【レパードS】「キャリア数」が取捨の決め手 好データを満たしたクレメダンジュが牡馬を一蹴だ
門田光生
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キャリア6~8戦が好走ゾーン
2023年8月6日に新潟競馬場で行われる第15回レパードS(GⅢ)。JRAでは最後の3歳限定のダート戦で、これ以降は古馬相手に戦うことになる。第4回にホッコータルマエ(チャンピオンズCや帝王賞を含む重賞14勝)というビッグネームの名前が見受けられるが、最近はここを勝って大舞台へ、という馬が見当たらない。実績馬は暑い夏場を休養に充てているのだろう。
では、ここに使ってきて結果を残しているのは、果たしてどんなタイプの馬なのか。今回も過去10年のデータを基にして検証していきたい。
☆所属
美浦所属馬が6勝、栗東所属馬が4勝。2着は美浦2頭、栗東8頭と差がついている。勝率では美浦、連対率だと栗東がわずかに有利だ。
☆性別
性別では、牡馬・セン馬が10勝、2着9回と圧倒。牝馬で連対したのは2017年の2着馬サルサディオーネだけ。もっとも、牝馬は出走頭数が16頭と少ないのも影響しているだろう。
☆キャリア
最少キャリアでの連対馬は、2014年の2着馬クライスマイル(2戦)で、最多キャリアでの連対馬は2016年の2着馬ケイティブレイブ(11戦)。連対馬がよく出ているのはキャリア6~8戦で、いずれも5頭の連対馬を出している。
連対馬が出ていないのはキャリア3、4、9戦。キャリア5戦からは勝ち馬が出ていない。全体的な傾向を踏まえると、2014年は例外と考えて、ある程度のキャリアは必要と結論付けたい。
☆前走クラス
勝ち馬が出ているのは前走で2勝クラス、オープン、GⅢ、そして地方を使っていた馬。連対馬が多く出ているのは2勝クラスの6頭だが、出走頭数も多く勝率、連対率では特筆するほどではない。また、前走で芝を走っていた馬は7頭いて、連対したのは2015年の2着馬ダノンリバティ(前走:白百合S)のみとなっている。
☆前走
相性のいい前哨戦は、4頭の勝ち馬を出しているユニコーンSと、5頭の連対馬を出しているジャパンダートダービー(JDD)なのだが、今年は両レースからの参戦がない。今年はレパードSでは初めて、ダービーを経て出走してくるパクスオトマニカが気になる存在だが、この時点で有利、不利は何ともいえない。なお、抽選対象になっていないエクロジャイトの前走鳳雛Sは【0-0-0-4】、クレメダンジュの関東オークスは【0-0-0-3】と、ともにサンプル数は少ないものの馬券に絡んだ馬が出ていない。
☆毛色
芦毛(白毛含む)の成績がよく、10頭が出走して3勝、2、3着が1回ずつ。半分が馬券に絡んでいる。逆に結果が出ていないのが黒鹿毛で、出走36頭中、連対したのは2014年の2着馬クライスマイルだけ。芝よりダートの方が照り返しは強いと聞くが、熱を吸収する黒色の方がより暑さがこたえるのだろうか。
☆その他
そのほかで気になったデータを挙げてみる。まず5月生まれは26頭該当して、勝ち馬はゼロ(2着は4頭、今回は該当馬なし)。また、中1週で使ってきた馬は一度も馬券に絡んでいない(これも該当馬なし)。最後に脚質だが、このレースで追い込んで連対した馬はいない。先行有利のレースと覚えておきたい。
夏は芦毛? クレメダンジュが牡馬を一蹴
レパードSのデータをまとめてみよう。
【好走データ】
A「キャリア6~8戦」
B「芦毛」
【勝ち馬なし】
C「牝馬」
D「キャリア5戦」
E「黒鹿毛」
【連対馬なし】
F「キャリア3、4、9戦」
世代や性別限定戦は使えるデータが少なく難解戦になることが多いのだが、今回がまさにそれ。プラスデータは2つしかないが、このうちB「芦毛」は、勝率30%、複勝率50%と優秀。逆に黒鹿毛は勝率0%、連対率も2.8%と極めて低く、これに該当する馬は軽視していいだろう。
登録馬で芦毛はクレメダンジュとリバートゥルー、ミスティックロアの3頭。クレメダンジュは勝ちがない牝馬、リバートゥルーとミスティックロアは連対馬が出ていないキャリア3、4戦。この3頭から選ぶのであれば、やはりクレメダンジュになる。A「キャリア6~8戦」にも該当しているし、牝馬自体は出走頭数が少なく、勝ち馬こそ出ていないが、複勝率は18.8%と、そこまで絶望的な数字ではない。今回は三連系の軸として本命にしたい。
今回は1勝クラスを勝ってきた馬が9頭と大挙して登録してきたが、前走で1勝クラスを走っていた馬は【0-3-0-31】と好走率が低くなっている。これらはすべて軽視し、最も連対馬を出している2勝クラス組で、キャリアや毛色のマイナスデータを持たない馬をピックアップ。それがクールミラボー(前走が阪神)、ソッコータルマカ(前走が東京)、ベンダバリラビア(前走が阪神)の3頭。過去10年で前走東京組が5勝と結果を残していることから、これに該当するソッコータルマカを相手筆頭に取る。
最後にオメガギネス。文中では例外とした2014年クライスマイルと同じ2戦2勝馬で、中山デビュー→1勝クラス(旧500万下)というローテーションも同じ。同様の例が1件しかないので、念のために加えておきたい。人気が予想されるエクロジャイトだが、【0-0-0-4】と結果が出ていない鳳雛S組ということで、今回はノーマークにしてみる。
◎クレメダンジュ
◯ソッコータルマカ
▲クールミラボー
△ベンダバリラビア
×オメガギネス
※執筆時点で◎クレメダンジュを除く4頭が抽選対象。
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
8月に元後輩を誘ってご飯に出かける予定ですが、珍しく(?)それに向けての資金作りに成功。あとは期日までに、さらに攻めるか、守りに入るか。まあ、十中八九、攻めますが(笑)
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