【中京記念】参考レース振り返り データはパラダイスS組優勢、実績最上位はダノンスコーピオンも混戦模様
三木俊幸
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
参考レースを振り返る
7月23日(日)、サマーマイルシリーズ第2戦・中京記念(GⅢ・芝1600m)が行われる。4年ぶりに中京競馬場を舞台に争われる一戦について、出走予定馬の主な参考レースを過去10年のデータとともに振り返っていく。
パラダイスS【データ:A メンバーレベル:C】
過去10年の成績【2-2-0-13】勝率11.8%、連対率23.5%、複勝率23.5%
2015年にスマートオリオンが勝利し、アルマディヴァンが2着。2017年にはウインガニオンが優勝、2着にグランシルクが入るなど、パラダイスS組のワンツーが2回もある。今年はカイザーミノルがこのローテーションで出走を予定している。
レースはメイショウチタンが外からじわっと先頭に立ち、後続に3馬身ほどのリードを保って逃げるも、600m通過は35.1とスローペースだった。そのまま押し切り濃厚かと思われたところ、道中7番手から間を割ってビューティフルデイ、外からテンハッピーローズが強襲。結果は、ハナ差捉えたビューティフルデイが1:20.6で勝利した。
東京新聞杯以来、休み明けでの出走となったカイザーミノルは後方2番手からレースを進めるも、全く見せ場なく1.8秒差の15着に終わった。しかし、中京芝1600mは2022年の京都金杯で0.1秒差3着、今年は0.3秒差5着という実績がある。展開が向けば一発の可能性を秘めている。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
安田記念【データ:B メンバーレベル:A】
過去10年の成績【1-2-0-9】勝率8.3%、連対率25.0%、複勝率25.0%
2014年にサダムパテックが優勝。直近2年はカテドラルが連続2着と好走しているが、いずれも小倉開催でのものだった。
17番枠からウインカーネリアンが逃げ、2番手にジャックドールという展開で、前半800m通過は46.0というペース。直線ではジャックドールがしぶとく粘るも、残り100mで外からソングラインが豪快に差し切った。ヴィクトリアマイルに続いてGⅠ連勝、そして安田記念連覇を飾った。
6番手を追走していたダノンスコーピオンは、勝ち馬から1.0秒差の13着。ハンデは重くなりそうだが実績は最上位、今回は叩き3走目で相手関係も楽になるだけに、前進を期待したい。
米子S【データ:B メンバーレベル:C】
過去10年の成績【1-2-2-22】勝率3.7%、連対率11.1%、複勝率18.5%
2016年にガリバルディが勝利し、直近では2020年にラセットが2着に入っている。今年は前走レース別では最多の5頭が登録している。
レースはノルカソルカが逃げて、2番手にアナゴサンという隊列で流れ、前半800mの通過は44.9とハイペースだった。直線は横に広がった追い比べとなったが、道中9番手から運んだメイショウシンタケが間から突き抜けて、1:31.7で勝利した。
10番人気での激走だったが、ペースが流れて差しが届く展開になれば引き続き好走があっていいだろう。
4着ウイングレイテスト、5着アナゴサン、7着ワールドウインズ、12着セルバーグはいずれも先行しての結果。特にウイングレイテストは最後差されたが、一旦は先頭に立つ形で0.3秒差と内容は評価していい。
また2番人気だったセルバーグは直線に向いて何度か接触する不利があり、このレースに関しては度外視できる。
ヴィクトリアマイル【データ:C メンバーレベル:A】
過去10年の成績【0-0-1-8】勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率11.1%
出走数は9頭と少ないが、3着内に好走したのは2019年3着のプリモシーンのみと決して相性がいいとは言えない。
今年のヴィクトリアマイルは良馬場ながらレース前からやや強い雨が降る中で行われた。すんなりとハナを奪ったロータスランドが800m通過46.2のペースで引っ張る。2番手を追走していたソダシが残り200mで先頭に立ったが、内からスルスルと伸びたソングラインが1:32.2の勝ちタイムでアタマ差制した。
15番人気のディヴィーナは13番手を追走。直線は大外から上がり最速33.1の末脚で追い込み、ソングライン、ソダシ、スターズオンアースというGⅠ馬たち相手に、0.2秒差の4着と僅差の内容だった。引き続きM.デムーロ騎手が騎乗予定。差しが届く展開になれば再度の好走もある。2/4の抽選を突破するなら期待だ。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ルージュスティリアは3番手を追走していたが、0.7秒差の10着に終わった。ただ本コースは【2-0-0-0】と得意にしている。舞台替わりは歓迎だ。
13着サブライムアンセムはスタートで出遅れ。その後、向正面でナミュールが受けた不利の煽りの間接的に受けた影響もあり、道中は最後方追走だった。今回、スムーズに中団を追走できれば、巻き返す余地はある。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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