【小倉大賞典】開催日数増加で近年は差し馬が台頭 狙うは唯一の前走小倉組ダンディズム
佐藤永記
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2020年以降、小倉は1月からの開催
今年の小倉大賞典は登録時点で21頭と、フルゲートの16頭立てになることはほぼ確実。うまく軸となる馬を選んでハンデ戦らしい高配当を狙いたい。
まず近年のレース傾向だが、直近では逃げ馬が残れず、差し馬が台頭してきている印象だ。それは開催日程の変更による影響で、開催時の芝の状態が変化しているからであろう。2019年までは小倉の開幕は2月からであったが、2020年に暑熱対策で夏の小倉開催が日数減となった影響で1月中旬から4日間増えた。さらに2021年には京都改修の影響で1月中京開催分を請け負っており、小倉競馬の開催が1月から始まるのは今年を含め5年続いている。
つまり2020年以降は小倉大賞典までの開催レースが増えて芝が痛み、逃げ馬が止まりにくい小倉の傾向が和らいでいるということだ。2014~2019年までの6年間では逃げ【2-0-1-4】、先行【2-2-1-16】、捲り【1-1-0-2】と、前々での競馬が優勢だったのに対し、2020年以降、逃げ馬は0勝どころか複勝圏内にも入っていない。
ただ、先行が優勢な年はある。昨年は重馬場も影響し、先行したバジオウが4角先頭から3着に残り、4角4番手だったヒンドゥタイムズが勝利。また、2021年は3番手から抜け出したテリトーリアルが勝ち、2番手のディアンドルが3着だったが、この年は1:45.5の高速決着。2019年以前のように芝の状態が良かったからといえよう。
なら今年の芝質はどうか? 先週の同距離で行われた2勝クラスの太宰府特別の勝ち時計が1:48.1。開幕週だった1月14日3勝クラスの壇之浦Sでは1:46.5だったことを考えると、クラスの差以上に時計がかかっているように思われる。今年の小倉は開催中に雨が降った日が複数あり、2021年のような芝質は維持できていないと考えるのが妥当だ。
近年増えている前走小倉組が今年は1頭だけ
というわけで、今年は後ろから仕掛けるタイプで狙えそうな馬を探したいところ。また、開催日数が増えた影響で、前走小倉の馬が増えていることも取り上げておきたい。
2019年以前は前走小倉の馬が【0-0-0-1】とわずか1頭しかいないが、直近4年は【1-1-1-6】。1月から小倉開催が始まるようになってから激増したローテーションだ。
しかも、前走小倉だった馬が不在の2021年を除けば、2020年10番人気2着のドゥオーモ、2022年1番人気1着のアリーヴォ、2023年10番人気3着のバジオウと人気問わず毎年馬券に絡んでいる。
今年は除外対象馬を除けば、前走小倉を使っている馬がなんと1頭しかいない。ダンディズムだ。
前走の小倉日経オープンは少頭数の9頭立てではあったものの、道中8番手から4角で一気に進出し、人気に応えて快勝した内容は、まさに近年の差し優勢になりつつある傾向にもマッチする。今年で8歳の馬だが依然元気なのも評価できる。
昨年も小倉で開催された関門橋S2着から、と今年と似たローテーションで小倉大賞典に出走し、7着に敗れたが、16頭中14番手からと後ろすぎたのと、重馬場で前が残りやすかったのが敗因。直近のレースでは当時より位置を上げた、中団後ろめ付近で競馬ができている。結果も福島記念2着、ステイヤーズS6着と善戦が続いている。中間に雨が降りそうだが、幸い土日はなんとか晴れそう。荒れ気味の良馬場なら昨年の雪辱を果たしてもおかしくない。よって、当欄では軸馬として推してみる。
<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYouTubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。
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