【シルクロードS】激戦必至のハンデ戦! ポイントは「関西馬」×「ロードカナロア、ダイワメジャー産駒」

高橋楓

シルクロードSの東西所属別成績,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

関西馬絶対優位!ポイントはスプリンターズS組の扱い!

「一月往ぬる二月逃げる三月去る」ということわざがある。正月から三月までは行事などが多く、一気に過ぎ去ってしまうという意味だ。

今年もステイホームが続き行事が軒並み延期や中止となっているが、過ぎていく時間の価値は毎年変わらない。1日でも早く競馬場に制限の無い歓声が戻る事を願うばかりである。

今週は三蔵法師こと玄奘も歩いたとされる絹の道が冠の「シルクロードステークス」が中京競馬場で行われる。しっかりと当該舞台にまつわるデータを調べていきたい。

シルクロードS前走クラス別成績,ⒸSPAIA


例年ならば京都競馬場で行われているシルクロードSだが現在改装中の為、今年も中京開催となる。よって近10年のデータも2012年~2020年の京都開催と昨年の中京開催が混ざり合ったものとなる。まず前走クラス別成績から紐解いてみよう。

GⅠ [2-2-1-17]
GⅡ [2-0-1-14]
GⅢ [4-2-0-22]
オープン特別 [2-5-6-73]

3勝クラス [0-1-2-11]
一番多くの優勝馬を輩出しているのは前走GⅢ組。勝ち馬4頭全馬が京阪杯組で、近3年はすべて京阪杯組が勝利している。馬券になった6頭のうち、2018年に2着になったセイウンコウセイ以外は、京阪杯で掲示板を確保してこのレースに挑んでいた。京阪杯組は5着以内と覚えておきたい。

GⅡ組は連覇を果たしたダンスディレクター以外は連に絡めていない。GⅠ組は2013年のダッシャーゴーゴーがスプリンターズS16着、2018年ファインニードルが同12着、そして2021年にラウダシオンがマイルCS15着から巻き返して馬券に絡んだ過去もあり、大敗後でも気にする必要は無さそうだ。

強いて言うならば、GⅠ大敗組で馬券に絡んだ馬はレース当日4番人気以内に支持されている事が共通点となっている。当日の人気まで注意をはらっておきたい。

シルクロードS東西所属別成績,ⒸSPAIA


そして、シルクロードステークスで忘れてはならないのが「西高東低」であるという事だ。もともと京都の重賞とはいえ、

関東馬 [0-2-2-34]
関西馬 [10-8-8-102]

と差は歴然。また、2014年には牝馬のワンツースリーもあって性別の差はあまりないように見えるが、関西の牝馬が[3-3-2-27]なのに対し関東の牝馬が[0-0-0-11]となっている点は覚えておきたい。

中京芝1200mは「福永祐一騎手」&「ロードカナロア産駒」が好成績!

中京・芝1200m限定騎手ランキング,ⒸSPAIA


2012年の馬場改修以降、中京競馬場で行われた芝1200m戦は216レース。まずは騎手ランキングから調べていきたい。

第1位 福永祐一[22-8-8-35]
第2位 藤岡康太[12-11-12-69]
第3位 幸英明[10-8-9-74]
第4位タイ 川田将雅[9-6-5-27]
第4位タイ 北村友一[9-4-4-52]
第4位タイ 武豊[9-2-3-53]

トップは現在、骨折療養中の福永祐一騎手。勝率30.1%、連対率41.1%、複勝率52.1%とハイアベレージを残している。復帰後に馬券に活かせるデータなだけに、頭の片隅に置いておきたい。

中京・芝1200m限定 種牡馬ランキング,ⒸSPAIA


次に種牡馬ランキング。

第1位 ロードカナロア産駒[18-6-9-54]
第2位 ディープインパクト産駒[16-20-5-102]
第3位 サクラバクシンオー産駒[13-7-8-87]
第4位 ダイワメジャー産駒[9-18-12-141]
第5位タイ キングカメハメハ産駒[8-6-9-56]
第5位タイ タイキシャトル産駒[8-3-4-72]

ランキングにはさすがのメンバーが並んだ。トップはロードカナロア産駒で勝率20.7%、連対率27.6%、複勝率37.9%と数の上でも率の上でも結果を残している。ダイワメジャー産駒は複勝回収率が108%あり、頭よりも2、3着につける事で妙味がありそうだ。

難解な一戦!過去の実績を評価し本命はビアンフェ

本原稿を書いている段階ではハンデが分からず、当日の斤量がどうなるか気になるところではあるが、本命はビアンフェとする。

昨年は函館スプリントSで重賞3勝目を挙げ、スプリンターズSでは先行しピクシーナイトから0.8秒差の7着だった。馬場状態が違ったとはいえ、2020年が1分10秒3で勝ち馬グランアレグリアから2.0秒差の16着。2021年が1分7秒9で7着。レース内容を見ても成長は十分にうかがえた。

キズナ産駒は当該舞台で[2-2-1-19]、藤岡佑介騎手は[1-1-2-27]と少々物足りず、本馬自身も中京では2020年のセントウルSで5着、ファルコンSでは9着と奮っていないのが気がかりではあるが、このメンバーで今の力ならば十分に戦えるだろう。

対抗はジャンダルム。鞍上は過去4戦で阪急杯3着を含む[2-0-1-1]と手があっている荻野極騎手に戻る予定だ。思い返せばデビュー2連勝でデイリー杯2歳を制し、GⅠホープフルSをタイムフライヤーの2着、弥生賞ではダノンプレミアムの3着だった本馬。

日本ダービーにも出走したが、血統表を見ると母は短距離GⅠを2勝している快速馬ビリーヴ。本質はマイル以下という事になるだろう。前走のスプリンターズSでよもやの1.0秒差の11着と敗れているが、前々走のセントウルSでは目の覚める様な末脚を披露しレシステンシアやピクシーナイトと1馬身少々の差しかない競馬をしている。戦ってきた相手関係を考えるとここでは胸を張れるだろう。

3番手は過去GⅢで3戦連続2着と惜しい競馬が続いていたカレンモエとする。父は種牡馬ランキングでも紹介したロードカナロア。母が2011年に5連勝でスプリンターズSを制覇するなどGⅠを2勝したカレンチャン。短距離路線への適性は疑いようもないだろう。松山弘平騎手も近10年[8-16-9-91]としっかりと乗れている舞台。前走GⅡ組が奮っていないだけに3番手としたが、ここで悲願の重賞制覇を果たしても何ら不思議無い。

悩んだ4番手は能力を評価してメイケイエール。この馬に関しては当日気分良く走れるかどうかが全てだろう。以下、オパールSの勝ち馬サヴォワールエメ、同2着だったが末脚鋭いナランフレグまで印を回しておく。

◎ビアンフェ
◯ジャンダルム
▲カレンモエ
△メイケイエール
×サヴォワールエメ
×ナランフレグ

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレース、競輪の記事を中心に執筆している。

《関連記事》
【根岸S】主役は7歳ソリストサンダー! 前走OP組5歳勢の大駆けに注意
【シルクロードS】狙いは「スピード型」より「パワー型」  穴はシャインガーネット、エーポス
3連単の最高額は2073万8890円 2021年中央競馬の高額配当ランキング

おすすめ記事