【東京新聞杯】GⅠで初マイルの前走内容を評価 東大HCの本命はブレイディヴェーグ
東大ホースメンクラブ

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春のマイル戦線を占う一戦
今週日曜は東京競馬場でGⅢ・東京新聞杯が行われる。昨年の勝ち馬で前走の京都金杯も制したサクラトゥジュールの他、GⅠ含む重賞2着4回のボンドガールや、前走初の1600m挑戦でマイルCS4着だったブレイディヴェーグ、同コースの富士Sでソウルラッシュを下したジュンブロッサムらが出走予定だ。
東京芝1600mという舞台はヴィクトリアマイルや安田記念と同じ。2019年の勝ち馬インディチャンプはその年の春秋マイルを制覇した。ここを勝ち春に弾みをつけるのはどの馬か。過去10年のデータから検討していく。
軸は前走GⅠ組
<東京新聞杯 前走クラス別成績>
3勝クラス【4-1-0-7】 勝率33.3%/連対率41.7%/複勝率41.7%
OP・L【0-3-1-36】 勝率0.0%/連対率7.5%/複勝率10.0%
GⅢ【2-2-5-49】 勝率3.4%/連対率6.9%/複勝率15.5%
GⅡ【0-0-2-11】 勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率15.4%
GⅠ【4-3-2-15】勝率16.7%/連対率29.2%/複勝率37.5%
前走クラス別成績をみると、3勝クラス組が4勝と意外にも大健闘。ただし勝ち馬は全て5番人気以内だった。昇級戦でも上位人気に推されるだけの加点要素が必要となる。今年はオールナットとゴートゥファーストが3勝クラスからの昇級戦だが、そのような魅力は感じない。
同じく4勝を挙げているのが前走GⅠ組。こちらも人気馬が順当に結果を残しており、5番人気以内は【4-3-2-9】と半数が馬券に絡んでいる。今年はボンドガール、ブレイディヴェーグは確実に該当するだろう。
レース別でみると、前走マイルCS組が【2-0-1-11】。勝ち馬2頭はどちらも2桁着順からの逆転だった(20年プリモシーン11着→1着、23年ウインカーネリアン12着→1着)。前走出遅れもあって10着に敗れたジュンブロッサムは見限れない。
前走秋華賞組は【0-1-0-1】。2頭とも秋華賞2着かつ当日1番人気だった。22年ファインルージュが2着、昨年6着に敗れたマスクトディーヴァは出遅れが主な敗因だった。
GⅡ組の好走2例はどちらも阪神C組。前走ナムラクレア、マッドクールといった一流スプリンターに敗れたオフトレイルは見直せるが、毎日王冠を見るとスローペースへの対応に懸念はある。
GⅢだと前走京都金杯4着以内が【1-0-3-9】複勝率30.8%。例年と異なる中京開催だった点をどうみるかだが、むしろ同じ左回りで直結度が増すとも考えられる。昨年勝ち馬サクラトゥジュールは期待できそうだ。
内枠有利
<東京新聞杯 枠別成績>
1-2枠【5-2-1-26】 勝率14.7%/連対率20.6%/複勝率23.5%
3-4枠【3-4-1-30】 勝率7.9%/連対率18.4%/複勝率21.1%
5-6枠【2-2-4-30】 勝率5.3%/連対率10.5%/複勝率21.1%
7-8枠【0-2-4-34】 勝率0.0%/連対率5.0%/複勝率15.0%
東京開催2週目ということもあり、はっきり内枠有利の傾向が出ている。昨年のサクラトゥジュールも1枠1番の利を生かしての勝利だった。
過去10年で見ると1-2枠で半分の5勝。特に1枠は3勝、それも全て4番人気以下となっている。2年連続1枠1番を引いたサクラトゥジュールは警戒したい。
一方、7-8枠からの勝利例はなく、複勝率も2割を切っている。5番人気以内【0-1-3-9】と人気馬も苦戦しており、6番人気以下は【0-1-1-25】と絶望的。今回は人気馬が内に入ったため予想への影響は少ないが、外枠勢は穴としても狙いづらい。
前走4着も実力は示した
◎ブレイディヴェーグ
一昨年のエリザベス女王杯勝ち馬。府中牝馬Sではヴィクトリアマイル3着の実績馬マスクトディーヴァにローズSのリベンジを果たした。前走マイルCSは初の1600m戦も2着とはタイム差なしの4着。前半800m45秒7という厳しいペースにしっかり対応しており、及第点と言える内容だった。
今回の有力馬は後方脚質ばかり。先行馬が手薄でスローペースが予想される。そんな中、前走で中団につけられていたことを評価したい。差し脚も堅実で軸としては最適だ。
◯ボンドガール
新馬戦で後の二冠牝馬チェルヴィニアに勝利すると、以降は勝利こそないが進路妨害を受けたNHKマイルCを除けば馬券圏内を外していない。
直近3走全て4角10番手以下から上がり最速を記録し、末脚が武器の馬。直線の長い東京は条件好転といえるが、久々のマイルとスローペース予想が気になる。実力で言えば差し切ってもおかしくないが、安定感には欠けると考え対抗評価とした。
▲ジュンブロッサム
OPクラス入り後、直線の長い新潟、東京マイル重賞で活躍。関屋記念では上がり3F32秒5を記録し、富士Sでは(後の)マイルCS勝ち馬ソウルラッシュを差し切った。
マイルCSは出遅れに加え、最後の直線で内を走ったことが痛かった。勝ち馬含めほとんどの馬が外を走っていたなか、トラックバイアスに逆行。勝利歴のある東京マイルで見直したい。ただ、こちらも後方からの脚質で展開面はネックとなる。
以下サクラトゥジュール、ジオグリフまで印を回す。馬券は◎軸の馬連で勝負する。
▽東京新聞杯予想▽
◎ブレイディヴェーグ
◯ボンドガール
▲ジュンブロッサム
△サクラトゥジュール
×ジオグリフ
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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