【京都新聞杯】「前走1着」のデータを信頼 レース相性のいい父キズナと同じ道を歩む、リビアングラス
門田光生
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キズナ産駒は2戦2勝
2023年5月6日に京都競馬場で行われる第71回京都新聞杯。近年では、2013年の1着馬キズナ、2019年の2着馬ロジャーバローズが、ここをステップにしてダービーを制している。
なかなかダービー馬が出現しない青葉賞と比べると、重要度は上なのかもしれない。そんな京都新聞杯にはどんな傾向があるのか。今回も過去10年(中京開催も含む)の成績を基にして傾向を調べていきたい。
☆所属
馬券に絡んだ30頭はすべて栗東所属馬。ダービートライアルの青葉賞とプリンシパルSは、ダービーと同じく東京で行われる。特殊な事情がない限り、遠征してくることが少ないのだろう。実際、ここ10年で美浦所属馬は6頭しか出走しておらず、今年は登録の時点で出走馬は栗東所属のみとなっている。
☆キャリア
勝ち馬が最も多く出ているのはキャリア5戦で、4勝。2着馬も2頭いて、勝ち馬、連対馬ともに最多だ。続いて3戦、6戦、8戦の4連対。一方で、キャリア2戦以下、7戦、9戦以上から連対馬は出ていないという、極端なデータが出ている。
☆前走クラスと主な前走
トライアルらしいと言っていいのか、1勝クラス組が5勝、2着6回。連対馬の半分以上を占めている。続いてGⅢ組の4勝。勝ち馬10頭中9頭がこの2つのクラスから出ている。
特にGⅢ組は、勝率25.0%で、連対率は30.0%超えと優秀。GⅠを走っていた馬は計10頭出走しているが、馬券に絡んだのは2020年の1着馬ディープボンドだけ。残り9頭はすべて馬券圏外に沈んでいる。なお、未勝利組は27頭が出走し、馬券に絡んだケースは1回もない。
レース別だと、今回の登録馬でいえば毎日杯組が2勝でトップ。過去に11頭が出走して、5頭が馬券に絡んでいる優秀なステップレースである。1勝クラス(500万下含む)では、ゆきやなぎ賞【1-0-1-0】、新緑賞【1-0-0-0】組が気になる。サンプル数が少なく過信は禁物だが、過去の好走馬と類似点があれば要注意だ。
☆前走着順
前走1着馬から、半分以上にあたる6頭の勝ち馬が出ている。前走4着【2-2-2-6】で、こちらは複勝率が50.0%と優秀だ。一方で、前走2着馬は8頭出走して0勝。前走3着、5着馬からは連対馬が出ていない。
☆その他
そのほかで気になったデータを挙げていく。まずは血統。キズナ産駒が2戦2勝、そして母の父Storm Cat(今回は該当馬なし)も2戦2勝。キズナ自身が京都新聞杯を勝っており、相性の良さが産駒にも伝わっているのかもしれない。
続いて前走で東京を走っていた馬は4戦2勝と結果を出している。逆に福島、新潟からの臨戦で馬券に絡んだ馬はいない。最後に前走馬体重だが、500キロ以上は28頭いて、1頭も勝ち馬が出ていない。
難解戦で有力なのは?
京都新聞杯のデータをまとめていこう。まず好走確率が上がるのはA「キャリア5戦」B「前走がGⅢ、ゆきやなぎ賞、新緑賞」C「前走1着か4着」D「キズナ産駒」E「前走が東京」。
好走確率が下がってしまうのはF「前走が皐月賞」。勝ち馬が出ていないデータはG「前走2着」H「前走馬体重が500キロ以上」。そして、連対馬が出ていないデータはI「前走が未勝利戦」J「キャリア2戦以下、7戦、9戦以上」K「前走3着か5着」L「前走が福島か新潟」。
数字を重視するデータ予想とはいえ、ロマンも込みで考えれば、このレースを経てダービー馬となったキズナの産駒に注目したい。今回はファームツエンティ、リビアングラスの2頭が該当。前者はサンプル数が多いにもかかわらず3着以内が1頭も出ていないI「前走が未勝利戦」に該当するので除外。一方のリビアングラスはC「前走1着」にも該当し、目立ったマイナスデータを持っていない。こちらは有力な本命候補の1頭と考えていいだろう。
他にも本命候補がいないか探してみる。好走率のいい毎日杯組も気になるが、それより出走馬すべてが馬券に絡んでいる「ゆきやなぎ賞」と「新緑賞」組を検証してみよう。まずはゆきやなぎ賞を勝ったサトノグランツから。
過去に馬券に絡んだ2頭と同じく、勝ってからの参戦。ただ、その2頭が走ったのは、中京で行われた京都新聞杯だった。今年の舞台は京都。単純にはいえないが、ゆきやなぎ賞の舞台・阪神の芝質は、京都より中京の方が近いイメージ。今年も結果が出れば立派な前哨戦となるのだが、現時点でそう結論づけるのは早いかもしれない。
一方の新緑賞組ローレルキャニオンだが、2014年の勝ち馬ハギノハイブリッドは、新緑賞を勝ってからの参戦だったのに対し、ローレルキャニオンは2着からの参戦。前走2着馬からは勝ち馬が出ていないというマイナスデータもあり、本命には推しづらい。ただ、登録馬で最多となる3つのプラスデータを持っているので、印は入れておきたい。
というわけで、リビアングラスを本命とし、2番手をサトノグランツにする。
相性のいい毎日杯組では、連対例がないK「前走3着」のドットクルーより、マイナスデータが一つもないオメガリッチマンの方を取りたい。あと1頭挙げるなら、A「キャリア5戦」とC「前走4着」の2つのプラスデータを持つシェイクユアハート。前走で走った大寒桜賞組は【0-0-2-2】。複勝率は50.0%なので、3連系の馬券で押さえたい。
◎リビアングラス
◯サトノグランツ
▲オメガリッチマン
△ローレルキャニオン
×シェイクユアハート
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
いよいよゴールデンウィークに突入! といっても、毎年のことながら全く関係なし。5月の初っ端から、診察時間1分の病院で2時間待たされ、帰りに大雨が降ってずぶぬれ。この日がどん底で、あとは上向くしかないと信じて頑張ります。
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