【レパードS】エクロジャイトなど賞金上位組に死角あり ポイントは前走条件戦組の取捨選択
勝木淳
ⒸSPAIA
キャリアを積んだ1番人気馬が中心
夏競馬の重賞スケジュールには珍しい形がある。たとえば中京記念の週は重賞が土日3場でひとつしかなかった。宝塚記念週には東京ジャンプSがあり、平地重賞ひとつはレアだ。そして今週の2重賞はどちらもダート戦で、芝の重賞が組まれていない。全日程でダート重賞しかないのもこの週だけだ。
真夏の砂上決戦、新潟は3歳同士のレパードS。来年は芝と同じく秋に三冠最終戦が組まれるので、レースの意味合いも大きく変わってくる。もちろん、貴重な世代限定ダート重賞であり、今年も秋のチャンピオンズCを含め、ダートの猛者たちへの挑戦権を賞金加算という形で着実に手中に収めたいはずだ。データは過去10年分を使用する。
貴重な重賞だけに1番人気は【4-3-1-2】勝率40.0%、複勝率80.0%と手堅い。凡走は、18年の前走JDD3着グレートタイムと20年の前走ユニコーンS2着デュードヴァンの2頭しかいない。以下、2番人気は【1-1-2-6】勝率10.0%、複勝率40.0%とそこまで強力ではなく、7番人気【2-1-0-7】勝率20.0%、複勝率30.0%や10番人気以下【2-3-2-51】勝率3.4%、複勝率12.1%など、1番人気以外はどの馬も横一線といった印象がある。
キャリア別の成績をみると、14年7番人気2着クライスマイルがキャリア2戦で激走しているものの、3戦【0-0-0-6】など春先とは違い、基本はキャリアを積んだ組が優勢。6戦【4-1-3-19】勝率14.8%、複勝率29.6%、7戦【3-2-1-14】勝率15.0%、複勝率30.0%、8戦【2-3-1-18】勝率8.3%、複勝率25.0%あたりにツボがある。
賞金上位のエクロジャイトと牝馬に死角あり
ダート戦線は芝とは異なり、地方交流など路線が多彩で横の比較が難しい。まして、ここは古馬と戦い、経験を積んだ条件馬も多く出走してくる。傾向はしっかりつかんでおこう。
まずは前走地方【2-3-6-17】勝率7.1%、複勝率39.3%だが、ここはJDDが【2-3-4-11】勝率10.0%、複勝率45.0%と大半を占める。反対にクレメダンジュ(執筆時点ではブリーダーズGCと両にらみ)の関東オークスは【0-0-0-3】。今年はライオットガール含め、賞金上位に牝馬がいるが、牝馬はこのレースで【0-1-2-13】。勝利は期間外の10年ミラクルレジェンドのみで、好走も17年2着サルサディオーネ、15年3着タマノブリュネット、20年3着ブランクチェックの計4例しかない。
前走GⅢ【4-0-0-17】勝率、複勝率19.0%はすべてユニコーンSで、今年は該当馬がいない。ここがいないとなると、今年はちょっと混戦の予感がある。
一方、同じ1800mの鳳雛Sは【0-0-0-4】と好走がない。勝ったエクロジャイトは1000m通過1:03.2のスロー寄りの流れを逃げ切った。最後400m12.3-12.2と加速した点は評価できるが、今回は単騎で逃げられる確証はなく、データを踏まえてもちょっと推せない。
抽選組もチャンスあり!
抽選対象も多いが、前走条件戦組についても調べる。該当馬が多い前走1勝クラス1着は【0-3-0-30】複勝率9.1%と確率的に狙いにくい。その前走コースは中京ダート1800m【0-2-0-2】複勝率50.0%、東京ダート1600m【0-1-0-3】複勝率25.0%で左回りの近い条件がいい。ボールドゾーン、アクションプランなどがこれに当てはまる。
前走2、3勝クラス【3-3-3-43】の着順内訳は1着【3-2-1-20】勝率11.5%、複勝率23.1%で、基本は3、4勝目を挙げた馬がいい。2勝クラス突破は重賞通用のひとつの目安といえる。その意味では牝馬のライオットガールは通用ラインをクリアしている。
また、負けた馬でも2着【0-0-1-5】、4着【0-1-0-2】、5着【0-0-1-4】など掲示板以内なら好走する余地はある。メイショウフジ、クールミラボーなど該当馬が複数いる。抽選突破組に該当馬がいれば、馬券に入れておこう。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『ゴールドシップ伝説 愛さずにいられない反逆児』(星海社新書)に寄稿。
《関連記事》
・3連単の最高額は1460万40円 2022年中央競馬の高額配当ランキング
・武豊騎手、JRA重賞350勝までの道のり 節目の重賞勝利を振り返る
・2023年に産駒がデビューする新種牡馬まとめ 日本馬の筆頭・レイデオロは「ディープ牝馬」との配合で期待
おすすめ記事