2歳王者を負かすのはダノンキングリー 馬場適性から考察する共同通信杯

SPAIA編集部 三木俊幸

馬群,ⒸSPAIA

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2歳王者が参戦

近年は皐月賞馬ゴールドシップ、ディーマジェスティを輩出するなど、クラシック戦線で活躍する馬が多数出走する重要なレースとして位置づけられている共同通信杯(東京・芝1800m)。今年は7頭と少頭数のメンバーとなったが、2歳王者アドマイヤマーズが出走するなど見逃せない一戦だ。馬場適性を重視して競馬を楽しんでいるSPAIA編集部員が、先週の馬場状態とコース適性から分析していく。

先日のクイーンCの予想記事でも先週の馬場状態についてご紹介したが、改めて振り返っておこう。先週は芝コースで11レースが行われた。木曜日に10mmの雨が降り、やや芝が湿った状態だったにもかかわらず、日曜日の東京新聞杯(芝1600m)では1.31.9、最終レースの4歳上1000万下(芝1400m)ではコースレコードと0.1秒差の1.19.6と高速決着となった。

また勝ち馬の上がり3Fの平均タイムも33.9と先々週の34.1よりも0.2秒速いタイムとなっている。脚質を見てみると、先行馬も変わらず来ているが、4コーナーの通過順位が6番手以下で勝利した馬も5頭いて、開幕週よりは差しが届きやすかったと分析できる。

中間は水曜日に雨が降り、土曜日にも雪予報が出ている。そのため読みづらい馬場ではあるが、日曜日は天候が回復するとの予報が出ていることからも、稍重から重でレースが行われると仮定して予想を組み立てていきたい。

頭で妙味を感じるダノンキングリー

アドマイヤマーズは素直に強いと思うが、今回はあえてダノンキングリーを狙ってみたい。

適性分布図,ⒸSPAIA

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ダノンキングリーはキャリア2戦しかしていないが、前走のひいらぎ賞のレース内容がよかった。ペースが速かったのもあるが、勝ち時計は1.33.7で後続に0.6秒差をつけての勝利。器用でスパッと切れる脚を持っており、小回りの方がベストかもしれないが、前走内容からは距離延長、東京コースに変わっても期待したいと思える内容だった。さらにどちらかといえばピッチ走法なので、雪が降った後の馬場でも問題ないだろう。配当妙味を考え、今回はあえて頭固定で買ってみたい。

2歳王者アドマイヤマーズの前走、朝日杯FSはもはや説明する必要がないくらい堂々たるレースぶりだった。先行力と他馬を怯ませてしまうほどの勝負根性は、今回もプラスに働くだろう。クラシックに向けた少し早めの始動戦ということで、隙があるなら今回だとみて2番手評価とした。

3番手はクラージュゲリエ。京都2歳Sは完勝と言える内容だった。札幌の小回りと京都内回りを使われて好走している通り、器用さと切れを合わせ持ったタイプだと言えるだろう。初の広いコースでどのようなレース内容を見せるのかが最大の焦点になるが、じっくり脚をためるレースも可能で、コース自体は問題ないと分析する。心配があるとすれば、高速馬場の方かもしれないので、雪が降った後で少し馬場が渋るのはプラスだろう。

推奨馬は3頭のみだが、上位馬の素質は高レベル。今後のクラシックに向けて絶対に見逃せないレースになることは間違いないだろう。

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