【東京大賞典】本命は3歳馬フォーエバーヤング 自在な脚質と好枠を武器にいざ「ダート界最強」の座へ

菊池敬太

2024年東京大賞典のピックアップデータ,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

今年のダート競馬の総決算

東京大賞典(GⅠ・ダ2000m)が2024年12月29日(日)に大井競馬場で実施される。

史上2頭目の3連覇に挑むウシュバテソーロを筆頭に、ジャパンダートクラシックを制し、ケンタッキーダービーとBCクラシックで3着と健闘したフォーエバーヤング、今年のJBCクラシックの覇者ウィルソンテソーロ、大井のサヨノネイチヤなど師走の大一番にJRAと地方から実績馬が集結した。

今回も過去10年の傾向から勝ち馬を導き出す。

過去10年の東京大賞典,ⒸSPAIA

人気別成績,ⒸSPAIA

人気別成績は、1番人気が【4-3-2-1】と勝率、連対率、複勝率の全てでトップ。2番人気は【2-2-2-4】、3番人気は【3-1-1-5】でともに連対率は40.0%となっている。連対馬20頭中15頭が3番人気以内と上位人気の信頼度は高い。

所属別成績,ⒸSPAIA

所属別ではJRA所属馬が全10勝を含む連対馬18頭(栗東13、美浦5)と圧倒的に有利。地方馬は2019年のノンコノユメ(大井)と2020年のカジノフォンテン(船橋)が2着に健闘している。

年齢別成績,ⒸSPAIA

年齢別では4歳馬と5歳馬がともに5連対でトップタイ。特に5歳馬が4勝を挙げている。以下は6歳馬と7歳馬が各4連対、3歳馬が2連対だった。

実績面では連対馬20頭中13頭がGⅠ(JpnⅠ)勝ち馬で、17頭がGⅠ(JpnⅠ)で連対歴あり。地方所属の2頭はともに前哨戦の勝島王冠で連対していた。脚質は【逃げ3 先行7 差し8 追込2】と、先行差しと好位で立ち回れる馬が活躍している。

2024年東京大賞典のデータ,ⒸSPAIA

フォーエバーヤングが「ダート界の最強」に名乗り

◎フォーエバーヤング
栗東所属の3歳馬で、同じ舞台のJpnⅠジャパンダートクラシックを快勝。コースの砂を入れ替えた昨年11月以降の大井ダ2000mで最速タイム(2分4秒1)をマークし、時計の比較では年長馬が相手でも能力は最上位だ。

海外帰りでも念入りに乗り込まれ、仕上がり面に不安はなく、国内では4戦無敗。過去10年で4枠は3勝を挙げている点も好材料で、先行差しと自在に立ち回れる強みもある。世代最強から「ダート界の最強」に名乗りを上げる。

◯ウィルソンテソーロ
今年のJBCクラシック(佐賀)を制し、前走のチャンピオンズCではレモンポップをハナ差まで追い詰めるなど充実ぶりがうかがえる。5歳馬は過去10年で4勝を含む5連対。本馬自身も同コースで行われた昨年の東京大賞典、今年の帝王賞でともに2着とコース適性は証明済みだ。

ただ、同年のJBCクラシック勝ち馬は過去10年で勝利実績がなく、最高着順は2着まで(最後に勝ったのは2013年のホッコータルマエ)という点は気になるが、川田将雅騎手とのコンビで昨年の雪辱を果たせるか注目したい。

▲ウシュバテソーロ
2022、23年の勝ち馬。今年はサウジC、ドバイワールドCで2着。日本テレビ盃ではまさかの2着に敗れ、国内の連勝は「6」でストップした。前走のBCクラシックは10着と本来の走りが見られなかったが、持ち味の末脚をフルに生かせる大井コースなら復活しても不思議はない。

ほか、ダート路線改革元年の東京ダービーを制したラムジェットも有力。前走のジャパンダートクラシックは4着に敗れたが、中間は念入りに乗り込まれており、仕上がりは上々だ。初の年長馬相手でもダービー馬の意地を見せつける。

クラウンプライドは勝率が高い5歳馬。前走のチャンピオンズCは11着に敗れたが、昨年の帝王賞で2着に入っており、大井ダ2000mで実績がある。自分のペースに持ち込んで好勝負してもいい。

4歳馬のデルマソトガケは今年未勝利だが、昨年のBCクラシックで2着に好走した実績の持ち主。大井コースは初めてだが、JpnⅠ勝ちの実績があり、流れが向けば上位に加わる力はある。

地方馬では5歳馬のサヨノネイチヤに注目。今年は帝王賞で5着に入り、JRA所属馬が相手でも引けを取らない力を示した。前走の勝島王冠は2着に敗れたが、脚をためて立ち回れれば上位に絡んでもいい。

《ライタープロフィール》
菊池 敬太
サンケイスポーツで南関東競馬を中心に予想とコラムを掲載。近況のレース内容や傾向、データのほか、現場取材などで集めた情報をもとに高配当を狙っている。

《関連記事》
【東京大賞典】近走成績
逃げれば単回収率200%超え、砂の王者は坂井瑠星騎手 東大HCが“ダートに強い騎手”をデータで調査
ダート短距離は単勝回収率165%のドゥラメンテ産駒を狙え ダート戦に強い種牡馬まとめ

おすすめ記事