く、交錯する各陣営の思惑など考えねばならない要素はたくさんある。コース巧者の一発なども探しながら、予想を組み立てよう。データは重賞昇格後の8年間を使用する。

ターコイズSの人気別成績,ⒸSPAIA


1番人気は【2-0-1-5】勝率25.0%、複勝率37.5%とやや劣勢だ。2番人気【1-1-0-6】勝率12.5%、複勝率25.0%、3番人気【1-3-1-3】勝率12.5%、複勝率62.5%で3番人気はアテになるか。7~9番人気【0-0-2-22】が走っておらず、大穴10番人気以下は【1-2-4-49】勝率1.8%、複勝率12.5%。3着に限れば8回中4回と高確率で、激走する大穴馬を見抜きたい。

ターコイズSの年齢別成績,ⒸSPAIA


年齢別では3歳が【4-2-1-28】勝率11.4%、複勝率20.0%で抜けている。もはや古馬との力差はなく、成長と勢いで3歳に分がある。3番人気以内の3歳は【2-1-1-5】なので、上位人気の3歳馬を素直に軸に置き、そこから人気薄に散りばめたい。4歳【2-5-4-27】勝率5.3%、複勝率28.9%、5歳【2-1-2-36】勝率4.9%、複勝率12.2%と古馬勢も基本は若い馬を買おう。

ターコイズSの枠番別成績,ⒸSPAIA


2コーナー奥のシュートからスタートする芝1600mはコーナー突入まで距離がなく、基本は内枠が優勢とされている。しかしこのレースは7枠【2-1-2-11】勝率12.5%、複勝率31.3%、8枠【1-1-2-12】勝率6.3%、複勝率25.0%に対し、1、2枠はどちらも【1-0-1-14】勝率6.3%、複勝率12.5%でよくない。4枠【2-3-1-10】勝率12.5%、複勝率37.5%など外枠一辺倒ではないが、内枠に注目するぐらいなら、外枠の方がよさそうだ。


マイル戦になって息を吹き返す馬に注意

3歳は三冠皆勤のコナコーストや前走3勝クラスを突破したソーダズリングなど上位人気に支持されそうな馬がいる。傾向通りなら、馬券はこれらの馬から入った方がよさそうだ。一方、人気薄で激走しそうな馬はどれか。前走傾向から探していこう。

ターコイズSの前走クラス別成績,ⒸSPAIA


まずは前走GⅠ【4-0-2-22】勝率14.3%、複勝率21.4%に注目しよう。コナコーストの秋華賞は【2-0-1-9】勝率16.7%、複勝率25.0%だが、その内訳は3着【0-0-1-0】、6~9着【0-0-0-2】、10着以下【2-0-0-6】なので、8着コナコースト、9着ヒップホップソウルより12着キタウイングになる。コナコーストはチューリップ賞、桜花賞2着で距離短縮は歓迎だ。キタウイングは同舞台のフェアリーSを勝った。こちらも得意条件で一変する余地は残る。

古馬勢ではヴィクトリアマイル5着サウンドビバーチェがいるが、同ローテは【0-0-0-1】。さすがに秋全休に近いローテであり、サンプルがない。阪神牝馬Sを勝っており、この舞台でも勝ち星をあげている。

ほかの重賞だとコスタボニータらの府中牝馬S【1-1-2-16】は2着【0-1-0-0】、6~9着【0-0-2-6】、10着以下【1-0-0-5】とどこからでも入れそうだ、8着コスタボニータも阪神牝馬S3着があり、マイル戦で良さを発揮する。

同一重賞3連覇を目指すミスニューヨークの前走京成杯AHは【1-1-0-5】。昨年と同じローテであり、好走しても不思議はない。昨年は(京成杯AHの)ハンデ54キロから1キロ増の55キロ。今年は京成杯AHを56キロで3着に好走しており、連覇がかかる状況も踏まえれば、ハンデは気になる。1、2キロ増えるようなら、さすがに厳しいかもしれない。

ターコイズSの前走オープン・L、距離別成績,ⒸSPAIA


前走OP・L【1-3-2-29】勝率2.9%、複勝率17.1%は距離に注目する。1600m【0-2-2-9】複勝率30.8%、1600m未満【1-1-0-17】勝率5.3%、複勝率10.5%、1600m超【0-0-0-3】なので、同距離か距離延長組を狙う。信越Sを勝ったサーマルウインドらは今回、距離延長になる。数字的に強調はしにくいが、穴に一考だろう。

ターコイズSの前走3勝クラス、距離別成績,ⒸSPAIA


最後に前走3勝クラスは1600m【1-1-1-13】勝率6.3%、複勝率18.8%、1600m超【0-1-0-1】複勝率50.0%、1600m未満【0-0-0-3】。OPとは逆に距離短縮か同距離がいい。ソーダズリングに加え、ルージュエクレール、フィールシンパシーも前走3勝クラスをマイルで勝った。出てくれば穴馬として面白そうだ。

ターコイズSに関するデータ、インフォグラフィック,ⒸSPAIA


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。


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