【金鯱賞】混戦の今年も頼りになるのは白富士S組! ヤマニンサルバムで一発狙う
勝木淳
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1番人気は馬券圏内パーフェクトだが
大阪杯GⅠ昇格とともに春に移った金鯱賞は過去6年、本番で【3-2-1-18】。3勝はスワーヴリチャード、アルアイン、ポタジェでその人気は1、9、8番人気と妙味たっぷり。というのも勝った3頭の金鯱賞での着順は1、5、4着。負けた馬が巻き返すレースでもあるので、その点もしっかりチェックしておこう。データは春に移った過去6年分を使用する。
なんといっても21年10番人気ギベオンがデアリングタクトを破ったインパクトが大きく、波乱をイメージしがちだが、1番人気は【4-1-1-0】勝率66.7%、複勝率100%で馬券圏外なし。21年も1番人気デアリングタクトは2着。GⅠのステップレースにあたるGⅡらしくまずは1番人気から入ろう。
しかし、今年は昨年の大阪杯覇者ポタジェしかGⅠ馬がいない。そのポタジェも大阪杯以降は11、6、13、12着と不振であり、例年以上に混戦である点は見逃せない。以下は2番人気こそ【1-1-1-3】勝率16.7%、複勝率50.0%だが、3、4番人気はそれぞれ【0-0-0-6】。データからも5番人気以下の2、3着は十分考えられる。今年は波乱も視野に入れていい。
年齢の傾向は割とはっきりしており、4歳【4-2-1-11】勝率22.2%、複勝率38.9%、5歳【1-3-3-16】勝率4.3%、複勝率30.4%、6歳【1-0-2-15】勝率5.6%、複勝率16.7%、7歳以上【0-1-0-13】複勝率7.1%で4歳が断然。ヤマニンサルバム、フェーングロッテンなどを中心に考えよう。
前走で弾けきれなかったヤマニンサルバム
ひとまず4歳中心に5、6歳へという傾向を踏まえ、ここからはローテーション別に混戦メンバーから好走候補を探す。
前走クラス別成績をみると、前走GⅠ【4-1-1-12】勝率22.2%、複勝率33.3%が優勢。ここは有馬記念【3-0-1-8】勝率25.0%、複勝率33.3%が中心だ。実績最上位ポタジェがこれに該当するが、同馬は有馬記念12着。6着以下だった馬は【0-0-1-8】でトーンダウンしてしまう。
次に前走GⅡは【0-0-0-17】と不振。であれば、今年、該当馬が多い前走GⅢ【0-2-1-18】複勝率14.3%は心もとない数字だが、内訳をみてみる。フェーングロッテン、アラタらの中山金杯は【0-0-0-2】、マリアエレーナの愛知杯【0-0-0-1】、プログノーシスの中日新聞杯【0-1-0-2】。20年8番人気2着サトノソルタスがいるが、データとしては強調できるほどではない。やはり、今年は例年とは様相が異なる。
そうなれば前走オープン・L【2-0-3-5】勝率20.0%、複勝率50.0%が頼りになるか。ここは白富士Sが【2-0-3-1】と好走すべてを占める。21年ギベオン、22年ジャックドールと2年連続勝ち馬を送る必勝ローテ。ジャックドールは白富士S勝ち、ギベオンは白富士S5着。7着に敗れたダイワキャグニーも金鯱賞6番人気3着なので、着順は問わない。今年は3着ヤマニンサルバムがいる。4歳でもあり注目だ。
白富士Sは中山記念3着ドーブネが逃げ、前半600m35.7、1000m通過59.9。開幕週だったことを考えれば、ペースはスローに近い。ペースアップは残り600m。11.2-11.3-11.5で34.0だった。
勝ったサリエラに対し、ヤマニンサルバムは内枠で窮屈な競馬を強いられ、序盤行きたがる場面があった。勝負どころでは番手にいたザイツィンガーが早めに下がってきたので、一緒に下がらざるを得なかった。最後の直線では内にモタれながらも上がり3F33.8を記録し、3着まで盛り返した。伸び伸び走れていれば勝ったサリエラとも遜色なかったのではないか。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『テイエムオペラオー伝説 世紀末覇王とライバルたち』『競馬 伝説の名勝負 GⅠベストレース』(星海社新書)に寄稿。
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