【フェブラリーS】タイセイレジェンド産駒・南関の女王スピーディキックが中央馬に挑戦!【マイナー種牡馬応援団】

緒方きしん

タイセイレジェンド産駒のJRA通算成績と代表産駒,ⒸSPAIA

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名牝系が送り出したスプリンター、タイセイレジェンド

先週の共同通信杯には、グレーターロンドン産駒のロードプレイヤーとキョウエイブリッサが登場。結果は10、11着と奮わなかったものの、また異なる条件で追いかけたい。グレーターロンドン自身、古馬になっても成長を続けた馬。2頭の今後の成長に期待したい。

さて、今週は日曜東京メインでフェブラリーSが開催される。年明け最初の中央GⅠであり、ダートのマイル王を決める一戦だ。過去にはカネヒキリやアグネスデジタル、ゴールドアリュールといった馬たちが勝利を挙げてきた。今回はそんなダートの強豪が集う一戦に挑戦する、浦和所属の明け4歳牝馬スピーディキックに注目。父はタイセイレジェンドである。

タイセイレジェンドは父キングカメハメハ、母父メジロマックイーン、母母父ニチドウアラシという血統。4代母であるクレアーブリッジは当時の日本競馬界を代表する繁殖牝馬の一頭で、その牝系からは天皇賞(秋)勝ち馬サクラチトセオーや、エリザベス女王杯の勝ち馬サクラキャンドル、金鯱賞などを制したサクラメガワンダーなどが出ている。2017年の札幌記念を制したサクラアンプルールもまた、同牝系の活躍馬である。

芝で多くの活躍馬を輩出した牝系に属するタイセイレジェンドは、2009年に札幌芝1800m戦でデビュー。そこを2着と好走すると、続くレースで勝ち上がり。後にシンザン記念や東京新聞杯などを勝つガルボ、白富士Sを勝つヤングアットハート、富士Sや東京新聞杯で3着に好走するヒットジャポットなどを抑えての勝利だった。その後、共同通信杯にも参戦し6番人気6着となっている。

転機を迎えたのは3歳6月。初ダートで古馬を一蹴すると、そこからはダートに専念。4歳シーズンには3つの勝ち星を挙げ、年末にカペラSで3着と好走した。さらに翌年8月のクラスターCで交流重賞を制すると、11月にはJBCスプリントで2着に3馬身差をつける逃げ切り勝ち。以降も6歳シーズンで東京盃を制し、7歳シーズンでJBCスプリント3着の活躍を見せた。母父に名ステイヤーであるメジロマックイーンを持ちながらも、ダートの快速馬として名を馳せた実力派だった。

スピーディキックの活躍で人気種牡馬を目指す

タイセイレジェンドの種牡馬成績,ⒸSPAIA
タイセイレジェンド産駒の通算成績,ⒸSPAIA


タイセイレジェンドは引退後、優駿スタリオンステーションで種牡馬入り。初年度の生産頭数は19頭。それ以降も14頭→11頭→8頭→5頭→7頭と、10頭前後が続いていた。しかし、その数少ない産駒の中から中央3勝の現5歳馬タイセイスラッガーを輩出。タイセイスラッガーは今年に入ってからもアレキサンドライトS(3勝クラス)で3着と善戦している楽しみな一頭だ。

他にも複数の中央勝ち上がり馬を出しているほか、昨年の南関牝馬三冠路線では話題を席巻。浦和の桜花賞では1着スピーディキック・2着ティーズハクアと産駒がワンツー。この2頭は秋のロジータ記念でもワンツーを飾っている。サンデーサイレンスの血を持たないタイセイレジェンドは、サンデーサイレンス系の繁殖牝馬と好相性を見せている。

タイセイレジェンド産駒はこれまで13頭が中央に出走し、現在までに5勝。芝では12戦するも最高着順は5着で、9戦は2桁着順。やはり主戦場はダートだ。ダートは1400m以下で【1-1-4-37】、1600m~1800mで【4-4-3-19】と、マイル前後での好走が目立つ。現役時代にスプリント路線で活躍した父のイメージからか短距離戦への出走が多いものの、実は距離の融通が利く、奥の深い種牡馬と言えるだろう。

スピーディキックも2歳時にはダート1200m戦のエーデルワイス賞を制しているものの、昨年は1600m~2100mに出走し、6戦5勝の大活躍。唯一の敗戦も交流重賞の関東オークス3着と、抜群の安定感を見せた。前走の東京シンデレラマイルも2着に3馬身半差をつける快勝で、マイルへの適性は高い。

今回は中央牡馬の超一流が揃った一戦となるが、南関の女王がどのような走りを見せるのか、楽しみでならない。スピーディキックの活躍からタイセイレジェンドの種付け数が増え、さらなる活躍馬が登場することに期待したい。

ライタープロフィール
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。

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