【ダイヤモンドS】JRA屈指のマラソンレース! 近10年間で4戦4勝のデータを発見!?

高橋楓

2022年ダイヤモンドSに関する好データ,ⒸSPAIA

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高齢馬の逆襲にも要注意!

今でも忘れられない思い出がある。私が大学に合格し秋田から東京へ上京する際に、長距離夜行バス「ドリーム鳥海号」の車内にて最初にMDで聴いたのはシャ乱Qの『上・京・物・語』。飛行機だったら70分の距離だが、長距離バスでは約9時間。しかし、当時の私にとって今後の生活に想いを馳せるのに必要な時間だったと思う。“長距離”というワードで当時の事を曲と共に思い出した。

さて、今週はJRA屈指の長距離レース「ダイヤモンドS」。約3分半の長丁場を乗り切れるスタミナ自慢を探していきたい。

過去10年 前走クラス別成績,ⒸSPAIA


まずは近10年間の前走クラス別成績から調べていこう。

GⅠ [1-3-0-10]
GⅡ [4-2-5-36]
GⅢ [1-0-0-10]
オープン特別 [4-3-2-39]
3勝クラス [0-1-3-16]
2勝クラス [0-1-0-5]

GⅡ、オープン特別からの転戦馬が4勝ずつ。まずGⅡ組はAJCCが[3-0-0-8]、ステイヤーズS[1-2-2-16]、日経新春杯[0-0-3-6]、その他[0-0-0-6]となっている。AJCC組は3勝しているが13年アドマイヤラクティ、14年と15年を連覇したフェイムゲームはともに当日1番人気だった。人気に要注目だ。

次に、ステイヤーズS組で連対した3頭は前走4着以内、かつダイヤモンドS当日は3番人気以内となっていた。オープン特別組では万葉S組が4連対だが、全馬が前走5着以内。それ以外の3連対は2012年15番人気で勝ったケイアイドウソジン、2020年に最低人気で大駆けしたミライヘノツバサ、そして2014年に5番人気2着のセイクリッドバレー。穴党は万葉S以外のオープン特別からの転戦馬を狙いたい。

過去10年 前走距離別成績,ⒸSPAIA


次に前走距離別成績。ステイヤーズSに次ぐJRA屈指の長距離レースなだけに、スタミナ面にも気を配っておきたい。なお、今回は芝レースのみで集計している。

1800m以下 [0-0-0-3]
2000m [2-1-0-17]
2200m [3-0-1-14]
2400m [0-3-5-21]
2500m [1-1-0-10]
2600m [0-0-0-1]
3000m [2-2-2-28]
3200m [0-1-0-1]
3600m [1-2-2-16]

長距離転戦組が優勢かと思いきや、前走2000m~2400m組の好成績が目立つ。特に2400m組は、勝ち星こそないものの2着3回、3着5回と8回馬券に絡んでおり、買い目には加えておいた方が良いだろう。

過去10年 年齢別成績,ⒸSPAIA


最後に年齢別成績。

4歳 [2-3-4-10]
5歳 [3-2-0-25]
6歳 [3-1-4-27]
7歳 [1-1-1-24]
8歳以上 [1-3-1-30]

どの年代からも勝ち馬、2着馬がでていて拮抗している。目を見張るのは高齢馬の活躍。2013年に9歳馬ジャガーメイルが2着したように軽視は禁物だ。覚えておきたいのは「7歳以上かつ当日5番人気以内」ならば[1-3-1-7]と好成績ということと、「5歳以上が1番人気」ならば[4-0-0-0]という点だ。

ダイヤモンドSは1番人気が過去10年間で[6-2-0-2]なのだが、取りこぼしているのは4歳馬で[2-2-0-2]となっており、2016年菊花賞4着馬のタンタアレグリア、2020年万葉S1着のタガノディアマンテは成績上位ながら馬券外に飛んでいる。

「ディープインパクト、ステイゴールド産駒」に注目!

芝3000m以上限定 騎手ランキング,ⒸSPAIA


近10年間で芝3000m戦以上のレースが行われたのは63戦。好成績の騎手と種牡馬を調べていく。

岩田康誠[7-4-2-20]
C.ルメール[6-2-5-8]
福永祐一[5-5-3-20]
武豊[5-3-5-20]

トップは岩田康誠騎手。現段階でダイヤモンドSへの騎乗想定はないが、長距離戦では注意が必要だ。11日時点の騎乗予定の中では北村宏司騎手(ゴースト)が[4-1-1-13]。その他の騎手は騎乗機会が少ないとはいえ2勝以上した騎手が一人もおらず、やや不安材料だ。

芝3000m以上限定 種牡馬ランキング,ⒸSPAIA


次に種牡馬ランキング。

ディープインパクト産駒[10-13-12-82]
ステイゴールド産駒[10-4-2-51]
ハーツクライ産駒[6-13-9-65]

トップはディープインパクト産駒とステイゴールド産駒が10勝で並んでいる。また3位のハーツクライも連対率20.4%の成績となっている。

この3頭が1着度数では抜けているが、気になるのはオルフェーヴル産駒。5位タイの勝ち星をあげ[3-3-4-17]で複勝率は37.0%で上位3頭よりも好成績だ。

6歳馬トーセンカンビーナの初重賞制覇に期待!

本命はトーセンカンビーナとする。2016年のセレクトセールで税抜き2億3000万円で取引された本馬。クラシック路線にはのれなかったが徐々に力をつけ、2020年には阪神大賞典2着、天皇賞(春)5着と力をみせた。その後調子を崩したが、昨年秋はアルゼンチン共和国杯で2着から0.3秒差の7着、前走ステイヤーズSでは勝ち馬から0.4秒差の4着と復調気配だ。

父は種牡馬ランキングでも登場したディープインパクト。前走成績のところで書いた通り当日の人気が3番人気以内に支持されるかが気になるところ。それと石川裕紀人騎手の重賞制覇が1800m戦と1000m戦のみなのはやや気がかりだが、目をつむって本命とする。

対抗はハーツクライ産駒のゴースト。前走ステイヤーズS組で5着以下から馬券に絡めたのは近10年で2016年に3着になったファタモルガーナ1頭だけなのが不安材料だが、2019年秋以降15戦連続で2400m戦以上を使われ続けてきた長距離馬。一角崩しも十分可能だろう。

3番手はレクセランス。シルクレーシングにて募集されたディープインパクト産駒で、500口募集ながら一口16万円の高額募集馬。デビュー3連勝目のすみれSではアリストテレスを競り落とした逸材だったが、クラシック路線では皐月賞11着、日本ダービー15着、菊花賞16着と奮わなかった。

その後は、しっかりと間隔を空けながら立て直し、アルゼンチン共和国杯4着、万葉S2着。着順と内容がかみ合ってきた印象だ。以下、万葉S4着のマンオブスピリット、2走前の古都Sの勝ち方が良かったメロディーレーンまで印を回したい。

◎トーセンカンビーナ
◯ゴースト
▲レクセランス
△マンオブスピリット
×メロディーレーン

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレース、競輪の記事を中心に執筆している。

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