【福島記念】4歳と前走GⅡ組が複勝率30%超え 本命は好データ該当のドクタードリトル

高橋楓

福島記念に関する好データ(過去10年),ⒸSPAIA

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第60回目を迎える伝統の福島記念

10月中に福島市の吾妻山では初冠雪を記録。すでに秋、そして冬の足音が東北各地に聞こえ始めている。今回は福島競馬が誇る伝統の福島記念を主に「前走クラス別成績」、「年齢別成績」、「種牡馬成績」3つの要素から予想していく

前走GⅡ組が優勢 今年はドクタードリトルに注目

はじめに、過去10年の前走クラス別成績をから見ていこう。

福島記念 前走クラス別成績,ⒸSPAIA


<福島記念 前走クラス別成績>
GⅠ【0-0-1-2】
勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率33.3%
GⅡ【4-6-4-29】
勝率9.3%/連対率23.3%/複勝率32.6%
GⅢ【2-0-2-38】
勝率4.8%/連対率4.8%/複勝率9.5%
リステッド【2-1-1-21】
勝率8.0%/連対率12.0%/複勝率16.0%
OP特別【1-3-2-32】
勝率2.6%/連対率10.5%/複勝率15.8%
3勝クラス【1-0-0-7】
勝率12.5%/連対率12.5%/複勝率12.5%
※過去10年

前走GⅡ組は14頭が馬券に絡んでいる最も注目すべきローテーション。今年は前走京都大賞典に出走したドクタードリトルが出走予定だ。

京都大賞典組は【2-1-0-5】で2022年ユニコーンライオン(13着・2.1秒差)と2020年バイオスパーク(9着・0.6秒差)が、前走着外から巻き返している。ドクタードリトルは6着に敗れたとはいえ、わずかに0.3秒差。有力候補の1頭だろう。

GⅢ組は出走頭数が多いものの、わずか4頭しか馬券に絡んでいない。勝ち馬2頭はともに富士S組。今年このローテーションからの出走予定馬はなく、思い切って消しにしたい。

リステッド組は前走3着以内が最低条件。今年の登録馬ではオクトーバーS2着のギャラクシーナイト、3着サトノエルドールが残る。

OP特別組は6頭が馬券に絡んでおり軽視できない。とはいえ、2014年2着のフラアンジェリコ以外の5頭は前走で掲示板を確保しており、4頭は馬券圏内だった。今年はケフェウスS1着のフライライクバード、タイランドC4着のプラチナトレジャーが出走予定だ。

3勝クラス組は勝ってここに参戦してくることが最低条件。今年は同コースの阿武隈Sを制したウインシュクラン、STV賞勝ち馬のフェアエールングが登録している。

【クラス別成績で条件に該当した馬】
・ドクタードリトル(京都大賞典6着)
・ギャラクシーナイト(オクトーバーS2着)
・サトノエルドール(オクトーバーS3着)
・フライライクバード(ケフェウスS1着)
・プラチナトレジャー(タイランドC4着)
・ウインシュクラン(阿武隈S1着)
・フェアエールング(STV賞1着)

3、4歳馬が優勢も6歳馬の軽視は禁物

次に年齢別成績を見ていこう。

福島記念 年齢別成績,ⒸSPAIA


<福島記念 年齢別成績>
3歳【2-1-1-10】
勝率14.3%/連対率21.4%/複勝率28.6%
4歳【3-3-1-13】
勝率15.0%/連対率30.0%/複勝率35.0%
5歳【2-1-3-38】
勝率4.5%/連対率6.8%/複勝率13.6%
6歳【3-3-3-35】
勝率6.8%/連対率13.6%/複勝率20.5%
7歳【0-2-1-26】
勝率0.0%/連対率6.9%/複勝率10.3%
8歳以上【0-0-1-7】
勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率12.5%
※過去10年

3歳から6歳まで勝ち馬が出ているが、率にすると3、4歳が大きくリード。今年の該当馬は計6頭。その中でも特に前走が京都大賞典の4歳馬ドクタードリトルは注目したい。

とは言え、6歳馬も9頭が馬券に絡んでおり軽視は禁物だ。今年はウインシュクラン、タガノパッション、プラチナトレジャーの3頭が出走予定。特にウインシュクラン、プラチナトレジャーは前走クラス別でも好データに該当しており、馬券のヒモには入れておきたい存在だ。

勝ち星トップのゴールドシップ産駒には不安要素あり

福島競馬場はJRA全場の中でもコンパクトな競馬場だ。とはいえ、コースには独特な起伏がつけられ、ただの平坦な競馬場ではない。そして3、4コーナーにはスパイラルカーブがあり、直線は292mしかないが差しも比較的決まりやすい。

