【フェアリーS】差し馬が過去10年で6勝! 東大HCの本命はエリカヴィータ

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フェアリーSインフォグラフィック,ⒸSPAIA

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穴を狙うなら逃げ馬

1月10日(月)に中山競馬場で行われるフェアリーS(GⅢ・芝1600m)。クラシック戦線に向けて飛躍を誓う3歳牝馬16頭が中山マイルに集結した。12年から6年連続で2桁人気馬が連対するなど波乱が繰り返されてきたレースで、今年も混戦模様が見込まれる。

新馬戦を衝撃の末脚で制したエリカヴィータや、横山武史騎手が鞍上を務めるスクルトゥーラなどが人気を集めているが、狙うべきは果たしてどの馬なのか。今週もデータを踏まえて検討していこう。

はじめに、過去10年の脚質傾向を分析する。


過去10年フェアリーS脚質別成績,ⒸSPAIA


差し馬は1着6回をはじめ頻繁に馬券に絡み、安定した成績を収めている。一方、馬券的な面白さという点で目を向けるべきなのは逃げ馬。過去10年で4勝を挙げているが、このうち2頭は2桁人気で、単勝回収率は驚異の1111%。妙味は頭抜けている。

しかしいくら逃げ切りがあるからといって前有利と結論づけるのは早計だ。先行馬は意外にも不振であることには注意が必要。人気を背負って先行した馬もいるが、昨年のテンハッピーローズや17年のアエロリットなどがいずれも敗れている。以上のことから、買い目を選ぶ際には差し馬中心とし、穴で逃げ馬を織り交ぜるのがよいだろう。


キャリア1・2戦の馬を買うべき

過去10年フェアリーSキャリア別成績,ⒸSPAIA


出走数の少ない3歳馬による一戦ということで、キャリア別成績にも注目したい。今回はキャリア1戦の馬から5戦の馬まで幅広く出走する予定だが、好成績を残しているのは比較的戦歴の少ない馬。キャリア2戦の馬が最多の4勝、キャリア1戦の馬が次いで2勝を挙げている。キャリアが少ない=勝ち上がりに要する時間が短い実力馬、ということにはなるが、レース経験という点では他馬に劣ってしまう。しかしフェアリーSではキャリア1、2勝の馬が確実に走っていることから、経験の豊富さよりも能力のある馬を素直に買うべきだということだろう。


差し馬中心

◎エリカヴィータ
新馬戦はムチが入ると一気に加速し1.1/2馬身差での圧勝。上がりは最速の34秒0、ラスト2Fは11秒5-11秒4の加速ラップと優秀な走りだった。新馬戦で仕上げてこない傾向の国枝厩舎でデビュー勝ちを飾ったのだから実力は相当なもの。有力馬の一角であるスクルトゥーラやビジュノワールも新馬戦ではルメール騎手が跨っているが、今回はこちらの馬に乗る。ルメール騎手が選んだのだとすれば実力は一枚上手ということだ。

◯エバーシャドネー
阪神で行われた新馬戦はゴール前で鋭く伸びて勝利。上がりは最速の34秒2を叩き出した。2着馬マテンロウオリオンは続く万両賞を見事制し、レースのレベルが保証された。阪神の急坂を苦にしないということで中山においても好走が期待できるだろう。

▲スターズオンアース
新馬戦では後方から追走、上がり32秒6と圧巻の脚を使って2着に入った。前走の赤松賞では先行策を取り3着に敗れているが、このレースの勝ち馬は阪神JFで負けて強しの競馬を見せたナミュール。新馬戦と同じく後方待機を選択すれば、今回は上位に食い込む可能性も十分ある。

△ニシノラブウインク
新馬戦を除く全レースで上がり1位または2位を叩き出すなど、鋭い末脚を持っている。前走でようやく勝ち上がりを果たしたが、それまでは阪神JFを制したサークルオブライフなど相手が強かった印象。

以下、スクルトゥーラ、ライラック、スプリットザシーを押さえる。穴としては中山の新馬戦を逃げて制したポケットシンデレラを狙いたい。なお3番人気の馬は過去10年で【5-0-1-4】。近3年はいずれも3番人気の馬が制している。発走直前のオッズを見て、該当馬には特に注意を払いたい。

◎エリカヴィータ
◯エバーシャドネー
▲スターズオンアース
△ニシノラブウインク
×スクルトゥーラ
×ライラック
×スプリットザシー
☆ポケットシンデレラ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。



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