【ファルコンS】データで一気に絞れる好走候補! まず最優先トウシンマカオ、次点レディバランタイン

SPAIA編集部

2022年ファルコンステークスに関するデータ,ⒸSPAIA

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3日間開催初日

春分の日にかかる中央競馬の変則3日間開催、その初日となる2022年3月19日には中京競馬場でファルコンステークスが行われる。

昨年は朝日杯FSの勝ち馬グレナディアガーズ、京王杯2歳Sの勝ち馬モントライゼが激突するハイレベルな一戦となったが、それらを抑えてシンザン記念2着馬ルークズネストが押し切り、1.20.1という好時計をマークした。

今年の出走予定馬はその昨年に比べるとやや小粒な印象。ただ、それはあくまで現時点での話。2018年1着ミスターメロディや、2020年2着ラウダシオンのように、後にGⅠを勝つ馬が含まれている可能性は十分にある。ここでは過去10年のレースデータから、好走馬の傾向を探っていく。

左回り、1400m実績が重要

ファルコンSの人気別成績,ⒸSPAIA



まずは人気別成績から。直近の10年で1番人気は【1-2-0-7】。超一線級はめったに出てこない立ち位置ということもあり、下馬評はあまりアテにならない。この時点では人気に推されたものの、フタを開けてみれば重賞級ではなかった、という馬もいるが、ダノンスマッシュやシュウジ、ティーハーフなど、その後息長く重賞戦線を盛り上げる実力馬が大敗したケースもある。実力が人気に正しく反映されていない上、潜在能力が必ずしも結果に結びつかないという二重の難しさを持つレースだ。

強いて人気順から決めるなら3番人気【3-3-1-3】がいい。また、イメージ通りというべきか7番人気以下も7頭の馬券絡み、うち4頭が10番人気以下と、伏兵の出番はもちろんある。

ファルコンSの性別成績,ⒸSPAIA



続いて性別。出走馬の大半は牡馬。牝馬【1-0-1-24】は連対率3.8%、複勝率7.7%で牡馬と比較すると見劣る。ただ、同じ1400mで牝馬同士、メンバーレベル的にも与しやすいフィリーズレビューがある中で、こちらを使う牝馬というのはその事情までおもんぱかりたい。唯一の勝利は2020年シャインガーネット。左回りへの適性に期待されての出走だった。頓挫や除外絡みなら厳しいが、あえてここを選んだ馬は怖い。

ファルコンS前走クラス別成績,ⒸSPAIA



次に前走クラス別。新馬・未勝利戦からの参戦は【0-0-0-8】。そこまでメンバーレベルが上がらない重賞だが、意外にもここの敷居は高い。勝ち馬は1勝クラス【2-3-3-48】、OP・L【2-1-0-47】、GⅢ【6-2-2-19】から出ていて、前走GⅠは【0-4-4-14】と未勝利。最多勝の前走GⅢ組が好走率も高いのだが、今年は共同通信杯で最下位11着のエイシンシュトルムのみ。少々困った。

ならばと、それぞれの臨戦過程を掘り下げてみる。前走1勝クラス組は、そこで2着以下だと【0-1-1-17】でイマイチ。やはり勝ってきた組が好ましい。なかでも、前走が東京の1400m(芝・ダートどちらでも可)だった馬は【2-2-1-1】。左回りの同距離、1勝クラス勝ちは強力なデータとなる。これにレディバランタインが該当。

前走OP・L組も調べてみると面白い傾向が。好走3頭はいずれも前走クロッカスS組。特にクロッカスSの勝ち馬は【1-1-0-0】、トウシンマカオは盤石か。ちょうど1勝クラス組と同じような話になったが、ここでも左回りの1400mを勝った経験が強力だ。それ以外のレースだと【0-0-0-24】と大苦戦。

オタルエバーが該当する前走GⅠ組について。ホープフルSからの参戦例がないため、必然的に22頭全てマイルからの距離短縮となる。短縮に対応するスピードが求められるからか、この組は先行していた馬がベター。前走で最初のコーナーを5番手以内なら【0-4-2-7】、6番手以下なら【0-0-2-7】。オタルエバーはギリギリ5番手。アタマはともかく、2、3着は確保できそう。

ファルコンSの前走距離別成績,ⒸSPAIA



最後に、クラスを問わずに前走の距離別成績を見ていく。距離延長【0-0-1-40】が悲惨な成績で、唯一の3着は2014年のアルマエルナト。道中18番手に構え、前が大きく失速したレース展開に乗じて追い上げた形。裏を返すと、正攻法では難しそうだ。延長組では中京2歳S2着のウインマーベルがいるが、クロッカスS以外のOP・Lという点もあわせて、データ的には厳しいと言わざるを得ない。

余談だが、似たような距離延長大苦戦のデータは前週のフィリーズレビューにもあった。1200mと1400mではレースの質が全く異なる。若駒の戦いでは特に、この200mはシビアに考えたい。

まとめ

ここまでの内容をまとめると、「3番人気」「東京1400mの1勝クラス1着」「クロッカスS勝ち馬」「前走GⅠで初角5番手以内」が好材料。また、このレースに関しては悪いパターンの方がはっきりとしており、「前走が新馬・未勝利」「クロッカスS以外のOP・L組」「距離延長」はこの10年間でほぼ出番なし。

悪いデータに引っかかる馬が多い中、減点材料がなく、2戦2連対の「クロッカスS勝ち馬」に該当するトウシンマカオが最優先。ちなみに、2走前の朝日杯FSでは3番手先行。仮にクロッカスSを挟んでいなくてもデータ上は有力だったことになる。

対抗候補となるのはレディバランタインとオタルエバー。前者は「牝馬」、後者は好走率こそ高いが未勝利の「前走GⅠ」がやや気になるところ。甲乙つけがたいが、ここは東京1400mの1勝クラス勝ち【2-2-1-1】というデータの強さからレディバランタインを次点にとりたい。もちろんオタルエバーも上位評価。

今年のメンバーはデータ上、ノータイムで「消し」対象となる馬が多く一挙に絞れそうだが、果たしてこの難解な重賞がそれを許してくれるだろうか。


2022年ファルコンSに関するデータインフォグラフィック,ⒸSPAIA



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