【オーシャンS】GⅠ馬ママコチャ、一昨年覇者ヴェントヴォーチェら参戦 データでは「10年で6勝」5歳馬が優勢
勝木淳

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今年から本番まで中3週に
高松宮記念まで4週間。阪急杯が一週繰り上がり、オーシャンSも今年から本番まで中3週になった。完全に緩めるわけではないが、わずかでも休む時間がとれることで、状態はどこまで変わるのか。
今年はこの手のローテーションの“ちょっとした変化”が本番につながるかを注視していく年になる。なにより前哨戦を勝った優先出走権持ちがなるべく多く出走してくれれば、それだけで本番は盛り上がる。各重賞を勝った馬とGⅠ馬との激突こそGⅠレースの醍醐味。越えるのか、阻むのか。そのしのぎ合いが各レースでみられることを期待しよう。
昨年までの過去10年間、高松宮記念における前走オーシャンSの成績は【1-1-4-52】。勝ち馬は【0-0-0-9】、2着馬【1-1-1-6】となっていて、連勝がない。間隔の変化はデータにどう影響するだろう。
間隔もさることながら、舞台の違いもある。中山芝1200mは基本、急流になる。外回りの2コーナー出口からスタートし、4コーナー手前まで一気に下るコース形態は高速決着になりやすく、同じ急坂が待ち構える中京とは異なる。オーシャンSはハイペースへの対応力が求められるレースだ。
以降は過去10年分のデータを使用して本レースを分析していく。
まず人気別成績から確認する。1番人気【4-2-1-3】勝率40.0%、複勝率70.0%、2番人気【2-3-1-4】勝率20.0%、複勝率60.0%と、どこからでも入れる年が目につくわりに上位人気は堅実だ。
もちろん、10番人気以下【2-1-0-66】勝率2.9%、複勝率4.3%など大穴激走もあるが、冷静に考えてみれば力の違いがあったという結果になりやすいのも確か。ちなみに7、11番人気が勝った年は稍重だった。良馬場なら、スピード上位の人気馬が強い。
年齢別では、若い4歳が【1-2-4-21】勝率3.6%、複勝率25.0%とそれなりに好走するも、勝ちきれない印象がある。ならば、5歳【6-2-4-32】勝率13.6%、複勝率27.3%を評価。単勝は5歳、または7歳以上【2-2-1-49】勝率3.7%、複勝率9.3%などベテランから買いたい。スピード優先ではあるが、混戦を勝つにはレース経験も必要で、そのバランスがとれるのが5歳である。
5歳は実績重視で
今年の実績上位はGⅠ馬ママコチャ。続くのは2年前の覇者ヴェントヴォーチェ。休養明け2戦目の京阪杯で3着となり、再び軌道に乗ってきた感があり、有力だろう。6歳牝馬と8歳牡馬。レース経験豊富で中山実績も申し分ない。中山で条件戦を脱出した5歳ステークホルダーらとの力関係がカギとなる。
年齢別で主力を形成する5歳に絞って前走クラス別成績を見る。ステークホルダーの前走3勝クラスは【0-0-0-3】。やはり実績は重視すべきファクターのようで、たとえ5歳であっても上がり馬は厳しい。だが、凡走3頭はすべて中山以外の芝1200mを勝ち上がっており、同舞台で重賞に挑むステークホルダーの可能性はなくはない。前走サンライズSではラスト400m11.2-12.0。ラップが落ちた最終盤で差し切った。重賞だともう少し前もしぶといだろう。
4歳馬は前走1200、1400m組【1-2-4-15】が目安となる。さらに重賞6着以下だと【0-1-2-4】複勝率42.9%なので、京都金杯(1600m)経由のオーキッドロマンスよりシルクロードS14着のペアポルックスが良さそうだ。2走前は中山芝1200mでオープン特別を逃げ切った。すんなり先手をとるなら面白い。
では6歳以上のベテランにはどんな傾向があるのか。前走クラス別ではGⅠが【1-1-0-2】勝率25.0%、複勝率50.0%と目立つ。前走GⅡは【0-1-0-7】複勝率12.5%で、これはすべて阪神C組。好走は前走18着だったハクサンムーンの2着だけ。同馬はスプリンターズS2着があった実績馬。今年の出走馬ならニュアンス的にはママコチャだろうか。
前走GⅢではシルクロードS【1-1-0-19】勝率4.8%、複勝率9.5%、京阪杯【0-0-0-2】。後者はわずか2頭なので、京阪杯3着ヴェントヴォーチェをこれだけで評価するのは危険だろう。
ハンデ戦のシルクロードSを経由した6歳以上を斤量別で見る。斤量増減なし【0-1-0-7】複勝率12.5%、斤量減【1-0-0-5】勝率、複勝率16.7%に対し、斤量増は【0-0-0-7】で好走なし。ようはシルクロードSで別定重量よりも軽いハンデを背負った馬は厳しい。
当然といえば当然だが、ハンデキャッパーが厳しいと判断した馬がシルクロードS組の成績を下げている。同斤量(57キロ)となるプルパレイはデータ上、買える。非常に気難しく、レースを途中で止める面があるなど手を出しづらいタイプではある。その分、人気薄での激走もあり、穴党にとって魅力はある。中山実績は乏しいものの、触手が動く。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『アイドルホース列伝 超 1949-2024』(星海社新書)に寄稿。
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