そんな福島競馬場の芝コースを得意にしている種牡馬はいったいどの馬なのか。種牡馬の勝ち星をランキングで見ていく。

福島競馬場・芝コース 勝ち星ランキング,ⒸSPAIA


<福島競馬場・芝コース 種牡馬勝ち星ランキング>
1位 ゴールドシップ産駒【33-19-26-196】
勝率12.0%/連対率19.0%/複勝率28.5%
2位 キズナ産駒【23-20-21-137】
勝率11.4%/連対率21.4%/複勝率31.8%
3位 ロードカナロア産駒【23-19-20-204】
勝率8.6%/連対率15.8%/複勝率23.3%
4位 オルフェーヴル産駒【22-15-20-128】
勝率11.9%/連対率20.0%/複勝率30.8%
5位 ルーラーシップ産駒【22-15-19-192】
勝率8.9%/連対率14.9%/複勝率22.6%
6位 ディープインパクト産駒【21-21-13-180】
勝率8.9%/連対率17.9%/複勝率23.4%
7位 スクリーンヒーロー産駒【17-16-10-105】
勝率11.5%/連対率22.3%/複勝率29.1%
※集計期間:2019年11月2日から2024年7月21日

15勝以上あげている種牡馬は上記の7頭。ゴールドシップ産駒が2位以下を大きく離している。ただ内訳をみると、新馬戦5勝、未勝利戦15勝、1勝クラス8勝、2勝クラス5勝。3勝クラス以上は【0-1-2-8】で勝ちがない。GⅢという舞台を考えると物足りない結果だ。

キズナ産駒は昨年の福島牝馬Sをステラリアが制するなど、OP以上でも結果を残している。特徴的なのは牡牝での成績の乖離だ。

出走回数に差があるとはいえ牝馬が【17-14-15-87】で勝率12.8%なのに対し、牡馬・セン馬が【6-6-6-50】で勝率8.8%となっている。今年の出走予定馬は牡馬のアスクワイルドモア。そこまで強気にはなれない。

オルフェーヴル産駒は上位7頭では勝率が1番高く、複勝率も30%オーバーと健闘している。今年はクリノプレミアムが出走予定。福島では2勝クラスの松島特別を勝利し、2022年に福島牝馬S2着、2023年は3着と福島では3戦すべて馬券圏内。休み明けとなるが軽視できない存在だ。

【ランキング上位7頭の種牡馬を父に持つ出走予定馬】
・フェアエールング(ゴールドシップ産駒)
・アスクワイルドモア(キズナ産駒)
・クリノプレミアム(オルフェーヴル産駒)
・サトノエルドール(ディープインパクト産駒)
・ウインシュクラン(スクリーンヒーロー産駒)
・フライライクバード(スクリーンヒーロー産駒)

本命は京都大賞典6着のドクタードリトル

本命には京都大賞典からここに挑む4歳馬のドクタードリトルを指名する。前走は6着に敗れたとはいえ、勝ち馬からは0.3秒差の接戦だった。1着シュヴァリエローズ、2着ディープボンド、5着サトノグランツなどは重賞戦線で活躍している実力馬。それら相手と互角に戦えた今なら重賞初制覇の可能性も十分だ。

対抗はスクリーンヒーロー産駒のウインシュクラン。全4勝中3勝を福島競馬場であげている舞台巧者。前走の阿武隈Sでは初騎乗の丸山元気騎手を背にまんまと逃げきった。再現を期待したい。

3番手はフェアエールング。ゴールドシップ産駒の勝ち鞍が条件戦以下に偏っていることは気になるが、このレースで好調の4歳世代。52kgと軽ハンデの今回、上位を脅かす存在になれる。

以下、7歳馬ということもあり連下までということで、オルフェーヴル産駒のクリノプレミアム、スクリーンヒーロー産駒でOP特別勝ちから挑むフライライクバード、そして春の福島民報杯で勝ち馬から0.1秒差の3着と好走した6歳馬プラチナトレジャーまでおさえる。

◎ドクタードリトル
◯ウインシュクラン
▲フェアエールング
△クリノプレミアム
×フライライクバード
×プラチナトレジャー

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
サクラローレルの馬体の美しさに魅せられて競馬の世界に惹きこまれる。他に好きな馬はホクトベガ、サイレンススズカ。一口馬主を趣味とし、楽しさを伝える事にも注力している。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。

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