【オーシャンS】実績首位ナランフレグは差し損ね注意 中山巧者ジュビリーヘッドが初タイトルだ
SPAIA編集部
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高松宮記念勝ち馬が始動
2023年3月4日に中山競馬場でオーシャンステークスが行われる。高松宮記念に向けた東の前哨戦にあたる1200m重賞だ。昨年はジャンダルム、ナランフレグで決着し、この2頭がそれぞれスプリンターズSと高松宮記念を制覇。後から見れば春秋のスプリントGⅠ馬が激突した一戦であった。
今年もナランフレグが出走を予定しており、実績面では頭ひとつ抜けた存在となりそうだ。この馬の取り扱いを最大のテーマに据えつつ、過去10年のレースデータから検討していく。
基本は逃げ先行馬
まず人気別成績から。1番人気は【3-3-1-3】で連対率60.0%とまずまず。ちなみに、この10年でGⅠ馬が1番人気に推された例はなかった。以下、2番人気【2-2-1-5】、3番人気【1-2-0-7】は可もなく不可もなく。4~11番人気あたりまではパラパラと馬券に絡んでいる。12番人気以下or単勝オッズ50倍以上になると【0-0-0-55】で好走なし。
年齢別では5歳【6-2-5-32】複勝率28.9%がトップ。注目は4歳の苦戦ぶりで、【2-1-2-24】連対率10.3%は5歳、6歳、7歳どれよりも低い。普通、この手のデータを見ると大概4歳がベストになるわけで、なかなか珍しい傾向といっていい。現4歳世代の短距離馬たちはハイレベルだが、ナムラクレア、トウシンマカオ、ウインマーベルなどは軒並みシルクロードSに流れた。エイシンスポッターやキミワクイーンなどの上がり馬が上位人気ならやや荷が重いか。
ナランフレグは今年で7歳だが、そもそも昨年の勝ち馬ジャンダルムもこの年齢だったようにさほど問題なし。
年齢別成績をクリアしたナランフレグについて気になるのは、やはり位置取りの問題。何を今さらという感じもあるが、中山芝1200mを追い込むのは容易ではない。4角通過順別成績では、1番手通過(≒逃げ)の馬が【1-2-2-5】複勝率50.0%。まずは逃げ馬が理想。2~5番手【6-4-1-33】同25.0%、6~10番手【3-3-4-45】同18.2%、このあたりまでは戦えるが、11番手以下になると【0-1-3-46】連対率2.0%、複勝率8.0%と厳しい。
唯一の連対が昨年のナランフレグ自身だからセーフ……ともいえるが、今度は斤量59キロで当時とは勝手が違う。自慢の末脚が鈍ると届かない可能性もある。
あとは同コースで行われる前年スプリンターズSでの結果との関連性だが、その1~3着馬は【1-0-1-3】とGⅠ実績馬にしては案外。同4~6着【0-0-0-4】、7着以下【1-3-2-11】複勝率35.3%で、好走馬より大敗馬を狙った方が妙味はある。また、スプリンターズSで4角4番手以内だった馬は【0-3-2-2】複勝率71.4%、同5番手以下は【2-0-1-16】で複勝率15.8%となっている。
以上からざっくり言うと、「スプリンターズSで残れなかった先行馬が相手緩和の恩恵で残る」というのがこのオーシャンSの特色であって、ナランフレグはどうもストライクゾーンからボール1~2個分外れたような感じがする。イマイチしっくりこない。
中山適性が光る
「4歳苦戦」「逃げ先行中心」「前年スプリンターズS組は大敗馬が狙い目」などを踏まえた上で、ではナランフレグを逆転しうる候補はどの馬かを探っていく。
まず前提として、「前走重賞以外に出走して5着以下」だった馬は【0-0-0-28】と全滅。単純に格下のレースを大きく負けているようでは逆転の余地なしということで、ジャスパージャック、チェアリングソング、マイネルジェロディあたりは「消し」としたい。
ほか、強いデータとしては「前走中山芝1200mで連対」の【5-1-1-13】が目を引く。3勝クラスのサンライズSを勝ったキミワクイーン、OPカーバンクルSを勝ったジュビリーヘッドの2頭が浮上する。
4歳キミワクイーンの前走は11頭の少頭数、前のレースで馬券に絡んだ馬は自分だけというやや手薄なメンバー相手に、最内枠から先行が叶って盤石の競馬だった。一気の相手強化となる点がどうか。
ジュビリーヘッドは中山コース【2-1-1-0】と適性はピカイチ。先行力も備えており、レース傾向にドンピシャの存在だ。オーシャンSはサクラゴスペル(2勝)、ナックビーナス(2着4回)、コントラチェック、そして昨年のジャンダルムなど「中山の申し子」的な存在が躍動するレースでもあり、今年はジュビリーヘッドを最上位評価としておきたい。
ほか、スプリンターズS11着で狙い目にハマるヴェントヴォーチェも、昨年春雷Sを勝っていてコース適性はある。阪神C14着のオパールシャルムは、1200m戦でハナを切れたときは3戦3勝。オッズ的な魅力も含め、要警戒の1頭として名前を挙げておく。
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