【マイルCS】最低人気優勝は13番人気のアグネスデジタル 秋のマイル王決定戦を「記録」で振り返る

緒方きしん

マイルCSの「記録」,ⒸSPAIA

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藤沢和雄調教師が最多6勝

今週はマイルCSが開催される。マイルの強豪が集う白熱の一戦で、過去にはモーリスやダイワメジャー、アグネスデジタルにタイキシャトルといった名馬たちが勝利をあげてきた。さらに遡るとオグリキャップやサッカーボーイといったアイドルホースもここを制している。マイルCSはスプリント路線や中距離路線からの参戦も多く、幾度となくハイレベルな戦いが繰り広げられてきた。

そんなマイルCSで最多の6勝している調教師が藤沢和雄調教師だ。2位の音無秀孝調教師が3勝で、その倍の勝ち星を挙げている。藤沢調教師のマイルCS初勝利は、1993年のシンコウラブリイ。岡部幸雄騎手との黄金タッグで、前年2着に敗れた雪辱を晴らしてのものだった。

また1997年はタイキシャトル×横山典弘騎手で勝利すると、翌年には岡部騎手とのコンビで連覇を達成。2001年にはゼンノエルシド×O.ペリエ騎手で勝利し同レース4勝目をあげた。残る2勝は記憶に新しい2020、21年のグランアレグリア×C.ルメール騎手での連覇。同馬での勝利が重賞126勝をあげた名伯楽にとって最後の重賞制覇でもあった。

騎手としては、藤沢厩舎とのコンビでも勝利を挙げた横山典騎手、岡部騎手が各3勝で2位にランクイン。そんなレジェンドらを抑えて最多勝利を挙げているのが、現在4勝の池添謙一騎手だ。

池添騎手は、2003年デュランダルとのコンビで同レース初勝利。同年10月のスプリンターズSも同馬とのコンビで勝利しており、末脚を武器に見事に差し切ってのGⅠ連勝だった。さらに翌年も同コンビでマイルCS連覇達成。他では2011年エイシンアポロン、2019年にはインディチャンプで勝利をあげている。

1番人気に応えた4歳馬は8頭

過去の結果を見ると、マイルCSは4歳馬が圧倒的に優位な一戦だ。1986年以降、3歳馬6勝、5歳馬10勝、6歳馬4勝という中で、4歳馬は17勝を挙げている。そのうち約半数にあたる8勝が1番人気での勝利と、人気に応えるパターンが非常に多い。最も低い人気で勝利した4歳馬は、1986年6番人気だったタカラスチール、次点が2003年のデュランダル、2011年のエイシンアポロンの5番人気だった。

一方、過去に2桁人気馬が4勝を挙げている。3歳のアグネスデジタル(13番人気)、5歳のエーシンフォワード(13番人気)とパッシングショット(10番人気)、6歳のトウカイポイント(11番人気)と、いずれも4歳馬ではない。人気に応える4歳馬、伏兵が台頭する他の世代、という構図だろうか。2着馬も4歳が18頭とさらに多くを占めるが、2桁人気馬はマイネルファルケ(14番人気)のみだった。

例外としては、8歳馬ながら1番人気に推されて勝利した馬がいる。2009年の勝ち馬カンパニーだ。同馬は3歳シーズンから重賞2着など好走し、4歳以降は毎年重賞を勝利するなど、長年にわたり一線級で活躍を続けた。そして8歳シーズンで更なる才能を開花させ、天皇賞(秋)ではウオッカらを撃破しGⅠ初制覇。引退レースとなった次走のマイルCSでキャリア初のGⅠで1番人気に支持されると、それに応えて猛然と差し切り勝ちした。

今年は6歳以上のベテランは出走を予定しておらず、4歳馬セリフォスが人気を集めそうだ。過去に人気を集めた4歳馬たちのように、人気に応える走りを見せてくれるだろうか。それともエルトンバローズ、エエヤンら好調な3歳世代やシュネルマイスター、ソウルラッシュら充実の5歳世代が意地を見せるか。世代間の戦いとしても注目したい。

ライタープロフィール
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。

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