【中山記念】カギを握るのはパンサラッサ! ダノンザキッド最有力、カラテなど実績上位馬優勢
勝木淳
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上位拮抗、今年も実績馬が強いか
近年はラッキーライラック、インディチャンプ、ウインブライトといったGⅠ馬の始動戦だった中山記念だが、昨年はGⅠ馬不在、やや寂しいメンバー構成になり、東西金杯の勝ち馬がワンツーフィニッシュを決めた。今年はダノンザキッドこそいるものの、昨年同様、実績馬ズラリといった感じはなく、ガチガチ決着の可能性は高くない。
藤沢和雄厩舎はコントラチェック、ゴーフォザサミットで最後の重賞出走。福島記念を勝ったパンサラッサが再び大逃げを打つのかなど話題は多い。ここでは過去10年間のデータから傾向を探っていく。
まずは馬券の要である人気別成績から。1番人気は【3-0-0-7】勝率、複勝率ともに30%と極端。人気に応えたのは16年ドゥラメンテ、20年ダノンキングリー、21年ヒシイグアス。かつては波乱もあったが、近年は上位拮抗といった図式が多く、2番人気【3-2-2-3】勝率30%、複勝率70%、3番人気【3-1-1-5】勝率30%、複勝率50%と上位は堅い。勝ち馬はすべて5番人気以内、9番人気以下は【0-0-0-38】。少頭数になる年も多く、極端な人気薄激走は考えにくい。
次は年齢別。主力は4歳【4-3-5-13】勝率16%、複勝率48%、5歳【5-4-0-23】勝率15.6%、複勝率28.1%。今年はダノンザキッド、パンサラッサあたりが中心。そこに6歳【1-2-2-23】勝率3.6%、複勝率17.9%、7歳以上【0-1-3-29】複勝率12.1%とベテランが続く。
データから浮上するのはダノンザキッド、パンサラッサ、カラテ
年齢別の内訳を確認したところで、ここからは年齢別にわけて前走成績を調べ、それぞれの好走傾向を出していきたい。
ダノンザキッドの4歳はどれも好成績だが、前走GⅠは【3-3-2-9】勝率17.6%、複勝率47.1%。マイルCSだった馬は【1-0-1-1】。18年ペルシアンナイトこそ5着だったが、19年ステルヴィオ3着、20年ダノンキングリー1着。マイルCSで後方から追い込んだペルシアンナイトを除けばすべて好走。ダノンザキッドは4コーナー8番手と流れに乗り3着。ここも最有力だ。
なおアドマイヤハダルの前走オープンは【0-0-0-2】、頭数が少なく判断は難しい。中山は皐月賞4着、休み明けのディセンバーS1番人気5着。適性も慎重に検討したいところだ。
パンサラッサ、マルターズディオサなどが当てはまる5歳の前走クラス別成績を出すと、前走GⅡこそ【0-0-0-6】だが、パンサラッサの前走GⅠは【2-0-0-5】勝率、複勝率ともに28.6%と極端ながら好走傾向。有馬記念だった馬は【1-0-0-0】。13年ナカヤマナイトが有馬記念7着から巻き返した。パンサラッサは福島記念で最初の600m33.6で大逃げ。開幕週、1コーナーまで短く、スタートダッシュが重要な中山芝1800mならば持ち味を活かせる。
前走15着大敗のマルターズディオサが該当する前走GⅢは【3-3-0-5】勝率27.3%、複勝率54.5%。東京新聞杯だった馬は【0-0-0-1】だが、マイル戦だと【0-1-0-2】。2着は昨年のケイデンスコール(前走京都金杯1着)で、6着以下に負けると、【0-0-0-2】。
6歳は前走距離を調べる。芝に限定すると、前走1600m【1-0-1-4】勝率16.7%、複勝率33.3%に対して、前走2000mは【0-1-0-10】複勝率9.1%と対照的。確率で考えれば、6歳は福島記念からくるヒュミドール、コントラチェックより東京新聞杯のカラテなどマイル組を重視したい。
好走数は少ないが、7歳以上も同じように前走距離を見る。1400m【0-0-1-1】、1600m【0-1-1-7】と短めの距離から挑む組のなかに好走馬が潜む。ウインイクシードの前走2000mは【0-0-1-8】。唯一の好走は自身が記録した昨年7番人気3着。今年も同パターンだが、好走するには気楽な先行という条件がつくタイプで、パンサラッサの出方が気になるところだ。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ全4作(星海社新書)。
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