【札幌記念】唯一の東京重賞組・ソダシの連覇は揺るがない 相手のキーワードは「逃げ未経験」

佐藤永記

札幌記念直近4年、前走東京重賞組の成績,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

GⅠレベルの豪華メンバー

「札幌記念をGⅠに」という声が近年増している。春のGⅠ戦線から札幌記念で一休みして秋のGⅠに向かう馬、さらには香港やドバイなどから帰国後出走する馬たちにとって、じつにちょうど良い時期ということから、出走馬のレベルがGⅠ級になってきている。

10年以上前ならば札幌記念は北海道開催のメインで、予想する側も洋芝適性が高いかどうかを考えるレースだった。しかし今や、GⅠで勝ち負けするような馬が出走してきており、多少札幌・洋芝適性が高かろうが出走馬の能力差を優先して予想したほうがよさそうである。

その証拠に現在札幌記念は前走東京で重賞を走った馬が4年連続で勝利している。直近10年で見れば函館・札幌組も4勝しているのだが、2017年を最後に滞在組による勝利は遠ざかっている。

しかも直近4年の前走東京重賞組のうち、2019年を除く3年はGⅠからの転戦だ。例外である2019年も有馬記念優勝-大阪杯6着-目黒記念8着から転戦してきたブラストワンピースである。すでにGⅠ馬であり、格上が札幌記念で快勝したという形には変わらない。

近年の王道路線でやってきたソダシの連覇か

そこで今年の出走馬だが、なんと東京の重賞から転戦してきた馬が1頭しかいない。それが昨年の覇者ソダシだ。今年はヴィクトリアマイル勝ちからの転戦となるが、、強さは誰もが知るところである。

唯一の不安要素は近年札幌記念を連覇した馬がいないという点だろう。2018年覇者のサングレーザーは翌年2着と惜敗し、2019年覇者のブラストワンピースは2021年に5着と敗れている。これも出走馬が年々強くなっている現れで、今年はそこに逆転できる勢いのある馬は現れるだろうかといった感じなのだが、王道路線の東京組が他にいない。ソダシの連覇に向けては明るい状況だ。

ただし、2、3着には多彩な路線からの馬が絡んでいる。昨年であれば前走香港・クイーンエリザベス2世カップを勝利したラヴズオンリーユーが2着で、3着には中京開催の鳴尾記念で4着のペルシアンナイトが入った。一昨年以前も様々な路線から2、3着馬が生まれており、期待するなら紐で穴を探したいところだ。そこで、東京重賞からの転戦組が連覇している直近4年の2、3着馬から共通点を探してみた。

ヒモ候補から「逃げたことのある馬」を除外せよ

過去4年札幌記念2,3着馬の過去レース脚質,ⒸSPAIA


直近4年の2、3着馬の過去レースを集計したところ、面白い傾向が見えてきた。全馬全レースで過去に逃げたことが1度もなかったのである。

近年の札幌記念は3コーナー前からペースが上がり、逃げ・先行馬が早めに捕まえられる展開も多い。直線が短く平坦であるがゆえに逆にロングスパートを決められるかどうかが重要になりつつあり、早め前々に行く気質がむしろマイナスに働く可能性がある。勝ち切る逃げが打てるならばよいのだが、逃げ粘って2、3着というのはかなり厳しいレースだ。

先行馬のソダシを本命にした場合、相手候補となる今回の出走馬で逃げの経験がない馬は、アイスバブル、ウインマリリン、ケイデンスコール、サトノクロニクル、ハヤヤッコ、マカヒキ、ユーバーレーベン、レッドガランの8頭だ。穴馬も含まれるので、うまくヒモ荒れすることを期待してソダシ1着固定で3連単勝負してみたい。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。


《関連記事》
【札幌記念】見どころ満載、北の大地で豪華優駿たちの競演! ソダシ、ハヤヤッコの同族白毛対決も実現
【札幌記念】ソダシは2000mまで守備範囲 相手は前走ハイレベル戦5着のユーバーレーベンだ
【札幌記念】1番人気が10連敗中の札幌名物GⅡ ブエナビスタ、マツリダゴッホの二強が崩れた2009年

おすすめ記事