【レパードS】重要データ該当馬はわずか3頭 Cアナライズからは完成度の高いエクロジャイトを推奨

貴シンジ

レパードS 前走クラス別成績(過去10年),ⒸSPAIA

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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す

先週のクイーンSではドゥーラを推奨し1番人気1着。やはり自力の高い馬でコーナーの上がり方を見ても札幌コースは合っていた印象だ。さて、今回は8月6日(日)新潟競馬場で行われるレパードSについて下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。

・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走不利データ」
・適性と素質を知るための「血統評価」

特別登録のあった21頭を検討対象とし、過去10年のデータを使用する。

重要データ:前走の格が重要な一戦

前走クラス別成績,ⒸSPAIA


レパードSでは前走クラスが重要なファクターとなる。1勝クラス【0-3-0-31】、2勝クラス【3-3-2-42】、3勝クラス【0-0-1-1】、OP・L【1-1-0-6】、GⅢ【4-0-0-17】、GⅡ【0-0-0-3】、GⅠ【0-0-0-1】、地方【2-3-6-17】、海外【0-0-1-0】となっていて、勝ち馬が出ているのは2勝クラス、OP・L、GⅢ、地方の4つ。このうち2勝クラスからの臨戦で勝利した馬はいずれも前走で2勝クラスを勝っている。今年のメンバーで2勝クラスを勝利してここに駒を進めている馬はいない。加えて前走地方からの臨戦で勝利した馬はいずれも前走JDD組。今年はこちらも該当馬がいない。

また牝馬は【0-1-2-13】で勝ち馬が出ていない。前走関東オークス2着のクレメダンジュは実績上位だが割引が必要だ。ここまでのデータを鑑みると、今年は全体的にレベルが低く、積極的に狙いたいのは前走OP・L組となる。

【前走OP・Lの出走予定馬】
・エクロジャイト
・ツウカイリアル
・マテンロウガイ

前走不利データ:エクロジャイトの鳳雛S

エクロジャイトの前走は鳳雛S1着。ヘニーヒューズ産駒の京都ダート1800mの成績は【10-6-14-65】で単勝回収率68%、複勝回収率79%だ。極端に悪い成績ではないが、他場のヘニーヒューズ産駒の成績と比べると見劣りするのは事実で、得意な競馬場でないことは確かだろう。鳳雛Sは逃げて上がり最速タイという他馬を寄せ付けない内容で、2着馬のゼットリアンが後に2勝クラスを勝ち上がっていることからメンバーレベルも今回と比べて低いとは思えない。ここは人気でも逆らえないか。

血統解説:エクロジャイト、ミスティックロア

・エクロジャイト
日本での牝祖は3代母グリーンポーラ。同馬は競走馬としてカルヴァドス賞(GⅢ・芝7F)を勝利した実績馬だ。繁殖としても優秀で直仔にはTCK女王盃を制したケープリズバーン(父Bering)、忘れな草賞を勝利したジェダイト(父サンデーサイレンス)などがいる。配合次第で芝ダートともに走れるファミリーだが、本馬は祖母が前述のジェダイトだったものの、母オージャイト(父キングカメハメハ)はブリーダーズゴールドC3着などダート戦線で活躍。そこにヘニーヒューズをつけたから完全に適性はダートに振れた。元々距離は持つ一族で2走前のヒヤシンスSや4走前のオキザリス賞は距離が短かった印象。1800m以上が適性で馬体的にもゆとりのある身体つきをしている。今回は同型も多くなく、スムーズに先手を取れそうだ。

エクロジャイトの血統表,ⒸSPAIA

・ミスティックロア
母Folkloreが米国産で本馬も米国産馬。Folkloreは競走馬として優秀でBCジュヴェナイルフィリーズ(GⅠ・ダート8.5F)をはじめとしてGⅠ・2勝。繁殖としても優秀で本馬の半姉がロードクロサイト。つまり本馬は三冠馬コントレイルの叔父にあたる超良血だ。コントレイルはディープインパクト×Unbridled's Songで芝馬に出たが、ファミリーとしてはダートが主戦場の一族。Arrogate産駒の本馬はダート中距離馬に出て当然と言えるだろう。牝系の活力としては抜群で重賞を勝ち切ってもなんら不思議ない一頭だが、追走力にはまだ不安があるので、前走のようにスムーズに外々を回さないと差し遅れる不安がある。

ミスティックロアの血統表,ⒸSPAIA

Cアナライズではエクロジャイトを推奨

今回のCアナライズではエクロジャイトを推奨する。好走データ該当馬でもあり、血統的にも新潟へのコース替わりはプラスと評価できる。牝系の活力もミスティックロアには見劣るが重賞を勝つ下地は十分にある。ミスティックロアは素質は高いが、現時点ではエクロジャイトの方が完成度が高く、同馬の方が人気しないのであればこちらから入ってみたい。

【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか「競馬王」など商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。

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