【京都牝馬S】「ダイワメジャー産駒」「前走1600mは1.9秒以内」など 当日まで覚えておきたいデータとは

勝木淳

京都牝馬ステークスデータ2021ⒸSPAIA

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今年はディープインパクト産駒が不在

京都牝馬Sと耳にして、マイル戦と浮かぶ人は多いだろう。この10年で考えても2015年までの5年はマイル戦だが、2016年から1400mに変更、後半5年は1400m戦である。そして今年の舞台は阪神芝1400m。

このレースの10年データを当てはめるのは無理があるというもの。そこで今回は過去10年間、阪神芝1400m、古馬オープン以上に当てはまる29レースを対象にデータをみていく。

人気別成績(過去10年)ⒸSPAIA


1番人気【6-3-4-16】をはじめ4番人気までが優秀で、4番人気以内は29レース中20勝と堅実。一方で、7番人気【3-4-2-20】勝率10.3%、複勝率31%など伏兵陣もそこそこ走る。

ちなみに京都牝馬S、過去10年の人気別成績では1番人気が【5-3-0-2】と強力。それも1400mになった16年以降が強烈で、1番人気は1、1、1、5、1着。連覇を狙ったミスパンテール以外は全て勝利した。買う側のジャッジに無理して逆らう必要はないかもしれない。

種牡馬別成績(過去10年)ⒸSPAIA


次は種牡馬別成績。1400m戦、それも阪神内回り、あまり得意ではなさそうなディープインパクトが【8-3-5-28】とそれでも着度数別でトップに立つ。しかし、今年の想定に同産駒は不在。2位ダイワメジャー【3-1-4-31】はさほど強調できるデータではないが、想定にアマルフィコースト、メイショウショウブがいる。

いずれも1200mからの距離延長がポイントになりそうだ。今年のメンバーは種牡馬別データという視点でみると、好走パターンに該当する馬が少なく、難しそうだ。

穴は前走1600m組

ここまでのデータではまだまだ絞れそうにない。そこで戦歴からもっと具体的に掘り下げてみたい。まずは前走距離別成績をみていく。

前走距離別成績(過去10年)ⒸSPAIA


前走1200~2000mが好走ゾーン。同じ非根幹距離の1800m【2-0-1-14】あたりが確率的に面白いが、ここも不在。エリザベス女王杯以来のサムシングジャストは気になるものの、前走2200mは【0-0-0-2】でなんともいえない。

前走同距離は【10-8-8-112】。想定からはイベリス、カリオストロ、アフランシール、ヤマカツマーメイドの4頭。ここは抑えるとして、想定に多い前走1600m【10-11-13-133】と前走1200m【7-9-6-112】は傾向からきっちり仕分けしたい。

前走1600m・前走着差別成績(過去10年)ⒸSPAIA


前走マイル戦勝ちはリリーバレロ。こちらは出走してくれば押さえておきたい。負けた馬の着差を分析すると、0.5以内が【6-2-7-44】と1着まであり得る好走パターン。ブランノワール(リゲルS0.4差5着)、ビッククインバイオ(ニューイヤーS0.3差7着)が浮上。どちらも牡馬相手だったこともプラスだ。

0.6以上負けた馬も1.9以内であれば【2-8-6-71】と連下候補としては有望。大きく負けた組なので人気も下がるのでおいしい。ギルデッドミラー(リゲルS0.9差14着)、シャインガーネット(ターコイズS0.7差9着)も覚えておこう。

前走1200m・前走着差別成績(過去10年)ⒸSPAIA


最後に前走1200m組について。こちらは想定に前走1着馬はゼロ。マイル戦と比べると、大きく負けた馬の巻き返しが少ない。短距離戦は着差がつきにくく、それでも大きな着差をつけられた馬は厳しいということだろう。

負けても0.5以内【3-6-4-43】が目安。これに当てはまるのはアマルフィコースト、リバティハイツ。淀短距離Sで7.1も負けたアイラブテーラーは原因が大出遅れとはいえ、データ上は厳しいだろう。

京都牝馬ステークスデータ2021



ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。


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