【函館2歳S】馬券攻略のカギは函館巧者にあり! 芝2歳戦で単複回収率100%オーバーの騎手とは?

高橋楓

函館、芝2歳戦での勝利数上位騎手,ⒸSPAIA

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函館巧者を探せ!「丹内祐次」が大暴れ!!

「メリークリスマス!また来週!」盛夏の錦糸町駅のホームでほろ酔い気分のおじさん達が何やら上機嫌で別れ、電車に乗り込んでいく。不思議そうな顔をしている子供の顔が忘れられない。

2013年7月21日。函館2歳Sにて「クリスマス」が新馬戦に続き1番人気に応えるレコードの快勝劇。私はというと地方からの参戦となったハッピースプリント1点の大勝負で苦い酒だった事をよく覚えている。

函館競馬場(芝)限定騎手リーディング,ⒸSPAIA


「○○巧者」という言葉がよく使われるが、ここ函館にも「函館巧者」は存在する。

まずはじめに、函館競馬場にて2010年から2021年7月9日までに行われた芝レース、計1006レースについて騎手成績を見よう。リーディングは岩田康誠騎手で[79-77-68-294]で複勝率は43.2%とハイアベレージを記録している。以下、吉田隼人騎手[63-57-50-452]、池添謙一騎手[59-47-42-256]、丹内祐次騎手[43-54-49-417]、丸山元気騎手[39-37-51-384]と続く。

特に地元函館市出身の丹内祐次騎手には要注意だ。出身の北海道2場を除く8場での成績が勝率3.8%、連対率9.9%、複勝率16.0%に対し、特に函館競馬場では勝率7.6%、連対率17.2%、複勝率25.9%と格段に成績が向上する。

函館競馬場(芝)限定種牡馬リーディング,ⒸSPAIA


続いて種牡馬ランキング。トップはやはりディープインパクト産駒。しかし、非洋芝の競馬場では勝率13.7%、連対率25.2%、複勝率35.3%なのに対し、洋芝の函館競馬場に限定すると勝率9.5%、連対率21.0%、複勝率30.1%とパフォーマンスはやや下がる。

やはり「パワーのいる洋芝」と「ローカル競馬場としては最大の高低差3.5m、起伏に富んだコース」という点の影響があるのだろう。以下、キングカメハメハ産駒[38-38-32-286]、ステイゴールド産駒[38-27-34-281]、マンハッタンカフェ産駒[36-19-25-235]、ハーツクライ産駒[35-24-33-237]と続く。

2歳戦は完成度に要注目!ダイワメジャー、キンシャサノキセキ産駒の成績が急上昇

函館競馬(芝)2歳戦限定騎手リーディング,ⒸSPAIA


次に、函館競馬場かつ2歳戦に限定するとどうだろう。2010年から2021年7月9日までに行われた芝の2歳戦は227レース。騎手のランキングも少々変化する。トップは総合ランキングと変わらず岩田康誠騎手で[20-21-11-46]という成績。

続いては勝浦正樹騎手がランクインして[16-8-14-86]と好成績を残している。以下、池添謙一騎手[14-16-12-41]、三浦皇成騎手[14-9-9-56]、丹内祐次騎手[13-16-15-90]と続く。

総合ランキングでも丹内騎手は登場しているが、2歳戦に限ると単勝回収率111%、複勝回収率112%と絶対に無視できない。意外なのはC.ルメール騎手。[2-13-6-16]、複勝率56.8%はさすがだが、わずか2勝しかしていない。

函館競馬場(芝)2歳戦限定種牡馬リーディング,ⒸSPAIA


次に種牡馬ランキング。こちらは大きく変化し、トップにはいきなりダイワメジャー産駒が[9-9-9-17]とランクインしてくる。やはり仕上がり早の快速馬を多く出す父のイメージ通りで、パワー型が多いのも先にもあげたコース形態にあっているという事だろう。

続いてステイゴールド産駒が[9-4-6-25]。そしてキンシャサノキセキ産駒が[8-8-6-27]と3位につけてくる。こちらもパワー型の快速馬が多く、函館の2歳戦は短距離レースが多い事もあり強さを発揮している。以下、クロフネ産駒[6-6-0-23]、ディープインパクト産駒[5-11-5-14]と続く。

狙いはずばり「カワキタレブリー」だ!

近10年間 勝ち馬の前走成績,ⒸSPAIA


今年は少頭数の可能性もあり、しっかりと相手を絞りたいところ。また今年の函館2歳Sの予想をやや難解にしているのがオリンピックの関係で札幌開催の前半が前倒しとなった事。過去10年の勝馬はすべて函館芝レースからここに向かってきているだけに影響はでるだろう。

先にも書いたが、函館競馬場はローカル最大の高低差を持っているのに対し、札幌競馬場はほぼ平坦、コーナーも緩く円形に近いコース。傾向が違ってくる。一応、近10年間の勝馬の条件だけ探っておくと、すべて前走函館の芝1000m戦もしくは1200m戦からの転戦。新馬戦組[8-7-8-75]、未勝利戦組[2-3-1-28]は率の上でそこまで大差はつかず、未勝利戦からの転戦馬でも十分に勝負になる。また全馬が前走で道中4番手以内につけ、4コーナーでは3番手以内につけていた。

以上を踏まえて本命はカワキタレブリーとみた。前走は3番手でレースをすすめ、直線でしっかり抜け出す競馬を披露。ラップタイムは前後半34.9-35.8と上がりがかかっているが、過去10年間で後半3ハロンにて再加速を披露して勝ちこのレースに挑んで連勝したのは34.9-34.5というレコードタイムで勝ち上がってきた2013年のクリスマスだけ。2016年の勝ち馬レヴァンテライオンはカワキタレブリーと同条件でデビューして35.0-35.9とよく似た内容だった。勝ち切る力は十分にあるだろう。

対抗はカイカノキセキ。変則日程の関係上、札幌芝1000mでデビューとなったが、のちの桜花賞馬アローキャリーが持っていた2歳レコードタイムを0.3秒更新。キンシャサノキセキ産駒は函館で結果を残しているだけに、よりパフォーマンスがあがっても何ら不思議ない。そして函館巧者の丹内祐次騎手で挑むトーセンサンダーも前走は2歳コースレコード勝ち。軽視はできない。あとはルメール騎手とのコンビでメリトクラシーが挑んできた場合、連下に押さえておきたい。

◎カワキタレブリー
◯カイカノキセキ
▲トーセンサンダー
△メリトクラシー

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。

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