【大阪杯】GⅠ昇格後は「栗東所属」が全勝 “不安材料なし”ベラジオオペラが連覇へ視界良好
門田光生

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「所属」に明暗
6日に阪神競馬場で行われる第69回大阪杯。GⅠに昇格した2017年以降、同年の宝塚記念で前走大阪杯組が馬券に絡まなかったのは、2018年と2023年(※該当馬なし)の2回だけ。GⅠに昇格して、大阪杯から宝塚記念というローテーションが確立されたといっていいだろう。
そんな大阪杯にはどのような傾向があるのか。今回はGⅠ昇格以降、全8回の成績を基にして検証していく。
☆所属
8回すべてで栗東所属馬が勝利している。一方、美浦所属馬は2年連続で2着(23年スターズオンアース、24年ローシャムパーク)。徐々に盛り返しているとも取れるが、数字上は圧倒的に栗東所属馬が有利となっている。
☆性別
牡馬、セン馬が6勝(11連対)、牝馬が2勝(5連対)。ただし、勝率、連対率、複勝率の3部門は牝馬が大きく上回っている。
☆年齢
連対馬16頭中、15頭が4歳と5歳。6歳以上で連対したのは、2017年2着馬ステファノス(6歳)だけだった。
☆前走クラス
馬券に絡んでいるのは、海外レース含む前走重賞組のみ。またサンプル数は6頭と少ないが、前走海外組から1、2着馬が1頭ずつと好相性だ。
☆主な前走
勝ち馬を最も多く出しているのは金鯱賞(3勝)。ただ勝率、連対率、複勝率の比較では、勝ち馬を出している他レースと大きな差はなかった(母数の少ない香港Cは除く)。
不振なのはAJCCと日経新春杯。この2レースから3着以内に入った馬は出ていない。
☆前走着順
勝率では2着馬、連対率では5着馬が最上位。3着馬からは、連対馬が1頭(2着)しか出ていない。また、前走10着以下だった馬は、すべて連対を外している。
☆前走人気
前走で1番人気に支持されていた馬の好走率が、他と比べて高い。前走5番人気からは勝ち馬が出ておらず、6番人気以下だと馬券に絡んだ馬はいない。
☆前走距離
本番と同じ2000mを走っていた馬の好走率が高い。一方で1600m、または2400mだった馬から連対馬は出ていない。
☆毛色
栗毛【3-0-1-10】の好走率が、他と比べてやたらと高い。一方、黒っぽい毛色は苦戦傾向で、黒鹿毛は勝ち馬が、青鹿毛は連対馬がいない。また、芦毛も勝ち馬が出ていない。
☆前走馬体重
大型馬が好走する傾向。前走499kg以下と比べて、500kg以上の好走率が高い。
☆その他
前走を逃げた馬で、本番を逃げ切った馬はいない。ただし、大阪杯としては逃げ脚質が【2-0-1-5】と2頭が逃げ切っている。
マイナスデータを免れたのは1頭だけ
大阪杯のデータをまとめてみよう。
【好走率アップ】
A「牝馬」
B「前走海外」
C「前走2着、もしくは5着」
D「前走1番人気」
E「前走2000m」
F「栗毛」
G「前走馬体重500kg以上」
【勝ち馬なし】
H「美浦所属」
I「6歳」
J「前走3着」
K「前走5番人気」
L「黒鹿毛」
M「前走逃げ」
【連対馬なし】
N「7歳以上」
O「前走AJCC、もしくは日経新春杯」
P「前走10着以下」
Q「前走6番人気以下」
R「前走2400m」
S「青鹿毛」
まず好走データを勝率順に並べると、以下の通りになる。
今回は過去8回分とデータがやや少ないので、サンプルが少ないものも拾っている。その影響もあってか、勝ち馬なし「H~M」、連対馬なし「N~S」に該当しないのは、昨年の勝ち馬ベラジオオペラ1頭だけになってしまった。
ベラジオオペラはプラスデータ「A~G」のうち、G「前走馬体重500kg以上」しか該当しないのは気になるが、他が勝ち馬の出ていないデータに該当しているのだから、本命にする。
続いて相手探し。ここからは、勝ち馬なし「H~M」は無視して進める。連対率順に好走データを並べると、以下の通りになる。
今回、最も多くプラスデータを持っているのはホウオウビスケッツ(CDEG)。8年で1頭の勝ち馬も出ていない美浦所属馬なので本命にはできなかったが、馬券内にくる確率はこれが一番高いだろう。よって、対抗評価だ。
続いてデシエルト(EG)とラヴェル(AE)。2番目に連対率が良い、A「牝馬」のラヴェルが3番手、プラスデータの中では弱い「E」「G」のデシエルトを4番手とする。
高連対率のB「前走海外」、A「牝馬」のステレンボッシュも魅力だが、勝ち馬が出ていない「美浦所属」「前走3着」に加えて、馬券絡みがない「前走2400m」にも該当し、致命的。ということで、今回は見送る。
◎ベラジオオペラ
◯ホウオウビスケッツ
▲ラヴェル
△デシエルト
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
大阪の天満橋で行われたドローンのショーを見に行ってきました。遠くから集合してくる際のドローンの姿と飛行音から、思わず虫の襲来を思い浮かべてしまいましたが、ショー自体はきれいで見応えがありました。将来、花火と肩を並べるぐらいの存在になるかもしれませんね。
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