C.ルメール騎手が176勝で2年連続7回目のタイトル獲得 有馬記念制した戸崎圭太騎手は2年ぶりのトップ5入り【2024年の騎手リーディング】

三木俊幸

2024年の騎手リーディング顔ぶれ,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

最後まで激しかった4位争い

2024年のJRA各部門の最終成績が確定し、騎手リーディングは176勝をあげたC.ルメール騎手が2年連続7回目となるタイトル獲得となった。12月1日終了時に2位と31勝差をつけていたが、12月7日から28日までの最終集計期間においても2→1→4→1→1→2→1と連日好成績を残して12勝を加算。最後まで勢いは止まらなかった。

2024年12月終了時点での騎手リーディング,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


そんなルメール騎手だが、2024年は順風満帆という1年でもなかった。3月にドバイで落馬負傷し、約1ヶ月の休養を余儀なくされた。また、6月下旬から7月下旬まで休養期間を設けるなど、合計で2ヶ月間騎乗しなかった中、この成績はさすが。勝利数以外でも勝率29.8%、獲得賞金3,651,962,000円、重賞勝利数12勝と多くの部門でトップの成績を残している。

2位は川田将雅騎手。最終集計期間ではアドマイヤズームで朝日杯FSを優勝するなど8勝を積み重ね、141勝で1年を終えた。川田騎手も夏場に股関節の神経痛を発症して2週間の休養があるなど、全てが順調に運んだ年とは言えなかった。5年連続で獲得してきた最高勝率のタイトルも譲ることとなったが、重賞勝利数ではGⅠ・2勝を含む12勝をマーク。ルメール騎手と並びトップに輝いた。

3位は133勝の戸崎圭太騎手、2023年はリーディング6位に終わったが、2年ぶりにトップ5入りを果たしてシーズンを終えた。最終集計期間は7勝に終わったが、レガレイラとのコンビで有馬記念を優勝し、暮れの大一番で存在感を見せつけた。獲得賞金は3,535,895,000円でランキング2位という成績だった。

2024年有馬記念を制したレガレイラと戸崎圭太騎手のコンビ,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


4位争いは有馬記念当日の22日が終わった時点で、113勝をあげた松山弘平騎手と坂井瑠星騎手が並んでおり、ホープフルS当日まで激しい争いが続いた。最終日に2勝を加算して4位に入ったのは坂井瑠星騎手だった。

最終集計期間は1→1→2→1→1→0→2で8勝を上積みし、最終的には115勝という成績だった。今年もサウジアラビア、ドバイ、香港、アメリカ、アイルランド、フランスと海外での騎乗が数多くあったにも関わらず、2023年を上回る勝利数を記録。GⅠ・2勝を含む重賞5勝とキャリアハイの数字を残した点は価値がある。2025年はどこまで上位を脅かすことができるか、その騎乗ぶりに注目だ。

5位は松山弘平騎手。12月1日終了時点では坂井騎手と1勝差の5位だったが、15日終了時点で勝利数が並び、2着の回数が上回ったことで一時は4位に浮上した。

しかし、最終日は勝ちがなく5位に終わった。1年を振り返ると、サマージョッキーシリーズの米子S、北九州記念、関屋記念を制する活躍で2年連続のシリーズチャンピオンに輝いた。夏競馬が本格的に始まった7月から一気に調子をあげてきた年だった。


秋のビッグレースを盛り上げた武豊騎手

リーディングトップ5以外で触れておきたいのは、87勝で9位の武豊騎手。2020年以来となるJRA年間100勝には届かなかったが、秋はドウデュースとのコンビで天皇賞(秋)、ジャパンCを連勝するなどビッグレースを盛り上げて、賞金ランキングでは2,628,896,000円を獲得して5位にランクインした。

リーディング7位だった鮫島克駿騎手は99勝でシーズン終了。JRA年間100勝がかかった最終日は11鞍に騎乗したが【0-4-1-6】と惜しくも勝ち切ることが出来なかった。ただ、2023年は75勝(9位)、2022年は80勝(10位)と3年連続でリーディングトップ10入りは達成。来年こそはキャリア初の大台到達や初GⅠ制覇に向けて期待が高まる。

初GⅠ制覇という点では、リーディング8位の岩田望来騎手がアルマヴェローチェとのコンビで阪神JFを、10位の西村淳也騎手はルガルとのコンビでスプリンターズS、14位の菅原明良騎手がブローザホーンで宝塚記念を勝利と、20代の若手騎手が活躍した。

さらに、中堅どころでも36位の菱田裕二騎手がテーオーロイヤルとのコンビで天皇賞(春)、22位の津村明秀騎手がテンハッピーローズでヴィクトリアマイルを制したのは印象的だった。

新人最多勝利をあげたのは高杉吏麒騎手。48勝をあげ、リーディング19位という成績で1年目を終えた。減量を生かし、逃げる競馬で【12-6-2-21】勝率29.3%、単回収率300%という数字をマーク。その一方で、単勝1番人気の馬に騎乗した際も【12-5-0-6】勝率52.2%、連対率73.9%と、しっかり結果を残せたことが好成績につながったと言えるだろう。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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