【阪神大賞典】中心は近10年で8勝の4、5歳世代 サヴォーナ、ブローザホーンが長距離路線に殴り込み
勝木淳
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7歳以上は好走なし
仁川の春は桜花賞でクライマックスを迎える。その入り口、春を告げるのが阪神大賞典だ。内回りを1周半し、急坂を2度も越える舞台は毎年、我々に名勝負をみせてくれる。今年も春の盾を目指すステイヤーたちが集う。新興勢力はこの舞台でステイヤーと戦い、打ち負かすことができるか。GⅠを目指すために越えなければいけない壁がそこにある。データは過去10年分を使用する。
1番人気【6-1-1-2】勝率60.0%、複勝率80.0%。真っ向勝負の阪神芝3000mは実力差を浮き彫りにする。勝利はすべて3番人気以内で伏兵台頭の余地は少ない。基本は5番人気以内で決まるレースだ。
気になるのは年齢別成績。7歳以上は【0-0-0-33】と好走がない。ベテランステイヤーのディープボンド、シルヴァーソニックはここに触れてしまう。4年連続出走のディープボンドも過去は1、1、5着と、6歳だった昨年は崩れた。ひとつ上のシルヴァーソニックも長距離実績は申し分ない。年齢の壁を越えられるか。アンチエイジングに挑戦だ。
主力は4歳【4-4-3-10】勝率19.0%、複勝率52.4%、5歳【4-3-4-18】勝率13.8%、複勝率37.9%の二世代。長距離といえど、やはり脂が乗った主力世代が活力で勝る。
厳しい流れを粘ったサヴォーナ
4歳サヴォーナ、5歳ブローザホーンの日経新春杯好走組は勢いでステイヤーたちを上回れるか。年齢データのあと押しを受け、ここで一気に超えたいところだ。
前走クラス別では前走GⅠが【6-6-3-8】勝率26.1%、複勝率65.2%。有馬記念は【5-6-2-6】勝率26.3%、複勝率68.4%であり、ディープボンドは好相性データに該当する。有馬記念10着以下は【0-2-1-2】複勝率60.0%。たとえ大敗でも、前走GⅠは強い。格ならディープボンドだ。
前走GⅡは【3-1-3-26】勝率9.1%、複勝率21.2%と格で少し見劣る。注目の前走日経新春杯は【1-0-1-7】勝率11.1%、複勝率22.2%。好走はどちらも京都開催の日経新春杯から。京都開催時は1着【0-0-0-1】、2着【1-0-0-1】、10着以下【0-0-1-1】と2400mで敗れた馬が3000mで巻き返すパターンが考えられる。
今年ならサヴォーナ、ディアスティマがイメージに近い。サヴォーナは菊花賞5着、ディアスティマは松籟S勝ち、日経賞や目黒記念好走とどちらも長距離向きだ。勝ったブローザホーンも2500m以上で結果を残していて、決して中距離型ではない。
今年の日経新春杯はディアスティマが先手をとり、前半1000m通過58.3。前後半1200m1:10.6-1:13.1の持久力戦だった。残り800m11.9-12.1-12.0-12.3と前で運んだ馬ほど厳しい流れ。ブローザホーンの脚力を評価しつつ、2着に粘ったサヴォーナも強調できる。
最後に長距離実績といっても、前走ダイヤモンドSは【0-1-2-15】複勝率16.7%とイマイチ。といっても1着馬の出走はなく、3着も【0-0-0-1】。1着テーオーロイヤルと3着ワープスピードに当てはめるのは早計だろう。前走万葉Sは【0-0-1-6】複勝率14.3%で1着馬は【0-0-0-3】。メイショウブレゲは大幅な相手強化の今回、重賞の壁に挑むことになる。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬中心の文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
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