藤原英昭厩舎のプラス条件やマイナス条件を紹介 中京芝は条件次第で単回収率400%超
東大ホースメンクラブ
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札幌記念には管理馬のシャフリヤールが出走
今週末は札幌芝2000mでGⅡ札幌記念が開催される。“スーパーGⅡ”とも呼ばれ、夏競馬が最も盛り上がる一戦だ。前走で香港最強馬ロマンチックウォリアーとクビ差の接戦を演じたプログノーシスや、武豊騎手との初コンビで注目を集める21年ダービー馬シャフリヤールなど、今年も豪華メンバーが揃った。
上で挙げたシャフリヤールを管理しているのが藤原英昭厩舎。エイシンフラッシュ、シャフリヤールでダービー2勝を挙げ、総GⅠ勝利数(JpnⅠ含む)は16勝にも上る名門厩舎である。今回は藤原厩舎のプラス条件、マイナス条件について調査する(参照するデータは2019年8月17日〜2024年8月11日)。
中京芝2000mは単回収率400%オーバー
この章では藤原英昭厩舎のプラス条件について検討する。
<藤原英昭厩舎のプラス条件①>
北村友一【11-7-10-43】勝率15.5%/連対率25.4%/複勝率39.4%/単回収率71%/複回収率111%
→2024年【5-2-4-14】勝率20.0%/連対率28.0%/複勝率44.0%/単回収率112%/複回収率177%
<藤原英昭厩舎のプラス条件②>
芝×距離延長【29-21-21-187】勝率11.2%/連対率19.4%/複勝率27.5%/単回収率133%/複回収率76%
→前走4着以下【17-15-15-128】勝率9.7%/連対率18.3%/複勝率26.9%/単回収率162%/複回収率90%
騎手別成績では北村友一騎手を取り上げる。今年のファルコンS(GⅢ)をダノンマッキンリーで制したタッグだ。過去5年で複回収率は111%を記録しているが、なんと2024年に限定すると勝率20.0%、複勝率44.0%、単回収率112%、複回収率177%と抜群。見かけたら必ず馬券に入れておきたい。
芝レースの距離延長ローテで結果を残しているのも特徴。単回収率は133%とベタ買いするだけでプラスだ。なかでも前走で馬券を外した馬に注目。距離延長×前走4着以下に該当する馬は単回収率162%と妙味がさらにアップしている。シャフリヤールも4歳シーズンに、天皇賞(秋)5着→ジャパンC2着と距離延長ローテで巻き返しており、藤原厩舎の得意パターンとして覚えておきたい。
<藤原英昭厩舎のプラス条件③>
中京芝【32-22-28-119】勝率15.9%/連対率26.9%/複勝率40.8%/単回収率215%/複回収率107%
→中京芝2000m【13-7-12-39】勝率18.3%/連対率28.2%/複勝率45.1%/単回収率455%/複回収率106%
<藤原英昭厩舎のプラス条件④>
牝馬×ダート【24-15-4-80】勝率19.5%/連対率31.7%/複勝率35.0%/単回収率107%/複回収率66%
→3歳×牝馬限定戦【15-5-2-17】勝率38.5%/連対率51.3%/複勝率56.4%/単回収率218%/複回収率117%
競馬場別では中京芝コースでの成績が目立つ。複勝率は40%オーバー、単回収率215%、複回収率107%と回収率もプラス域だ。なかでも注目したいのは1400、2000mコース。1400m【5-5-5-23】複勝率39.5%、複回収率189%、2000m【13-7-12-39】勝率18.3%、単回収率455%と破格の数字が出ている。阪神競馬場改修の影響で中京開催が例年より多い今年がチャンスだ。
ダートでは牝馬が狙い目。単回収率は107%に達している。これを3歳に限ると【21-10-2-42】で勝率28.0%、単回収率162%までアップ、さらに牝馬限定戦にまで絞ると【15-5-2-17】で勝率38.5%、単回収率は218%と格段に良くなる。
東京コースでは妙味が薄い
次に藤原英昭厩舎のマイナス条件についても確認していく。
<藤原英昭厩舎のマイナス条件>
東京芝【10-13-9-93】勝率8.0%/連対率18.4%/複勝率25.6%/単回収率35%/複回収率58%
札幌芝【7-6-5-45】勝率11.1%/連対率20.6%/複勝率28.6%/単回収率48%/複回収率72%
芝×距離短縮【20-12-31-153】勝率9.3%/連対率14.8%/複勝率29.2%/単回収率62%/複回収率82%
ダート×距離延長【6-4-3-68】勝率7.4%/連対率12.3%/複勝率16.0%/単回収率20%/複回収率32%
芝コースでは、東京、札幌競馬場での妙味が非常に薄い。特に東京競馬場では勝率8.0%、単回収率35%と苦戦傾向であり、人気馬でも疑ってかかりたい。ただ、例外的に東京芝2400mは【3-7-1-15】で複勝率42.3%、複回収率98%と優秀。流石はダービートレーナーである。
芝の距離短縮ローテも妙味が薄めだ。該当馬の成績は勝率9.3%、単回収率62%とそれほど悪くない数字ではあるが、前章で挙げた距離延長組が勝率11.2%、単回収率133%、同距離組についても勝率12.8%、単回収率121%であることを踏まえると少し物足りない。やや割り引いて考えるのが賢明だ。
ダートでは前走からの距離延長がマイナスとなる。該当馬は勝率7.4%、単回収率20%と大苦戦。同距離組は勝率19.9%、単回収率97%、距離短縮組が勝率17.3%、単回収率77%と、他と比べて大きく成績を落としている。見送るのが吉だ。
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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