【京王杯SC】牝馬苦戦、狙うは複勝率100%の東京新聞杯組 高配当の使者ワールドバローズ

門田光生

京王杯SC出走馬の性別成績(過去10年),ⒸSPAIA

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前走東京新聞杯組は複勝率100%

2022年5月14日に東京競馬場で行われる第67回京王杯スプリングカップ(京王杯SC)。かつては欧州やUAE所属の有力馬が安田記念の叩きで走っていたが、ここ10年で外国馬の出走はない。近10年の平均単勝配当は900円弱、馬連は7400円ほど。馬連の万馬券は2012年と2017年の2回だけだから、大きく荒れるレースではなさそうだ。

そんな京王杯SCはどのような傾向があるのだろうか。過去10年のデータから、圏内に来そうな馬、外しそうな馬を探していきたい。

京王杯SC出走馬の所属,ⒸSPAIA 京王杯SC出走馬の性別,ⒸSPAIA 京王杯SC出走馬の年齢,ⒸSPAIA


☆所属、性別と年齢
美浦所属、栗東所属ともに5勝ずつ。ただ2着は栗東所属馬が8回と大きく上回る。勝率では美浦所属馬、連対率では栗東所属馬が優勢。性別だと牡馬・セン馬が10勝、2着9回、3着10回。牝馬が連対したのは2019年2着馬リナーテだけで、ほぼ出番なし。

例年、同じ週に牝馬GⅠのヴィクトリアマイルが行われるので、実績馬はそちらに向かうと思われる。賞金が足りずこちらへ回ってくる牝馬にとっては、牡馬の一線級が相手で荷が重いのも当然かもしれない。

年齢別では5歳馬の7連対(3勝)が最多だが、4~8歳馬までまんべんなく勝ち馬が出ており、年齢はさほど気にする必要がなさそうだ。

京王杯SC出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA 京王杯SC出走馬の前走レース,ⒸSPAIA


☆前走クラスと前走
3勝クラス、オープン経由組はそれぞれ1頭ずつ連対。基本は重賞を使った組になる。GⅠ組が5勝、続いてGⅢ組が4勝。GⅡ組は19頭が出走して2着が1頭だけと振るわない。

前走をレース別に見ていくと、まず目につくのが高松宮記念組。5勝、2、3着が2回ずつと最も相性のいいレースとなっている。前走GⅠ組の馬券絡み9頭は全てこの組。つまり、高松宮記念以外のGⅠ出走馬はすべて圏外ということになる。

続いて東京新聞杯組。該当する6頭すべてが馬券に絡んでいるので特注データといえる。一方、同じマイル戦のマイラーズCは【0-1-2-10】で勝ち馬が出ていない。GⅡの成績がよくないのは、マイラーズCが足を引っ張っているからのようだ。

京王杯SC出走馬の前走着順,ⒸSPAIA 京王杯SC出走馬の前走距離,ⒸSPAIA


前走着順は、通常と逆の結果が出ている。成績がいいはずの前走1着馬は【0-2-2-20】で勝率0%。これは珍しい傾向だ。一方、前走10着以下から4頭の勝ち馬が出ており、前走着順は気にしなくてよさそうだ。

前走距離では、芝1200mか芝1600mを使った馬だけが勝利をあげている。今回と同じ芝1400mを使っていた馬は【0-2-2-21】で勝率0%。ちなみに芝1200mを使って連対したのは、すべて高松宮記念組。それ以外で芝1200mを使っていた馬は軽視していい。

京王杯SCにおけるその他のデータ,ⒸSPAIA


☆その他
そのほかで気になったデータを挙げる。まずロードカナロア産駒。サンプル数は少ないが、【1-1-2-3】で半分以上が馬券に絡んでいる。

続いて前走人気だが、前走着順と同じく、1、2番人気の連対率が10%台でそれほどよくない。好走が目立つのは前走で3番人気に支持されていた馬。連対率33%は特筆するほどでなくても、ほかと比べると目につく数字だ。

また、前走で56~57.5キロだった馬が18連対。これ以外の斤量で走っていた馬はデータ上凡走する確率が高くなっている。

ワールドバローズに注目

京王杯SCのデータをまとめてみよう。まず好走率が上がるのはA「前走が高松宮記念か東京新聞杯」B「前走が芝1600m」C「ロードカナロア産駒」D「前走が3番人気」。

勝ち馬が出ていないデータはE「牝馬」F「前走が条件、GⅡ、高松宮記念以外のGⅠ」「前走が1400m、または高松宮記念以外の1200m」G「前走斤量が56~57.5キロ以外」。

今回の登録馬を見て気づいたのは、牝馬の登録が多いこと。ここ10年で17頭の出走に対して、今回は登録馬12頭中、7頭が牝馬である。牝馬【0-1-0-16】のデータから、連の可能性は残るとしても、中心には推しづらい。となると、本命は牡馬からになる。

京王杯SCで最も強いデータは、前走東京新聞杯組。【2-3-1-0】で、該当馬はすべて馬券に絡んでいる。今回の登録馬ではワールドバローズだけ。前走は7着だが、2012年サダムパテック(13→1着)、2019年タワーオブロンドン(5→1着)など、馬券圏外から巻き返した例もあり、気にする必要はない。

ロードカナロア産駒の【1-1-2-3】という数字も優秀。今回はタイムトゥヘヴン、ビオグラフィーの2頭が登録しているが、B「前走が芝1600m」にも該当しているタイムトゥヘヴンを上位に取りたい。ビオグラフィーは牝馬なので押さえまで。3番手には特に大きなマイナスデータがないミッキーブリランテ。あと、牝馬では高松宮記念組のメイケイエールも連候補に入る。

最後にラウダシオンだが、海外帰りの馬は【0-0-0-2】。2013年サダムパテック(3番人気7着)、2017年サトノアラジン(1番人気9着)。いずれも人気を下回っており、今回は軽視する。

◎ワールドバローズ
◯タイムトゥヘヴン
▲ミッキーブリランテ
△メイケイエール
×ビオグラフィー

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
普段より仕事量が増えたぐらいで、今年も特に何もなくGWが終わりました。何年もこの仕事をしていると、「休みをくれ」よりも、仕事が増えたことによるトラブルがなく、「無事平穏に過ぎてくれ」との願いの方が強くなりました。

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