【京都牝馬S】ウォーターナビレラの反撃に黄信号? ターコイズS2着ウインシャーロットが最有力!

SPAIA編集部

2023年京都牝馬ステークスに関するデータ,ⒸSPAIA

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貴重な1400m重賞

2023年2月18日に阪神競馬場で京都牝馬ステークスが行われる。以前はマイル戦だったこのレースは7年前から1400mに距離短縮。4月に行われる阪神牝馬Sをよりヴィクトリアマイルの前哨戦らしくと、1400m→1600mに距離変更したことに伴う措置だと記憶しているが、結果として高松宮記念のステップのような、そうでもないような、という微妙な立ち位置になっている。

ただ、古馬牝馬のスプリンターにとって貴重な牝馬限定の1400m重賞で、また繁殖シーズン前のラストランに使いやすい時期設定もあってか、7年間の平均出走頭数は17.0頭と大人気の番組である。今年もなかなかの好メンバーがそろった一戦を制するのはどの馬か。京都開催を含む過去7年分のデータを見ていく。

6歳以上の連対なし

人気別成績,ⒸSPAIA


まず人気別成績から。1番人気は【4-1-0-2】で連対率71.4%。これに対して2番人気は【0-0-1-6】と連対がない。馬連配当はもっとも低かった18年(860円)を除く6回とも2000円を超えており、ヒモは多少荒れるイメージを持っておきたい。ほか、5番人気【1-1-2-3】複勝率57.1%も好調。10番人気以下【0-0-2-51】は今のところ連対なし。

年齢別成績,ⒸSPAIA


年齢別では4歳が【2-4-1-29】複勝率19.4%、5歳が【5-3-2-31】で同24.4%。数でも率でも5歳馬が優勢だ。また、6歳【0-0-4-29】は連対がなく、7歳以上【0-0-0-6】は3着もない。

クラブ所有の牝馬は繁殖入りのため「6歳3月で引退」という規定が設けられていることも多く、実際昨年も3着タンタラス、8着ドナウデルタなどはこれが引退レースとなった。ちなみに、6歳の3着馬4頭のうち、これをもって引退したクラブ馬2頭は前年12月以来のレースだった。引退規定のために詰めて使わざるを得ない、といった意味の出走でないか注意したい。

前走距離別成績,ⒸSPAIA


続いては前走距離に着目。1400m重賞にはよくあることだが、距離延長組【0-1-0-36】がかなり苦戦している。唯一の好走馬17年2着ワンスインナムーンは1200mで2連勝中、かつその後もテレビユー福島賞、朱鷺Sを連勝して同年のスプリンターズSで3着する実力馬だった。これぐらいの地力がなければ克服は難しいか。

同距離組は【2-2-4-17】複勝率32.0%、距離短縮組は【5-4-3-42】同22.2%で、若干ながら同じ1400mを走ってきた馬が優勢。また、距離短縮組の方が平均人気は高いため、回収率の観点では同距離組が単166%、複149%に対し、短縮組は単40.0%、複67.0%と差が開いている。マイル~中距離での実績を買われて人気になる馬を、1400m戦特有の流れに慣れている穴馬で負かしにいくのが馬券的には面白そうだ。

ウインシャーロットが最有力

「1番人気好調」「6歳以上連対なし」「前走1400m組に妙味あり」などのポイントを確認したところで、ここからは上位人気に推されそうな馬について戦績とデータを眺めていこう。

秋華賞12着からの参戦となるウォーターナビレラ。2歳時には当コースでファンタジーSを制している。オークス以降の3戦はいずれも距離が長く、桜花賞2着時以来、久々に本領発揮できる距離でのレースといえそうだ。

ただ、前走秋華賞組の成績は【0-0-0-2】、18年ヴゼットジョリーが6着、20年ビーチサンバが5着に終わっている。単に「前年秋華賞出走馬」という意味では【1-0-0-7】となるが、勝ったクイーンズリングはその秋華賞でも2着と好走していた馬。2000mは長かったから距離短縮で見直し、というパターンは成功例がない。武豊騎手×武幸四郎調教師の兄弟タッグとあって人気の高い馬だが、データからは慎重な評価に留めたい。

臨戦過程から選ぶならターコイズSの1着ミスニューヨーク、2着ウインシャーロット。前走ターコイズSで連対した馬は【2-0-0-2】で、分母は少ないが勝率50.0%となっている。

ミスニューヨークは中山【4-0-1-2】の中山巧者で、阪神がダメというより「大得意コースではなくなる」という意味で今回は割り引きが必要だ。そもそも、連対のない6歳馬でもある。一方のウインシャーロットは1400mで3戦全勝、つまり距離短縮は歓迎と見る。現在10戦連続連対中、対ソウルラッシュの2敗、対ジャスティンカフェの1敗がなければもっと早く出世していたであろう戦績で、最有力候補の一頭だ。初の関西圏となるのが少しだけ気になるところだが、栗東滞在で対策にぬかりはない。

ターコイズSの3着以下馬は【0-1-1-18】と低調で強気になれないが、強いて選ぶなら最後詰まって6着のサブライムアンセム。フィリーズレビュー勝ち馬で、1400mに替わるのは嬉しい。

最後に、回収率の高かった前走1400m組について。新春Sを勝ったヒメノカリスは6歳牝馬で、クラブ所有かつ年明け2戦目。良血がようやく目覚めたような近2戦だが、前例重視なら手を出しづらい。阪神C9着のロータスランドは強敵相手、厳しい展開の中で0.4秒差なのでまだ見限れないが、やはりこちらも6歳という点がネックになる。

であれば、オーロC6着の5歳テンハッピーローズはどうだろうか。OP入り後の3走も着差0.3秒以内にまとめており、展開次第で複勝圏内への突入はあるだろう。距離経験は豊富で、人気の盲点となるようなら押さえておきたい。

2023年京都牝馬ステークスに関するデータインフォグラフィック,ⒸSPAIA



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