【アイビスSD】過去10年で「前走4着以内」が16連対 直線競馬でファイアダンサーが連続好走だ

門田光生

アイビスサマーダッシュの前走着順別成績(過去10年),ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

前走4着以内は【8-8-6-36】

2023年7月30日に新潟競馬場で行われる第23回アイビスサマーダッシュ(アイビスSD)。直線競馬の重賞は、JRAではこのレースだけ。欧州に目を移すと、ドーヴィル競馬場で行われるジャック・ル・マロワ賞(仏GⅠ・芝1600m)も直線で行われる重賞のひとつ。過去にタイキシャトルが勝ったことでも有名なレースだ。ドーヴィル競馬場はほぼ平坦コースとのことだが、スタート地点から1600m先のゴール地点が確認できるのだろうか。日本とはスケールが違うと言わざるを得ない。

それはさておき、アイビスSDには果たしてどのような傾向があるのか。今回も過去10年のデータを基に検証していきたい。

アイビスSD出走馬の所属,ⒸSPAIA
アイビスSD出走馬の性別,ⒸSPAIA
アイビスSD出走馬の年齢,ⒸSPAIA


☆所属、性別、年齢
美浦所属馬、栗東所属馬は出走頭数がほぼ同じで、勝ち馬も5頭ずつ出ている。2着は美浦組、3着は栗東組の方が多いが、ほぼ互角とみていいだろう。

性別では、牝馬が勝利数、勝率、連対数、連対率のいずれも牡馬・セン馬をリード。このレースに限っては「夏は牝馬」の面目躍如である。

年齢別で比較すると、まず目立つのが3歳馬。出走頭数は【1-2-1-6】の計10頭と少ない。少数精鋭のイメージだ(今年はアンタノバラードのみ登録も、除外対象)。 5歳馬は最多となる9頭が連対しており侮れない。逆に凡走が目立つのは6歳馬。出走頭数は5歳馬に次いで多いものの勝ち馬が出ておらず、2着馬が1頭いるだけ(2021年ライオンボス)。7歳馬は3勝を挙げて頑張りが目立つが、8歳を超えるとすべて馬券圏外となっている。

アイビスSD出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA
アイビスSD出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走クラスと前走
勝ち馬が出ているのは、前走オープン・LかGⅢを走った組だけ。連対馬20頭中19頭もこの組からだ(残る1頭は3勝クラス)。また、前走ダートを走っていた馬はすべて着外となっている。

最も相性がいい前哨戦は、アイビスSDと同じ直線競馬の韋駄天S。4頭の勝ち馬、そして10頭の連対馬を出しており、連対率も27.0%と上々だ。韋駄天Sのほかに勝ち馬を出しているのは、CBC賞、函館SS、葵Sだけなのだが、今年はこの3レースからの参戦はない。

アイビスSDにおけるその他のデータ,ⒸSPAIA


☆その他
そのほかで気になったデータを挙げていく。まず前走で4着以内に入った馬の成績は【8-8-6-36】。高確率で馬券に絡んでいる。逆に好走率が下がってしまうのは、前走0.6秒以上で負けた馬。69頭が該当して、勝率0%、連対率1.4%では厳しい。


重賞の舞台で勝利の舞ファイアダンサー

アイビスSDのデータをまとめてみよう。

【好走データ】
A「牝馬」
B「前走が韋駄天S」
C「前走が4着以内」

【勝ち馬なし】
D「前走が3勝クラス」
E「6歳馬」
F「前走が0.6秒以上の負け」

【連対なし】
G「8歳以上」
H「前走が1勝クラス、2勝クラス、GⅡ、GⅠのいずれか」
I「前走がダート」。

今年の登録馬を見て気づいたのは、前走で大敗している馬が多いこと。登録馬23頭中、前走勝ち馬がゼロで、3着以内も2頭しかいない。過去10年で同様のケースはないかと探すと、似たようなのが2014年で、この年は出走馬13頭(うち1頭競走除外)中、前走勝ち馬なし、2、3着馬が3頭。この3頭は馬券圏外となったが、連対したのは前走4、5着馬で、前走着順の項目でも書いたように、前走をある程度の着順でまとめている馬は信用できると考えたい。

それを踏まえると、好走データのC「前走が4着以内」に当てはまるトキメキとファイアダンサーが今回の本命候補でいいだろう。2頭とも残る2つのプラスデータA「牝馬」B「前走が韋駄天S」に該当している。ただ、トキメキは勝ち馬が出ていないE「6歳馬」に引っかかっているので、順番は◎ファイアダンサー、◯トキメキでいいだろう。ファイアダンサーは最多の連対馬を出している5歳馬というのも心強い。

以下は押さえ候補。まず、登録馬の半分以上が、連対率が1.4%しかないF「前走が0.6秒以上の負け」。これに該当しない馬の中で有力なのはスティクスだ。前走着順は7着ともうひとつだが、A「牝馬」でB「韋駄天S」組、しかも目立った割引データがない。

メディーヴァルはプラスデータこそ持っていないが、割引データもない。今回は割引データを持ってない馬自体が貴重なので、これが4番手。サトノファビュラスはE「6歳馬」、バンデルオーラはD「前走が3勝クラス」とF「前走が0.6秒以上の負け」に引っかかるが、勝てずとも少ないながら2着馬は出ているので、これらを最後に加えておきたい。

アイビスSD出走馬の枠順別成績,ⒸSPAIA


最後になるが、直線競馬といえば「外枠有利」が定説。このアイビスSDも例にもれず、8枠が4勝で勝利数トップ、次位は7枠の2勝。やはりというか、1枠は【0-0-1-16】で、ここに入ると苦戦を強いられる。印を入れたところが外枠を引けば、鬼に金棒だ。

◎ファイアダンサー
◯トキメキ
▲スティクス
△メディーヴァル
×サトノファビュラス
×バンデルオーラ

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
園田や笠松でも、後半5レースの勝ち馬を当てる馬券が、ネットで売っています。配当は3ケタから7ケタまでと、まさに開けてお楽しみのびっくり箱。笠松も園田もフルゲートは12頭立てでJRAより当てやすくなっているので、気になった方はぜひ挑戦してみてください。

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