【皐月賞】強データは「前走共同通信杯」と「0.1秒差以上で勝利」　ジャスティンミラノが一冠目を取る

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重賞勝ち馬が中心

2024年4月14日に中山競馬場で行われる第84回皐月賞。直線の短い中山の内回りで行われるこのレース。「速い馬が勝つ」と言われるように、逃げ、先行タイプが実績を残していると思いきや、09年以降、勝ち馬の半分以上が最初のコーナーを10番手より後ろで回っていた。

昔のダービーでは10番手以内を「ダービーポジション」と呼んでいたが「皐月賞ポジション」は真逆なのかもしれない。ともあれ、注目の牡馬一冠目である皐月賞にはどのような傾向があるのか。今回も過去15回の成績を基に検証していきたい。

☆所属
美浦所属馬が7勝（11連対）、栗東所属馬は8勝（19連対）。勝率では美浦所属馬が少し上回っているが、それ以外はほぼ互角だ。

☆性別
今年はレガレイラという有力牝馬が出走予定で、牝馬の成績も調べてみた。過去15年では、14年12番人気11着バウンスシャッセと17年1番人気7着ファンディーナの2頭だけ。サンプルがこれだけしかないので参考程度だが、1番人気が掲示板を外している例もあるので本命にしづらいのは確か。

☆キャリア
勝ち馬が出ているのはキャリア2～7戦まで。最少は23年のソールオリエンス、最多は13年のロゴタイプ。ここ5年では連対した10頭中、9頭が4戦以内。残る1頭も5戦。近年は特にキャリアの浅い馬の活躍が目立っており、6戦以上の馬は全く結果を出せていない。

☆前走クラス
勝ち馬が出ているのは前走で重賞を使っていた馬だけ。条件戦から馬券に絡んだ馬はいない。OP競走からは2着馬が4頭、3着馬が1頭出ているが、これはすべて若葉S組だ。

☆主な前走
最も勝ち馬を出している前哨戦は共同通信杯で6頭。ここ5年でも2頭の勝ち馬を出している。同じく、ここ2年で2頭の勝ち馬を出しているのがホープフルS。残りの1頭は前走京成杯だ。トライアル以外のレースが結果を出しているのは桜花賞と同じ傾向である。

では、トライアル競走の成績はどうなのか。ここ15年だとスプリングSが4頭の勝ち馬を出し、トライアルの中ではトップの数字。弥生賞は1勝だが、2着馬を7頭も出している。とはいえ出走頭数が多いこともあり、連対率は威張れるほどの数字ではない。

トライアル以外の間隔があいた重賞から活躍馬が出る傾向にはあるが、なぜかきさらぎ賞だけは連対馬が1頭も出ていない。結果が出ている共同通信杯と同じような時期、そして同じ距離にもかかわらずである。

☆前走着順
前走1着馬が圧倒的に強く【12-10-7-79】で、連対馬の7割以上を占めていた。近5年では22年1着馬ジオグリフ以外、すべて前走勝ちの馬が連対。そのジオグリフも前走2着。前走着順がいいに越したことはない。

前走3着以下から勝ち馬が出ておらず、2着馬も13年エピファネイアと18年サンリヴァルだけ。この2頭はともに弥生賞4着という共通点がある。つまり、前走1、2、4着以外だと連対率が0%ということになる。

☆着差（1着馬のみ）
前走1着馬を見ると、皐月賞を勝った12頭はすべて前走で0.1秒以上の差をつけて勝っていた。ある程度余裕のある勝ち方が求められる。

☆前走人気
1番人気に支持されていた馬は、2番人気以下と比べて好走する確率が高くなっている。前走が5番人気以下だと勝率1.1%、連対率2.2%と好走率が低い。

☆その他
そのほかで気になったデータを挙げてみる。まず前走馬体重が460キロ以下だった馬の成績が【1-1-2-35】勝率2.6%、連対率5.1%とあまりよくない。中山の急坂をこなすにはある程度の馬格が必要ということか。

もう一つは誕生月。1月生まれから勝ち馬が出ておらず、連対率も10%を切っている。桜花賞は5月生まれの馬が苦戦していたが、皐月賞は5月生まれの馬の勝率、連対率が最もいい。このあたりは牡馬と牝馬の差が出ているのかもしれない。

3連勝で頂点へ！　一気に駆け上がるジャスティンミラノ

皐月賞の傾向をまとめてみよう。

【好走率アップ】
A「キャリア4戦以内（近5年）」
B「前走が共同通信杯」
C「前走0.1秒差以上で勝利」
D「前走1番人気」

【好走率ダウン】
E「前走5番人気以下」
F「前走馬体重460キロ以下」

【勝ち馬なし】
G「1月生まれ」

【連対馬なし】
H「キャリア6戦以上（近5年）」
I「前走が条件戦、若葉S以外のOP・L、きさらぎ賞」
J「前走1、2、4着以外」

今年の皐月賞は登録馬が20頭。そのうち連対が出ていないHIJに当てはまる馬が半分以上の12頭もいた。まずはこれらが脱落。残った8頭で好走データ2つ以上、そしてマイナスデータを持たないのは、ジャスティンミラノ（ABC）と、ジャンタルマンタル（ABD）、ミスタージーティー（ACD）。この3頭が上位を形成すると考えていいだろう。

今回の注目データは過去15年で6頭の勝ち馬を出しているB「前走が共同通信杯」。その1、2着馬であるジャスティンミラノとジャンタルマンタルのどちらかを本命としたい。この2頭の違いは、C「前走0.1秒差以上で勝利」か、D「前走1番人気」。この2つを比較すると、C「前走0.1秒差以上で勝利」は近5年で9頭が連対していて、D「前走1番人気」は同期間で連対馬が6頭だった。前者の方が強力なデータと見て、◎ジャスティンミラノ、◯ジャンタルマンタル、そしてCを持っているミスタージーティーを▲とする。

上位3頭の印は決まった。続いて押さえ候補を探してみよう。まず1頭目はレガレイラ。サンプルが少ないといえ、皐月賞では76年も勝ってない牝馬で、さらに好走率が低いF「前走馬体重460キロ以下」に当てはまる。とはいえ、プラスデータACDを持っているのは魅力。マイナスを打ち消してくれることを期待して△とする。

あと1頭はダノンデサイル。昨年の勝ち馬ソールオリエンスと同じ京成杯勝ちからの臨戦。勝率、連対率が低いE「前走5番人気以下」に該当するものの、この馬も近年の強データC「前走0.1秒差以上で勝利」を持っているのが魅力だ。

◎ジャスティンミラノ
◯ジャンタルマンタル
▲ミスタージーティー
△レガレイラ
×ダノンデサイル

《ライタープロフィール》
門田 光生（かどた みつお）
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
某クラブで「桜花賞候補！」と思って出資した馬が、すでに桜花賞が終わった来週にデビュー予定（しかもダート）。なかなかうまくいかないものですが、長年この業界に携わっていると、デビューまでたどりつくことがどれだけ難しいかも分かっているつもり。まずは、無事ゲートインまでいってほしいですね。

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