【小倉大賞典】近10年で連対率50%の「1、2番人気×4歳」 軸候補は皐月賞5着馬ショウナンバシット
勝木淳
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ショウナンバシット、上位人気なら
番組表を見渡せば、小倉大賞典は前週に京都記念、翌週に中山記念があり、その狭間に位置することがわかる。別定のGⅡでは厳しい馬たちにとって冬の小倉は絶好の稼ぎ場だ。今年も重賞敗退組が多く、昇級組が目立っていない。勢いか経験か。ハンデがさらに難しくする。小倉記念3着ゴールドエクリプスはエリザベス女王杯では壁を感じるも、小倉のGⅢなら見直せるだろう。データは過去10年分を使用する。
1番人気は【3-2-0-5】勝率30.0%、複勝率50.0%とローカルのハンデ戦らしい半々な成績だが、4番人気以内9勝と、1着候補は上位人気から選びたい。単勝から大波乱といったケースは少なく、2、3着でひねりたい。10番人気以下【1-2-4-58】勝率1.5%、複勝率10.8%と3着が4頭も出ている。1着候補をなるべく絞ったピラミッド型の馬券で手広く相手を拾おう。
年齢はよりわかりやすく、4歳が【4-1-0-18】勝率17.4%、複勝率21.7%と1着候補の最有力だ。1、2番人気の4歳馬は【4-1-0-5】連対率50.0%。皐月賞5着、前走AJCC0.5差9着ショウナンバシットが人気になるような組み合わせなら、軸に最適ではないか。
一方でベテランも馬券圏内に絡み、7歳以上【2-5-4-43】勝率3.7%、複勝率20.4%と軽く扱えない。5歳も【2-1-6-30】勝率5.1%、複勝率23.1%と3着6頭。連下級は年齢で区切れない。
データで浮上するのは小倉重賞実績馬
今年は東西金杯など年明けの重賞からここに向かう馬が多い。その取捨選択を含め、前走傾向から好走候補をあぶり出していこう。
前走GⅠ【1-1-1-8】勝率9.1%、複勝率27.3%のうち、ゴールドエクリプスの前走エリザベス女王杯は【0-1-0-2】複勝率33.3%。2022年ランブリングアレーが前走9着から2着に巻き返した。同馬はヴィクトリアマイル2着をはじめ、中山牝馬S勝ち、愛知杯2着。距離短縮が好転した形だ。ゴールドエクリプスも小倉替わりは歓迎だ。
GⅠ以外の内訳をみると、中山金杯は【2-1-1-22】勝率7.7%、複勝率15.4%。好走馬を出しつつも、頭数が多く、絞りにくい。着順の内訳は3着【0-1-0-2】、6着以下【2-0-1-17】と敗退馬の一変がある。カテドラルやマイネルファンロンのベテラン勢もチャンスだ。特にカテドラルは昨年2着。福島記念13着からの激走だった。
同馬も含め、ノーザンファーム生産の7歳以上馬は【1-2-0-8】。昨年はワンツー決着だった。ローカル重賞でも勝負できる手駒をそろえるノーザンファームを味方につけよう。
前走チャレンジCは【1-1-1-7】勝率10.0%、複勝率30.0%。ここは6~9着【1-1-1-2】、10着以下【0-0-0-2】で、中山金杯ほどゾーンは広くない。10着アドマイヤビルゴはノーザンファーム産7歳馬だが、前走成績は好走パターンに合致しない。
前走オープン・Lは【1-1-2-29】勝率3.0%、複勝率12.1%。距離をみると、同じ1800mだと【0-0-0-8】で、1800m未満【1-1-0-7】勝率11.1%、複勝率22.2%、1800m超【0-0-2-14】複勝率12.5%。ディセンバーSを勝ったロングランはマイナスのデータに合致してしまう。
前走3勝クラスは3勝をあげているが、すべて4歳馬だった。今回登録がある前走3勝クラスは5歳ブランデーロックのみ。それも10着とハンデに恵まれてもさすがに厳しい戦いになるだろう。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
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