【NHKマイルC】注目すべきは前走2着馬! ウンブライル、セッション、カルロヴェローチェが混戦を抜け出す

勝木淳

過去10年のデータから見るNHKマイルC,ⒸSPAIA

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10番人気以下の3着以内が7頭

距離適性を重視するレース選択が主流になり、NHKマイルCもここを目標に歩んできたマイラータイプとクラシックからの転戦組との激突が年々、激しさを増す。

今年も桜花賞から重賞勝ち馬シングザットソング、皐月賞からGⅠ・2着馬ダノンタッチダウンが参戦する。マイル戦線を進んだ馬との力関係をどう考えるか。データは過去10年分を使用する。

人気別成績,ⒸSPAIA


マイルを目標に歩んだ馬に桜花賞、皐月賞からの転戦組が交わるNHKマイルCはちょっとひと筋縄ではいかない。

1番人気は【2-1-1-6】勝率20.0%、複勝率40.0%で半数以上が馬券圏外。2番人気【3-2-1-4】勝率30.0%、複勝率60.0%はアテになるものの、3番人気以下は5番人気【0-0-0-10】、8番人気【0-0-1-9】複勝率10.0%を除くと横一線で、10番人気以下【1-3-3-83】勝率1.1%、複勝率7.8%など大穴が突っ込む年も多く、油断できない。

キャリア別成績,ⒸSPAIA


キャリア別では少ない3戦【1-2-1-8】勝率8.3%、複勝率33.3%も好走確率が高いが、中心は5戦【3-4-3-29】勝率7.7%、複勝率25.6%、6戦【4-0-3-28】勝率11.4%、複勝率20.0%あたり。そこそこキャリアを積んだ経験が武器になる。

前哨戦2着馬に巻き返しの予兆

昨年は18番人気カワキタレブリーが3着に入った。同馬の前走はアーリントンC11着、前々走は中京マイルの白梅賞1着という臨戦過程だった。穴馬の大駆けも頭に入れつつ、前走成績の傾向を探ってみよう。

カワキタレブリーも該当した前走重賞が【10-8-10-128】勝率6.4%、複勝率17.9%。やはり東京マイルのGⅠで好走するには最低でも前走で重賞を経験しておきたい。

前走GⅠ着順別成績,ⒸSPAIA


まずは前走GⅠについて。内訳は桜花賞【2-2-0-12】勝率12.5%、複勝率25.0%、皐月賞【2-1-1-10】勝率14.3%、複勝率28.6%で牡牝クラシックは互角だ。ただ単/複の回収率は桜花賞が50/53に対し、皐月賞76/159で、同距離の桜花賞より距離短縮の皐月賞組が人気の盲点になりやすい。

これらGⅠ組の着順別成績は、掲示板以内の4、5着【4-0-0-2】が強く、6着以下はやや信頼度が下がる。6~9着【0-1-0-4】、10着以下【0-1-1-15】なので、敗退組の巻き返しはないわけではないが、強気にはなれない。今年は桜花賞7着シングザットソング、皐月賞18着ダノンタッチダウンが雪辱を期すが、クラシック経由とはいえデータ上は飛びつきにくい。

前走GⅡ・GⅢ・距離別成績,ⒸSPAIA


GⅠ以外の重賞組は距離別成績で整理する。トライアル2レースを含む前走1600mは【4-1-6-67】勝率5.1%、複勝率14.1%と好走馬をそれなりに送るものの、頭数も多く、案外狙いにくい。

前走GⅡ・GⅢ・1600m・着順別成績,ⒸSPAIA


前走マイル重賞だった馬の着順内訳は1、2着【3-1-2-25】、3着~5着【0-0-3-20】、6着以下【1-0-1-22】といった感じで、基本はいい着順だった馬を素直に評価したい。NZT1、2着エエヤン、ウンブライルと、アーリントンC1、2着オオバンブルマイ、セッションが候補。

エエヤンが勝ったNZTはやや重で、序盤600m35.0、前後半800m46.5-47.2の前傾ラップになり、1.33.7。2ハロン目から6ハロン目まで11秒台が続く息が入らない流れだった。好位から抜け出したエエヤンは評価できるが、中山3連勝が物語るように速い脚を問われるようだと、死角はある。その意味では中山向きとはいえないウンブライルは桜花賞除外でNZTへ回った経緯なども含め、東京替わりは怖い。

オオバンブルマイが差し切ったアーリントンCも重馬場で、序盤600m34.1、前後半800m45.8-48.1、1.33.9と負けず劣らずハイペースだった。重賞2勝のオオバンブルマイの実力を評価しつつ、好位で粘ったセッションもマークしたい。

カワキタレブリーのように前哨戦敗退もデータ上、ノーマークにできない。今年は敗退馬のなかにアーリントンC1番人気11着ユリーシャやNZT1番人気7着ドルチェモアなど実績馬もいるので、なおさらだ。

前走GⅡ・GⅢ・1600m以外・着順別成績,ⒸSPAIA


距離別成績に話を戻すと、1600m未満【1-1-1-16】勝率5.3%、複勝率15.8%、1600m超【1-3-2-21】勝率3.7%、複勝率22.2%と前走非マイル重賞出走馬も確率的には変わらない。こちらも1、2着【2-3-1-16】、3着以下【0-1-2-21】で基本は好走馬が狙い。スプリングS7着オールパルフェはマイル重賞勝ち馬でもあり、マイル替わりで穴人気に推されそうだが、データ上は強気になれない。

であればファルコンS1、2着タマモブラックタイ、カルロヴェローチェが面白い。前走ファルコンSは【1-1-1-16】なので距離延長はすべてここ。ファルコンSの着順内訳も1着【0-1-0-7】複勝率12.5%、2着【1-0-1-3】勝率20.0%、複勝率40.0%。2着馬は20年ラウダシオン(1着)、21年グレナディアガーズ(3着)が2年連続好走した。データ上はカルロヴェローチェが優勢といえる。

ファルコンSもトライアルと同じく道悪で行われ、前後半600m34.8-35.9とハイペースになり、1.22.6。最後は12.3と時計がかかったものの、4番手だった1、2着と差した3着馬との着差は3馬身で、差を詰められはしなかった。3着以下が走らな過ぎた可能性も残るが、どちらもしぶとい。カルロヴェローチェは前々走、良馬場の白梅賞を1.33.3で勝利。昨年のカワキタレブリーと同じレースを2走前に勝った。2走前が小倉芝1200mだったタマモブラックタイとはニュアンスが違う。

今年は前哨戦がいずれも道悪だったことで、より一層、適性をつかみにくいところがある。やはり波乱を視野に入れよう。

過去10年のデータから見るNHKマイルC,ⒸSPAIA


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『テイエムオペラオー伝説 世紀末覇王とライバルたち』『競馬 伝説の名勝負 GⅠベストレース』(星海社新書)に寄稿。

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