【アーリントンC】阪神芝マイルで狙える種牡馬を大分析  ダートの大物ドンフランキーにも注目

高橋楓

2022年アーリントンC出走予定馬の阪神芝1600m種牡馬ランキング,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

前走1勝クラス組は1着が大前提! 重賞組は着順不問

わずか5回しか開催されなかったが、オグリキャップやシャダイカグラが歴代の優勝馬に名を連ねるペガサスS。地方笠松から12戦10勝2着2回という成績で中央へ乗り込んできたオグリキャップが圧勝し、杉本清さんの「これは噂に違わない強さ」という実況を記憶している方も多いのではないだろうか。

そのペガサスSから引き継がれたのが4月16日に阪神競馬場で行われるアーリントンC。今年はどんな新星が現れるのか期待をしながら予想をしてみたい。

過去10年 前走クラス別成績,ⒸSPAIA


はじめに前走のクラス別成績を振り返りたい。

GⅠ [3-2-0-9]
GⅡ [1-0-0-8]
GⅢ [4-3-4-15]
オープン特別 [1-1-1-10]
1勝クラス [1-3-3-47]
未勝利 [0-1-1-6]
新馬 [0-0-1-4]

重賞からの転戦馬は[8-5-4-32]で勝率16.3%、連対率26.5%、複勝率34.7%。非重賞路線からは[2-5-6-67]で勝率2.5%、連対率8.8%、複勝率16.3%。数の上では馬券に絡んでいる印象を受けるが、率にすると大きな差が生じている。

前走GⅠ組は[3-2-0-9]とさすがの成績。馬券に絡んだ5頭全てが朝日杯FS組だった。4月8日時点で出走予定馬はいないが、馬柱が決まるまでは頭の片隅に置いておきたい。GⅡ組は2019年の勝ち馬イベリスがフィリーズレビューから参戦した。

注目はGⅢ組。シンザン記念組が[3-2-2-5]となっていて、その他が[1-1-2-10]と明暗が分かれている。ちなみにシンザン記念以外のGⅢから挑んだ馬で馬券に絡んだのは、きさらぎ賞組が3頭、京成杯組が1頭。素直にシンザン記念組を狙い、一捻りするなら距離短縮組と覚えておきたい。

非重賞組からの好走は1勝クラス組が多くを占めるが、前走勝ち馬が[1-3-2-23]に対し2着以下は[0-0-1-24]となっており、素直に勝ち馬を狙いたい。

阪神・芝1600mの騎手&種牡馬ランキング

阪神・芝1600m 騎手ランキング,ⒸSPAIA


次に阪神競馬場の芝1600mを得意とする騎手と種牡馬を調べてみたい。まずは騎手ランキング。2012年1月1日から2022年4月8日までに当該コースでは535レース行われている。

第1位 川田将雅[66-24-40-144]
第2位 福永祐一[43-33-42-168]
第3位 浜中俊[41-32-20-176]
第4位 C.ルメール[31-23-16-61]
第5位 M.デムーロ[26-25-15-87]

堂々の1位は川田将雅騎手。勝率24.1%、連対率32.8%、複勝率47.4%と安定した成績を残しているだけに要注目だ。ランク外からだと横山典弘騎手もおさえておきたい。[5-8-5-30]と騎乗数は多くないが、連対率27.1%、複勝率37.5%とハイアベレージを記録している。

阪神・芝1600m 種牡馬ランキング,ⒸSPAIA


次に種牡馬ランキング。

第1位 ディープインパクト産駒[107-88-86-519]
第2位 ハーツクライ産駒[31-21-28-239]
第3位 ダイワメジャー産駒[30-42-35-279]
第4位 キングカメハメハ産駒[27-24-26-227]
第5位 ロードカナロア産駒[23-16-19-163]

