【チューリップ賞】牝系からの注目馬は4頭! Cアナライズでは大きな「前走不利データ」を持つ馬を推奨

貴シンジ

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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す

阪急杯ではミッキーブリランテを推奨し12番人気8着。先週の記事でも書いたが内枠が欲しかった。和田竜二騎手もなんとかタメを作ろうとした騎乗だった。次回以降も内枠の時には注目したい。

さて、今回は3月4日(土)阪神競馬場で行われるチューリップ賞について下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。

・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走不利データ」
・適性と素質を知るための「血統評価」

特別登録のあった17頭を検討対象とし、過去10年のデータを使用する。

重要データ:前走阪神JF組が圧倒的も、今年はOP組にも注目

前走レース別成績,ⒸSPAIA


重要データで取り上げるのは前走レース別成績だ。ここはかなり強烈な傾向が出ていて、前走阪神JF組が【9-1-6-12】で、勝ち馬のほとんどがこのローテーションだ。ただこのデータはもう一歩踏み込む必要がある。好成績を残しているのは阪神JFで4着以内だった馬たち。5着以下だった馬の成績は【0-0-1-6】で好走データとはならない。今年の登録馬に阪神JFで4着以内だった馬はいない。ほかの組にもチャンスがありそうだ。

他に勝ち馬を輩出しているローテーションは紅梅S【1-0-0-8】とエルフィンS【1-1-1-18】の2つ。紅梅Sからチューリップ賞で勝利したのは16年シンハライト、こちらは紅梅Sも勝利しての臨戦だった。対してエルフィンSからチューリップ賞を勝利したのは21年エリザベスタワー、こちらは前走9着と大敗からの巻き返し。加えて19年3着のノーブルスコアも前走3着からの臨戦だった。

サンプル数が少なく断定は出来ないが、ひとまず紅梅S組は1着馬、エルフィンS組なら着順にこだわらず加点と捉えておこう。ちなみに人気になりそうなペリファーニアの前走新馬戦組は【0-2-0-6】と勝ち馬こそ出ていないが、連対馬は出ており割引とまではいかない。

【紅梅S1着orエルフィンS組】
・ダルエスサラーム
・コナコースト

前走不利データ:阪神JFのドゥーラ

阪神JF6番人気以下の成績,ⒸSPAIA
阪神JF初角16番手以下成績,ⒸSPAIA


ドゥーラの前走は阪神JF6着。前項で述べた阪神JF経由の好走馬は4着以内というデータには当てはまらないが、それでもこの馬を推すべき材料はある。

まずは阪神JFが非常に堅いレースであるということ。当日6番人気以下だった馬の成績は【0-4-3-121】と勝ち馬が出ていない。ドゥーラの阪神JFでの人気はちょうど6番人気だった。

もう一つ、阪神JFにおいて初角の位置取りは非常に重要だ。初角16番手以下だった馬の成績は【0-1-0-20】と勝ち馬が出ていない。ドゥーラは出遅れてしまい初角は17番手。この位置取りでは厳しいレースだった。それでも上がり最速の脚で追い上げ6着。この点は評価すべきだ。

前走不利データ:紅梅Sのダルエスサラーム

紅梅S前走馬体重別成績,ⒸSPAIA


ダルエスサラームの前走は紅梅S1着。同レースは前走時の馬体重が予想する上で重要なファクターの一つだった。ダルエスサラームの紅梅Sの前走、つまりつわぶき賞の馬体重は438kg。420~439kgだった馬の成績は【2-5-1-32】。極端にサンプルの少ない500kg以上を除き、20kgごとの馬体重で区分すれば、420~439kgの勝率5.0%、複勝率20.0%は最低の数字だった。

特に今年の紅梅Sは馬場も稍重でパワーを要する条件で行われ、なおさら馬体重の軽いダルエスサラームにとっては不利なデータだった。今回へのデータ的な上積みは十分ある。

血統解説:コナコースト、ダルエスサラーム、ドゥーラ、ペリファーニア

・コナコースト
日本での牝祖は4代母バレークイーン。フサイチコンコルドやヴィクトリーなどを輩出する日本の名牝系の一つだ。グレースアドマイヤとフサイチミニヨンの2つの枝から発展しており、本流はグレースアドマイヤ。本馬はフサイチミニヨンが3代母と本流ではないが、こちらも活力は十分だ。

フサイチミニヨンの枝は早熟性があって機動力、スピード、パワーがある馬が多いのが特徴だ。本馬も父がキタサンブラックで母父キングカメハメハと、阪神の急坂は全く問題にならない。フサイチミニヨンの牝系は極端に短い距離でしか走れないタイプが配合に関わらず出ることがあり、距離の不安がよぎったが、馬体を見ればその不安は消し飛んだ。馬体からはキタサンブラックがしっかり出ていて、スラッとした中距離タイプ。距離短縮よりむしろ距離延長、2000m以上が良いタイプだろう。

