【共同通信杯】スローペース濃厚で先行力が必須 東大HCの本命は東スポ杯2歳S3着のレッドキングリー

東大ホースメンクラブ

共同通信杯の脚質別成績(過去10年)

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皐月賞と直結する出世レース

今週日曜は東京競馬場でGⅢ・共同通信杯が行われる。東スポ杯2歳S3着のレッドキングリーや、同コースのアイビーS勝ち馬マスカレードボール、若竹賞で大外一気を決めたリトルジャイアンツらを中心に9頭が出走予定だ。

少頭数での施行が多いにもかかわらず、エフフォーリア、ジオグリフ、ジャスティンミラノと過去4年で3頭の皐月賞馬を輩出した超出世レース。このレースを勝利し、クラシック戦線に名乗りを上げるのはどの馬か。過去10年データをもとに馬券戦略を検討する。

昇級戦でも通用

共同通信杯の前走クラス別成績,ⒸSPAIA


<共同通信杯 前走クラス別成績(過去10年)>
新馬戦【3-3-2-7】
勝率20.0%/連対率40.0%/複勝率53.3%
1勝クラス【4-2-1-16】
勝率17.4%/連対率26.1%/複勝率30.4%
重賞【3-5-7-37】
勝率5.8%/連対率15.4%/複勝率28.8%
※前走未勝利【0-0-0-10】、OP・L【0-0-0-3】、地方【0-0-0-3】

前走クラス別成績でみると、新馬戦勝ち馬が半数以上馬券に絡んでおり、即通用の傾向にある。4番人気以下でも【1-2-0-4】、前走着差0秒2以下【0-2-2-3】と、そこまで目立つ存在でなくても好走率は大きく下がらない。

今回該当するネブラディスクの前走は加速ラップで0秒5差勝ちとインパクト十分。負かした相手の成績がその後、振るっていない点は気になるが、それを踏まえても印を回すべきだろう。

今年4頭が該当する前走1勝クラス組も悪くない成績だ。同3着以内なら【4-2-1-5】、1着に限ると【3-1-1-4】と前走好走した馬が続けて結果を残している。カラマティアノス、リトルジャイアンツ、ワンモアスマイルにはチャンスがある。

一方、イマイチなのが前走重賞組。23年までは別定57kgを背負わされる馬もいたが、それを除いても【3-3-6-31】複勝率27.9%。1勝クラス組の全体成績より低い数字だ。

前走ホープフルS(GⅡ時代含む)からの好走例は23年ファントムシーフのみ(ホープフルS4着→1着。16年1着ディーマジェスティはホープフルS取消のため除外)。2桁着順だったショウナンマクベス、マスカレードボールは厳しいと考える。

前走東スポ杯2歳S組は【1-0-2-3】。同コースだからか、3か月の間隔があっても結果を残す。レッドキングリーを後押しするデータだ。

前が有利

共同通信杯の脚質別成績,ⒸSPAIA


<共同通信杯 脚質別成績(過去10年)>
逃げ【0-2-2-8】
勝率0.0%/連対率16.7%/複勝率33.3%
先行【6-4-4-16】
勝率20.0%/連対率33.3%/複勝率46.7%
差し【3-4-3-23】
勝率9.1%/連対率21.2%/複勝率30.3%
追込【1-0-1-27】
勝率3.4%/連対率3.4%/複勝率6.9%
※マクリ【0-0-0-2】

共同通信杯は過去10年で一度も前半5F60秒を切ったことがなく、少頭数でスローペースの傾向が続いている。昨年も10頭立て9番人気のパワーホールが逃げて3着に残った。今年も前走で逃げた馬が不在。同様のレース展開となる可能性が高い。

スローペースだと当然、先行馬にも脚が残る。逃げ先行から上がり3F3位以内だった馬が9頭おり、その全てが連対している。このようなレースになると後方勢はお手上げだ。

差しは3勝しているが、追込は前半5F60秒フラットと比較的流れた16年を除いて全滅。また、9頭立て以下の年は2回あり、4角5番手以下【0-0-1-6】。中団より前のポジションを取るのはほぼ必須と言える。リトルジャイアンツ、マスカレードボールら前走で後方から運んでいた馬は取り扱い要注意だ。

先着された2頭に続け

◎レッドキングリー
新馬戦は2番手追走から上がり33秒4の競馬で完勝。0秒7差つけた2着馬ウィクトルウェルスはその後2連勝でゆりかもめ賞を勝利した。

2走目の東スポ杯2歳Sも2番手で運びながら、内を突いて3着。単なる前残りとも言えるが、勝ち馬クロワデュノールはその後ホープフルS制覇、2着サトノシャイニングは先週のきさらぎ賞を勝利した。今回はメンバー緩和の上、先行脚質もこのレースに合う。連は堅い。

◯ワンモアスマイル
キャリア5戦で1勝のみだが、馬券圏内は外していない。勝ち上がり後の2戦で先着されたのはエリキング(京都2歳S勝利)、ジョバンニ(ホープフルS2着)、ビップデイジー(阪神JF2着)とハイレベルな相手だった。

前走のナグルファルとの0秒7差はやや負けすぎな印象もあるが、7頭立て5番手からのレースとなったのが敗因と考える。紫菊賞は2番手追走から上がり33秒7の脚を使っており、しぶとさは備えている。先行さえできれば残る力がある。

▲リトルジャイアンツ
自身もレコードタイムで走破した葉牡丹賞、4角10番手からごぼう抜きの若竹賞どちらも鋭い末脚をみせた。直線の長い東京は本来、大歓迎と言えるが本レースは前述の通り追込馬が大不振だ。

前走4角10番手以下だと【0-2-1-17】、3番人気以内でも【0-1-1-4】と軸にはできない。届かない可能性を考慮して3番手までとした。

以下ネブラディスクまで印を回す。馬券は◎軸の馬連で勝負する。

▽共同通信杯予想▽
◎レッドキングリー
◯ワンモアスマイル
▲リトルジャイアンツ
△ネブラディスク

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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