【アイビスSD】8枠とロードカナロア産駒が好成績 東大HCが新潟芝1000mを徹底検証

東大ホースメンクラブ

新潟芝1000m,ⒸSPAIA

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コース紹介

今週は新潟芝1000mを舞台に、サマースプリントシリーズ第3戦・GⅢアイビスサマーダッシュが行われる。最重要の前哨戦である韋駄天Sを勝ったマリアズハート、このレースで勝利歴のあるオールアットワンス、ライオンボス、芝1200mを連勝してここに臨むマウンテンムスメなど、“最速”の座をかけた一戦に快速馬たちが集結した。

当該コースが舞台の重賞は、夏の風物詩的存在であるアイビスSDのみ。今週はこのコースの特徴をデータで分析していく(使用するデータは特記がない限り2017年7月29日〜2022年5月22日)。

まずはコース紹介。JRA唯一の直線競馬であるこの舞台は、4コーナー奥のポケット地点をスタートし、最初の1ハロンをゆるやかに上る。そこからまた1ハロン程度下った後、細かな起伏を通過し、残り2ハロン弱は平坦なターフでの末脚比べとなる。

知れ渡ってもなお8枠が黒字域

新潟芝1000m・過去5年の枠別成績,ⒸSPAIA


<新潟芝1000m・過去5年の枠別成績>
1枠【2-7-6-213】勝率0.9%/連対率3.9%/複勝率6.6%
2枠【6-7-5-215】勝率2.6%/連対率5.6%/複勝率7.7%
3枠【11-9-10-205】勝率4.7%/連対率8.5%/複勝率12.8%
4枠【7-16-7-209】勝率2.9%/連対率9.6%/複勝率12.6%
5枠【16-6-12-209】勝率6.6%/連対率9.1%/複勝率14.0%
6枠【16-16-16-194】勝率6.6%/連対率13.2%/複勝率19.8%
7枠【23-31-35-214】勝率7.6%/連対率17.8%/複勝率29.4%
8枠【41-31-30-208】勝率13.2%/連対率23.2%/複勝率32.9%

もはや常識となっているが、やはり8枠の好成績が目立つ。外枠有利が知れ渡っている中でも単勝回収率109%は黒字域。前走同コース組に限れば【18-11-8-53】複勝率41.1%とさらに信頼度が高まる。内枠から外枠へ向かうに連れてきれいに好走確率が上がっており、シンプルに外を買うのが正しい馬券戦略だ。

1枠は228頭が出走してわずか2勝。昨年のアイビスSDでは菅原明良騎手の好騎乗で14番人気のバカラクイーンが3着に入ったが、このレースを最後に馬券圏内が丸1年存在しない。オッズに関わらず消したいところだ。

新潟芝1000m・過去5年の脚質別成績,ⒸSPAIA


<新潟芝1000m・過去5年の脚質別成績>
逃げ【36-34-12-103】勝率19.5%/連対率37.8%/複勝率44.3%
先行【45-38-37-267】勝率11.6%/連対率21.4%/複勝率31.0%
差し【37-40-53-700】勝率4.5%/連対率9.3%/複勝率15.7%
追込【4-11-19-594】勝率0.6%/連対率2.4%/複勝率5.4%

純然たるスピード能力を問われるコースとあって、ハナを切る出脚の鋭さが好走にそのままつながっている。過去5年のアイビスSDにおいて逃げ(複数頭が併走のケースあり)は【2-4-0-3】。全レースで連対馬を出している。

追込の勝率0.6%が示すように、後方からの好走は厳しい。近年のアイビスSDを追い込んで勝ったのは2017年のラインミーティアのみ。鞍上がこのコースを知り尽くした西田雄一郎騎手、かつ同馬が次走のセントウルSでファインニードル(翌年春秋スプリントGⅠ連覇)の2着と高い能力の持ち主だった。仕掛けどころの難しさを加味して評価を下げたい。

サンデーサイレンス系は厳しい

新潟芝1000m・過去5年の種牡馬別成績,ⒸSPAIA


<新潟芝1000m・過去5年の種牡馬別成績>
ロードカナロア【10-9-8-57】勝率11.9%/連対率22.6%/複勝率32.1%
アドマイヤムーン【3-5-4-28】勝率7.5%/連対率20.0%/複勝率30.0%
マクフィ【1-0-2-4】勝率14.3%/連対率14.3%/複勝率42.9%
カレンブラックヒル【0-0-0-9】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%

特異なコースとあって種牡馬別成績も異質なデータが並ぶ。最多勝は日本が誇るスピードキング・ロードカナロアで、前走が後方だった馬を除けば【10-9-7-43】複勝率37.7%、単勝回収率199%・複勝回収率114%を記録している。アイビスSDにはスティクスが出走予定だ。同じミスタープロスペクター系ではアドマイヤムーンとマクフィが好走例に富む。前者はマウンテンムスメ、後者は前年覇者オールアットワンスがいる。

今村聖奈騎手が騎乗予定のオヌシナニモノが該当する、カレンブラックヒルは好走例がない。同馬に限らずサンデーサイレンス系は厳しく、過去21レースのアイビスSDでは【0-2-2-47】と勝利がない。該当馬全てを消す選択も間違いではなさそうだ。その他シャンハイボビーは【2-0-0-0】(2勝ともマリアズハート)、バトルプランが【4-3-0-5】(うち、ライオンボスが【4-3-0-2】)。

新潟芝1000m・過去5年の騎手別成績,ⒸSPAIA


<新潟芝1000m・過去5年の騎手別成績>
菊沢一樹【5-1-5-37】勝率10.4%/連対率12.5%/複勝率22.9%
杉原誠人【6-6-5-57】勝率8.1%/連対率16.2%/複勝率23.0%
坂井瑠星【0-2-1-5】勝率0.0%/連対率25.0%/複勝率37.5%
藤田菜七子【8-4-2-72】勝率9.3%/連対率14.0%/複勝率16.3%

ローカル開催らしく騎手別成績も独特の数字が並ぶ。マリアズハート騎乗予定の菊沢一樹騎手は全体の率こそ芳しくないものの、オープンクラス以上で【3-0-1-4】と勝負強い。ビリーバー(抽選対象)騎乗予定の杉原誠人騎手は、騎乗機会のほとんどがミルファームの馬。ライオンボスの手綱を取る坂井瑠星騎手は騎乗数が少なく未勝利ながら、悪くはない数字だ。

過去5年で最多の8勝を挙げているのは藤田菜七子騎手だが、昨年以降では【0-1-1-19】。その他石川裕紀人騎手【1-0-1-15】、福永祐一騎手【0-0-0-2】、今村聖奈騎手【0-0-1-0】、M.デムーロ騎手【0-1-1-9】といった状況だ。

また、アイビスSDには騎乗予定がないものの、津村明秀騎手【7-9-5-42】や鮫島克駿騎手【6-7-4-21】は単複ともに回収率が100%を大幅に超えており、他レースで騎乗があれば抑えておきたい。

新潟芝1000mコース分析インフォグラフィック,ⒸSPAIA



《ライタープロフィール》
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約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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