コナコーストの血統表,ⒸSPAIA

・ダルエスサラーム
母ザズーはラスヴァージネスS(GⅠ・ダート8F)とレディーズシークレットS(GⅠ・ダート8.5F)を勝利。産駒にはクイーンC3着のアルーシャ(父ディープインパクト)がいる。祖母Rhumb Lineを根幹としたファミリーが広がっている。

Rhumb Lineは主な競走実績はないが、繁殖としては非常に優秀でチェリーヒントンS(GⅡ・芝6F)で2着のアートプリンセス(父Officer)、サンタアニタダービー(GⅠ・ダート9F)2着、ロバート・B・ルイスS(GⅡ・ダート8.5F)勝ちのFlashback(父Tapit)がいる。

孫世代には全日本2歳優駿2着のタップザット(父Tapit)もいて国内外問わず優秀な牝系だ。ザズーはRhumb Lineの産駒の中では最もスピードがあった馬だ。なのでディープインパクトをつけたアルーシャは芝馬に出ているが、ダート適性が高く早熟性があるのがファミリーの特徴。本馬は父がダイワメジャーで馬格こそないがトモの容量が大きい筋肉質なタイプ。阪神コースも1600mへの距離延長も大丈夫だが、時計勝負になると厳しいか。

ダルエスサラームの血統表,ⒸSPAIA


・ドゥーラ
3代母ターミナルフラワーが日本での牝祖。ターミナルフラワーの牝系は本馬の祖母アラマサスナイパー(父ステイゴールド)から繋がる枝が繁栄していて、叔母には函館2歳S勝ちのクリスマス(父バゴ)がいる。活力で言えばGⅠ級とまでは言い難いが、半兄オシリスブレイン(父バゴ)が芝短距離の3勝クラスで走っているなど、世代限定重賞で戦えるだけのポテンシャルは秘めている。

ターミナルフラワーの父Salt Lakeの影響が強く、スピード性能が高い馬が多いのがファミリーの特徴だ。祖母アラマサスナイパーにステイゴールドが入るが、母イシス(父キングヘイロー)がスプリンターだったように距離はそれほど持つ母系ではない。しかし本馬はドゥラメンテの影響が非常に強く、胴長の馬体はファミリーでは異質な存在だ。

桜花賞となると阪神JF時同様追走に不安が残るが、スローペースになりやすいトライアルのここなら自ら動いてまとめて差し切れる。

ドゥーラの血統表,ⒸSPAIA


・ペリファーニア
日本での牝祖は祖母ケイティーズファーストだが、3代母Katiesを根幹として広がっている一族。Katies自身は愛1000ギニーの勝ち馬で競走馬としても優秀。牝系にはJCなどGⅠ・3勝のアドマイヤムーン、先日引退を発表した本馬の半兄エフフォーリア(父エピファネイア)などが出ている。このファミリーは打率が高く、産駒の多くは一定の活躍を見せている。

加えて長打率も高いのが魅力の一つだ。パワータイプで芝特化の馬が多いのが特徴。マイナスポイントは気性面に不安がある馬が出やすいということだろう。本馬はその心配はなさそうで、父がモーリスだからか成長曲線は兄よりも遅め。兄の活躍から中距離での走りを期待されがちだが、馬体はまとまっていて1600~1800mくらいがベストだ。新馬戦の勝ち時計は平均的も、抜け出してから遊んでおり伸びしろはある。

ペリファーニアの血統表,ⒸSPAIA


Cアナライズではドゥーラを推奨

今回のコンプレックスアナライズではドゥーラを推奨する。最初の重要データで挙げた「前走阪神JFで4着以内」というデータからは外れるが、このレースはかなり出遅れてしまった上に、直線で進路がなくなるシーンもあった。進路さえ確保できていれば間違いなく4着以内にきていただろう。

札幌2歳Sで完勝したドゥアイズが阪神JF3着と、世代上位の能力であることは証明済み。スパッと切れるタイプではなく、持続力で勝負するタイプ。このレースも自ら勝ちにいく競馬をすれば、この馬の優位は揺るがない。

相手として挙げるならペリファーニアかダルエスサラーム。ただペリファーニアは初戦からパフォーマンスを数段階上げる必要があり、ダルエスサラームも時計の速い今の阪神には不安が残る、ゆえに一雨ほしい。コナコーストは前走不利データを持っているが距離がどうか。

【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。現在はWEBサイト『ウマフリ』や『サラブレッド研究所』でも執筆を行い、競馬予想のほか一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。

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