【阪神大賞典】テーオーロイヤル、シルヴァーソニックは消し ハイブリッド式消去法

藤川祐輔

過去10年の阪神大賞典、『前走4着以下』×『前走東京・中山以外』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の金鯱賞は3頭が消去データを免れたが、その中から好走した馬は1頭もいなかった。前半1000m通過58.4秒と先行勢には厳しい流れで、特注としたヤマニンサルバムは早々に馬群の中に沈んでしまった。

今週は3月17日に阪神競馬場で行われる阪神大賞典(GⅡ)を予想する。今回は登録馬15頭を対象に絞りこみを行う。過去10年(14~23年)のデータから、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去していく。

『前走がJRA重賞以外』×『前走5番人気以下』 ★0.0%★

当レースは前走でJRA重賞を使っていた馬が【10-8-8-54】(複勝率32.5%)と優勢で、馬券圏内の殆どを占めている。これに対して、前走がJRA重賞以外だった馬は【0-2-2-28】(同12.5%)と振るっていない。

この中からも4頭の好走馬が出ているが、これらは全て前走4番人気以内だった。前走5番人気以下だった馬に限ると【0-0-0-19】(同0.0%)と1頭も好走できていない。

当レースは別定GⅡということもあり、GⅠを見据えるハイレベルな面々が多く出走する。非重賞レースで人気を落とすような馬では、能力的に好走が難しいことがデータに表れている。今年のメンバーでは3頭が該当するが、目立った実績を持つ馬はいない。全て消去対象とする。

【今年の該当馬】
・アンタンスルフレ
・ショウナンバシット
・ジャンカズマ

『前走3000m以上』×『前走1着』 ★0.0%★

前走距離に着目すると、3000m以上の長距離レースからの転戦組が【0-2-3-29】(複勝率14.7%)と苦戦気味だ。この中でも前走1着だった馬は【0-0-0-5】(同0.0%)と1頭も馬券に絡んでいない。

この組は主にステイヤーズS、ダイヤモンドS、万葉Sからの転戦組で構成されるが、これらは全て阪神競馬場以外のコースで行われる。その他の長距離レースと当レースで問われる適性の違いが、前走1着馬の不振に繋がっていると考えられる。

このデータにはテーオーロイヤル、メイショウブレゲの2頭が該当。長距離レースで結果を残してはいるが、阪神3000mでも同様のパフォーマンスが発揮できるとは限らない。データを信じて消去リスト行きとする。

【今年の該当馬】
・テーオーロイヤル
・メイショウブレゲ

『前走3000m以上』×『前走0.3秒差以上負け』 ★7.7%★

前走3000m以上のレースで勝っている馬は不振だが、同条件で0.3秒差以上負けていた馬も【0-1-1-24】(複勝率7.7%)と低調な成績だった。

当レースは天皇賞(春)へと直結する重要な前哨戦であり、GⅠ級の有力馬も多く出走してくる。殆どの長距離レースからの転戦組にとっては一気の相手強化となるだけに、前走で0.3秒以上負けていた馬は能力的に厳しいといえそうだ。

このデータには新たにシルヴァーソニック、プリュムドールの2頭が該当する。前者は昨年の天皇賞(春)以来、約1年ぶりの出走となる。相手強化というわけではないが、8歳馬の長期休養明けでは信頼できず、今回は静観する。

【今年の該当馬】
・シルヴァーソニック
・プリュムドール
・(ジャンカズマ)

『前走4着以下』×『前走東京・中山以外』 ★3.1%★

前走着順別成績を見ると、4着以下だった馬が【5-6-5-64】(複勝率20.0%)と数多く好走している。前走10着以下からでも6頭が好走しており、当レースでは前走凡走馬の巻き返しも目立つ。

しかし、この組の好走馬の殆どは前走が東京・中山競馬場だった馬である。それ以外の競馬場からの転戦組は【0-0-1-31】(同3.1%)と多くが好走できていない。

このデータには新たに3頭が該当。20年に当レースを制したユーキャンスマイルも含まれている。当時はGⅠでも掲示板に入る程の実力を有していたが、9歳となった今では流石に能力に衰えが見える。4年前のようなパフォーマンスには期待ができず、消去対象とする。

【今年の該当馬】
・ゼーゲン
・ディアスティマ
・ユーキャンスマイル
・(アンタンスルフレ)
・(ジャンカズマ)
・(ショウナンバシット)
・(プリュムドール)

『美浦所属馬』×『5歳以上』 ★0.0%★

東西所属別成績を見ると、栗東所属馬が【10-9-10-64】(複勝率31.2%)と圧倒的に好成績を残している。これに対して美浦所属馬は【0-1-0-16】(同5.9%)と大半が凡走している。

唯一の好走例は16年2着のタンタアレグリアだが、当馬は4歳馬であった。5歳以上の馬に限定すると、【0-0-0-14】(同0.0%)と厳しいデータが浮かび上がる。

ステイヤーズS3連覇の実績があったアルバート(18年4着)ですら馬券に絡めていない。今年は2頭の美浦所属馬がエントリーしているが、ともに5歳以上のため消去する。

【今年の該当候補馬】
・ワープスピード
・(ゼーゲン)

全ての条件を終えて不安データに該当しない馬はゴールデンスナップ、サヴォーナ、ディープボンド、ブローザホーンの4頭。中でも今回はサヴォーナを推奨する。

前走の日経新春杯は惜しくも2着に敗れたが、流れたペースの中で先行していた点を加味すれば、”負けて強し”と言える内容だった。今回はブローザホーンとの斤量差が2kgに広がることから、逆転の目は十分ある。

また菊花賞では5着に善戦しており、距離延長に対する期待は大きい。阪神コースは3戦3連対と好相性。舞台替わりは間違いなくプラス材料だ。ここで念願の重賞タイトルを手にして、堂々とGⅠ戦線へと向かって欲しい。

《ライタープロフィール》
藤川祐輔
98年生まれ、新進気鋭の若手ライター。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。以前は別媒体での執筆を行っていたが、よりデータを活かした記事を書きたいと考えSPAIA競馬への寄稿をスタート。いつの日か馬を買うのが夢。

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