【アーリントンC】なぜか5枠が最強! ダノンスコーピオンから伏兵陣までズラリ横一線
勝木淳
ⒸSPAIA
5枠が4連勝中
1回阪神開幕週を飾っていたアーリントンCは18年から4月に移行、NHKマイルCの関西圏トライアルとして施行される。
間隔が詰まるトライアルレースの存在価値が総じて低下しつつあるなか、それでも18年から3年連続で本番3着馬を出した。それも9、7、6番人気の伏兵ばかり。陣営にとっては短い間隔で調整の難しい面があるかもしれない。しかし馬券を買う側にとって重要度は増した。昨年こそ不発だったが、NHKマイルCの複穴を輩出するレースとして生まれ変わったことは覚えておきたい。ここでは18年以降の4回の傾向から好走パターンをあぶり出していく。
この4年間、1番人気【3-0-0-1】勝率、複勝率75.0%と強力。19年フォッサマグナ16着以外は勝利。トライアルになったことで主軸がはっきりしてきた。今年もダノンスコーピオンやキングエルメスといった実績馬が上位に並ぶ。だが2番人気【0-0-0-4】、3番人気【0-1-0-3】複勝率25.0%と主役級がそろってというシーンは少なく、7番人気【0-1-1-2】複勝率50.0%、10番人気以下【1-1-1-22】勝率4.0%、複勝率12.0%など伏兵台頭の可能性も高い。
コース的に枠順の偏りはイメージにないが、なぜかこのレース、5枠が【4-2-0-2】勝率50.0%、複勝率75.0%と圧倒的。1番人気3勝、12番人気1勝、2着2回は7、10番人気と伏兵もくる。さらに4枠より内は【0-1-0-24】とかなり悪い。好走は5枠を中心に外枠に集まっているので、この傾向は注意したい。とにかく今年も5枠は警戒だ。
次はキャリア。時期的にそれなりに経験を積んだ馬の成績がよく、5戦【3-1-2-8】勝率21.4%、複勝率42.9%を中心に好走は3~6戦に集中し、2戦以下【0-0-0-7】、7戦以上【0-0-0-13】。キャリア5戦のディオ、トゥードジボンなどを評価したい。
伏兵にもチャンスあり
1番人気、5枠、キャリア5戦とたった4回ながら、はっきりとした傾向を示すことを頭に入れつつ、ここからは前走成績を探り、好走傾向を掘り下げていきたい。
上記キャリアでよかった3~6戦の前走クラス別成績をみると、今年はいないが前走GⅠが【3-0-0-0】。すべて朝日杯FS経由。最少手でトライアルにくるような実績馬はいいが、前走GⅢ【0-1-1-6】複勝率25.0%、GⅡ【1-0-0-3】勝率、複勝率25.0%。重賞で足踏みするようだと危険な場合もある。全体成績で前走共同通信杯【0-0-0-1】、ファルコンS【0-0-0-2】、スプリングS【0-0-0-2】。京王杯2歳S出走なし。数が数なので、軽々なことはいえないが、ダノンスコーピオン、タイセイディバイン、ディオはここに当てはまる。となると1勝クラス【0-2-2-15】複勝率21.1%も互角と考えたい。
そこで1勝クラスについて詳しく。芝の前走距離別成績を見ると、短縮にあたる1800m【0-0-0-3】、同距離1600m【0-1-0-7】複勝率12.5%に対し、延長の1400mが【0-1-2-5】複勝率37.5%と好成績。その複勝回収値は182。前走1勝クラス芝1400mはこのレースで多く出現する複穴パターンといえる。
ただし今年はカワキタレブリー、トゥードジボンはいずれも芝1600mを勝利。ジュンブロッサムは芝1800mのアルメリア賞2着とデータに一致しない。ドンフランキーは前走1400mもこちらはダートで合致せず、メイケイバートンがここに当てはまる。前走5着で実績は劣るが、キャリア5戦という点はピッタリだ。上位人気馬に死角がみられる今年は伏兵陣の一発があっても不思議はない。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ全4作(星海社新書)。
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