断トツのトップはディープインパクト産駒。母数が多いとは言え2位にトリプルスコアなのだから立派の一言に尽きる。しかし、今年の出走予定馬の種牡馬欄を見るとまだ数世代しか走っていないためランキング外の馬も多く、時代の移り変わりを非常に感じた。そこで4月8日時点での出走予定馬で、ランキング外となっている種牡馬成績を抜粋してみた。

ルーラーシップ産駒[12-16-12-120]
エピファネイア産駒[11-13-9-59]
リオンディーズ産駒[5-4-6-38]
イスラボニータ産駒[3-2-2-12]
マジェスティックウォリアー産駒[2-0-1-11]
ディスクリートキャット産駒[1-3-0-8]
ワールドエース産駒[1-2-2-24]
シルバーステート産駒[0-1-2-13]
ドレフォン産駒[0-0-2-11]
ビッグアーサー産駒[0-0-0-2]

この中で特に注目すべきはエピファネイア産駒。連対率26.1%、複勝率35.9%でディープインパクトを上回る数値をマークしている。また、イスラボニータ産駒は母数が少ないが複勝率36.8%、こちらもハイアベレージなだけにマークしておきたい。

潜在能力を評価、本命はカワキタレブリー

本命は悩んだがカワキタレブリーにしたい。正直、当該舞台において騎乗予定の藤岡康太騎手が近10年で[2-8-8-162]で勝率1.1%、複勝率10.0%と奮っていない。また、サンプルは少ないがドレフォン産駒は同舞台でまだ連対したことがない。そういったことが胸の中で大きく引っかかっている。

しかし、ここまで戦ってきた相手を考えると、馬の力は十分上位と睨んでいる。クローバー賞では後の阪神JF2着のラブリユアアイズに0.6秒差の3着。デイリー杯2歳Sでは次走で朝日杯FS2着となるセリフォスに0.3秒差の3着。ハイレベルとなったシンザン記念では0.9秒差の8着に敗れたが、前走の白梅賞を快勝し力を示した。先行し自身の力を出せれば好勝負出来て何ら不思議ない。

対抗はドンフランキー。近3走はダート戦で3戦2勝。ダート1400m戦で見せた2勝のパフォーマンスは相当の強さだった。共に逃げる競馬となったが、初勝利をあげた昨年12月18日阪神3Rは楽に先頭に立ち加速すると1分23秒3のタイムで快勝。同日に同条件で行われた12R3歳以上1勝クラスで、その後2勝クラスも連勝するトーセンアランがマークしたタイムと0.1秒しか違わない走りだった。そして、2勝目の3月13日阪神5Rの1勝クラスでは同じく逃げる競馬をし、1分24秒6のタイムで後続を3馬身離して快勝。

このタイムは同日12Rの4歳以上2勝クラスよりも0.3秒速いタイムだった。母は米国でGⅠ・2勝、BCジュヴェナイルフィリーズ3着の実績馬。そこに父ダイワメジャーということを考えれば、芝に戻っても自身のリズムで競馬が出来れば好勝負出来る逸材だろう。3番手はダノンスコーピオン。朝日杯FSを見れば本命にするべき存在だが、前走の共同通信杯の走りと4月6日の調整を見て、少々評価を下げることにした。

しかし、当該コースに良績のあるロードカナロア産駒、そして川田将雅騎手騎乗予定、前走重賞組で距離短縮など買える要素は十分ある。不安材料は多いが実績は一枚抜けているだけに、あっさり勝つシーンも十分に考えられる。以下、エピファネイア産駒のセルバーグまで印を回したい。

◎カワキタレブリー
〇ドンフランキー
▲ダノンスコーピオン
△セルバーグ

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレース、競輪の記事を中心に執筆している。

《関連記事》
【皐月賞】データはキラーアビリティ筆頭 逆転候補はダノンベルーガとジャスティンロック
【アンタレスS】オメガパフューム登場! 上がり馬バーデンヴァイラー、グロリアムンディがどこまで迫れるか
【アーリントンC】なぜか5枠が最強!  ダノンスコーピオンから伏兵陣までズラリ横一線

おすすめ記事