「前走上がり2位以内の馬」で複勝率6割超 川田将雅騎手の「買える条件・買えない条件」
東大ホースメンクラブ
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昨年の騎手三冠、本邦を代表するトップジョッキー
今週日曜、中京競馬場を舞台にGⅡ金鯱賞が行われる。勝ち馬に春古馬三冠第1ラウンド・大阪杯への優先出走権が与えられる一戦で、1番人気の支持を集めそうなのがプログノーシス。キャリア7戦中6戦で上がり3ハロン最速をマークしている極上の末脚は折り紙付き。悲願の重賞タイトル、その先のGⅠへ結果が求められる立場だ。
同馬の鞍上を務め、土曜の中山牝馬Sでも有力馬・アートハウスに騎乗を予定しているのが川田将雅騎手。昨年はJRA最多勝、最高勝率、最多獲得賞金騎手の三冠を手にし、今年も3月6日時点で【29-24-13-25】複勝率72.5%という異次元の数字を叩き出しているトップジョッキーだ。今週は川田騎手の「買える条件・買えない条件」をテーマに過去のデータから分析していく(参照するデータは2018年3月10日~2023年3月5日)。
「脚を余した馬」を買え
<川田将雅騎手の「買える条件」>
友道康夫厩舎【39-13-17-49】勝率33.1%/連対率44.1%/複勝率58.5%
芝×距離短縮【97-57-55-140】勝率27.8%/連対率44.1%/複勝率59.9%
単勝10倍台【20-25-28-152】勝率8.9%/連対率20.0%/複勝率32.4%
前走上がり2位以内【288-158-99-326】勝率33.1%/連対率51.2%/複勝率62.6%
まずは川田将雅騎手を買える条件について検討する。
厩舎別では中内田充正厩舎とのタッグがおなじみだが、今回は同じ関西陣営から友道康夫厩舎をピックアップ。もともと騎乗は多くなかったが、2019年ジャパンCでのワグネリアン(3着)あたりから目にする機会が増えている。前走2番人気以内だった馬に限定すると【28-9-7-28】複勝率61.1%、単勝回収率111%。該当例には今年のクイーンCで跨ったハーパーがあり、6番人気の中穴評価ながらきっちり勝たせている。
騎乗馬のローテでは、芝のレースで距離短縮馬に乗ると妙味があり、単勝回収率は106%と黒字域。重賞に限定すると【17-10-12-30】、単勝回収率157%、複勝回収率122%とさらなる優良物件になる。このうち1番人気では連対率72.2%を記録しており、迷ったら川田騎手から連系馬券を組むという選択が成り立つ。
近年はほとんどの騎乗馬が人気に推される川田騎手だが、オッズの盲点となっている場合もまた信頼でき、単勝10.0~19.9倍だったケースでは単勝回収率120%、複勝回収率102%。特に前走で掲示板を確保した馬、かつ芝では単勝回収率171%まで上昇する。前述したクイーンCのハーパーに加え、昨年の桜花賞を勝ったスターズオンアース(7番人気)が記憶に新しい。目下好走しながら力関係などで疑問視され、伏兵扱いを受けているときこそ強気に買うべきだ。
“馬を動かす騎乗”に定評のあるジョッキーらしく、前走上がり3ハロンが2位以内だった馬に乗ると複勝率6割超え。これに加えて4着以下、いわゆる「脚を余した馬」の次走では強調でき、該当馬は【44-19-13-51】勝率34.6%、単勝回収率159%をマーク。2021年以降では【25-6-8-16】勝率45.5%、単勝回収率172%と手が付けられない状況で、金鯱賞のプログノーシスはまさに絶好の買い時だろう。
新装京都ダートでは様子見が吉?
<川田将雅騎手の「買えない条件」>
東京芝【34-45-33-118】勝率14.8%/連対率34.3%/複勝率48.7%
京都ダート【35-28-24-87】勝率20.1%/連対率36.2%/複勝率50.0%
次に買えない条件についても確認する。
大きく好走率が落ちる条件がほぼなく、全体的に穴がないジョッキーだが、芝では唯一東京の回収率が低く、単勝回収率は66%にとどまる。2019年以降4年連続で複勝率50%を切っており、昨年は【5-14-7-27】勝率9.4%と勝ち切れず、単勝回収率は37%だった。人気でも買い目から外したり、2、3着付けに据えるのが賢い付き合い方かもしれない。
改修前の京都ダートで数字が伸び悩んでいたことも挙げられ、こちらは単勝回収率55%とさらに低い。京都競馬場は今年の4月22日にリニューアルオープンを迎えるが、最初は様子見の意味を込めて買い控えてもよさそうだ。
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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