【札幌記念】武豊騎手との新コンビに注目も…シャフリヤールは消し ハイブリッド式消去法

八木遊

過去10年の札幌記念『今回距離延長』×『前走東京以外』の成績,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

先週の関屋記念は最終的に6頭が消去を免れ、ダブル本命の1頭だったディオが8番人気の低評価を覆す走りで2着に入った。優勝した3番人気トゥードジボンと、3着に追い込んだ1番人気ジュンブロッサムも押さえており、三連複5050円が的中。2週間ぶりにプラス収支で終えることができた。

今週は日曜の札幌メイン、札幌記念を取り上げる。いつも通り過去10年のデータから、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を順番に消していく。今年は登録馬12頭の少数精鋭となったが、GⅠ馬3頭の出走で大いに盛り上がりそうだ。

『前走から距離延長』×『前走東京以外』★0.0%★

まずは前走距離別成績から見ていきたい。前走で2000m未満を走っていた、いわゆる距離延長組は過去10年で【3-2-1-32】(複勝率15.8%)といまひとつ。

なかでも興味深いのは、馬券に絡んだ6頭には「前走が東京コース」という共通点があったことだ。逆に東京以外から参戦してきた馬は【0-0-0-23】(同0.0%)とそろって4着以下に敗れている。

今年このデータに当てはまったのは、以下の3頭。ダート重賞のエルムSから中1週で挑むドゥラエレーデとホウオウアマゾン、そしてクイーンS経由のモズゴールドバレルが消去対象となった。

【今年の該当馬】
・ドゥラエレーデ
・ホウオウアマゾン
・モズゴールドバレル

『前走QE2世C以外の海外レース』×『牡馬・セン馬』★0.0%★

続いては、前走を海外で走っていた馬に注目してみた。前走海外組は【1-1-1-12】(複勝率20.0%)とまずまずの成績を残しているが、香港のクイーンエリザベス2世C以外からの参戦馬は【0-0-1-11】(同8.3%)、さらに牡馬もしくはセン馬に限ると【0-0-0-8】(同0.0%)まで複勝率は下がる。母数はやや少ないが、この組み合わせを採用したい。

メンバー12頭の中でクイーンエリザベス2世C以外の海外レースから参戦してくるのはシャフリヤールだけ。牡馬・セン馬の条件も満たしており、昨年当レース11着馬はここで消去対象とする。

【今年の該当馬】
・シャフリヤール

『SS系(ディープインパクト系を除く)』×『前走時馬体重500kg未満』★2.8%★

3つ目のデータには種牡馬を取り上げたい。

当レースではディープインパクト系産駒が【4-3-1-16】(複勝率33.3%)と好相性であるが、これを除いたサンデーサイレンス(SS)系の馬は【1-1-3-49】(同9.3%)と好走率が低下する。さらにこれを前走時馬体重500kg未満の馬で絞ると成績は【0-0-1-35】(同2.8%)となり、連対馬は皆無だった。

今年の登録馬12頭の中で前走時500kg未満の馬は多数いたが、ディープインパクト系以外のSS系種牡馬を父に持つのはチャックネイトただ一頭。ここで消去リスト行きとする。

【今年の該当馬】
・チャックネイト

『非社台系生産』×『中6週以下』★2.8%★

続いては生産者別データを取り上げたい。

今回は過去10年で【3-5-4-61】(複勝率16.4%)の非社台系生産馬だ。掛け合わせるのはレース間隔。前走から中6週以下とやや詰まったローテーションで出走してきた馬は36頭いたが、馬券に絡んだのは17年1着のサクラアンプルールだけだった。

今年は以下の4頭がこの消去条件に一致。新たにアウスヴァールとトップナイフが消去リスト行きとなった。

トップナイフは昨年2着の実績が光るが、休み明けの前走・函館記念が10着と案外な結果だった。一度叩かれての上昇は見込めるが、馬券圏内まではどうか。ここは思い切って消去する。

【今年の該当馬】
・アウスヴァール
・トップナイフ
・(ドゥラエレーデ)
・(モズゴールドバレル)

『前走GⅢ以下』×『今回馬体重減』★3.2%★

最後は前走クラス別で、GⅢ以下のレースを走っていた馬を狙い撃つ。

過去10年の成績は【3-1-3-69】(複勝率9.2%)と、このデータだけでも消去対象の複勝率10%未満。ただし、ハイブリッド式ではもう一つの条件を掛け合わせて絞り込みを図る。ここでは前走から馬体重を減らしてきた馬。その成績は【1-0-0-30】(同3.2%)で、唯一の好走馬は16年1着のネオリアリズムだった。

残っている5頭のうち、前走でGⅢ以下を走っていたのは鳴尾記念経由のボッケリーニだけ。もし当日の馬体重が前走からマイナスなら消去対象となる。

【今年の該当候補】
・ボッケリーニ

全ての条件を終えて、確実に残るのはジオグリフ、ステラヴェローチェ、ノースブリッジ、プログノーシスの4頭となった。この中からプログノーシスを本命に指名したい。

同馬は昨年の当レースを4馬身差で完勝。その後も安定した競馬を続けている。悲願のGⅠ制覇に向けて、ここは通過点となるはずだ。

買い目は三連単1着固定も考えたが、無難に三連複1頭軸で勝負する。消去を免れた他3~4頭への流し馬券に加えて、ジオグリフ、ステラヴェローチェ、ノースブリッジのワイドボックス3点も念のため押さえておきたい。うまく嵌れば三連複とワイドの両獲りも考えられる。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2023年8月から長期休養に入っていたが、24年6月に再開。今年はワイドを中心にコツコツ的中を狙う。

《関連記事》
【札幌記念】好相性の香港組プログノーシスを中心視 伏兵候補はチャックネイト、函館記念から反転攻勢へ
【CBC賞】ピューロマジックは中京替わりがカギ データで注目はアネゴハダ、ドロップオブライト
【札幌記念】過去10年のレース結果一覧

おすすめ記事