【フェブラリーS】ウィルソンテソーロ、ドゥラエレーデは消し ハイブリッド式消去法
藤川祐輔
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5つのデータから絞れた馬は?
先週の共同通信杯では最終的に4頭が消去条件を免れたが、その中から馬券に絡んだ馬は1頭もいなかった。勝利したジャスティンミラノは真っ先に消去対象としており、悔しい結果となった。
今週は2月18日に東京競馬場で行われるフェブラリーS(GⅠ)を予想する。今回は登録馬27頭の中から、現時点で出走が見込まれる16頭を対象に絞りこみを行う。過去10年(14~23年)のデータから、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去していく。
※サンライズホーク、ジャスティンカフェ、シャマルは回避発表済み。
『前走1600m以下』×『前走が東京ダート以外』 ★5.3%★
前走距離に着目すると、1600m以下のレースから転戦してきた馬が【4-3-4-68】(複勝率13.9%)と低調な成績だった。この組からは11頭が馬券に絡んでいるものの、この内10頭は前走で東京競馬場のダートを走っていた馬だった。前走が東京ダート以外だった馬に限ると、【0-1-0-18】(同5.3%)と厳しいデータが浮かび上がる。
このデータには6頭が該当し、前走でJBCスプリントを制したイグナイターも該当する。地方所属馬としてメイセイオペラ以来の25年ぶりのJRA・GⅠ制覇に期待がかかるが、一気の相手強化や2ハロンの距離延長など、クリアすべき課題は多い。地方所属馬は近10年で【0-0-0-9】と苦戦していることからも、好走は容易ではないと判断して今回は軽視する。
【今年の該当馬】
・イグナイター
・シャンパンカラー
・スピーディキック
・セキフウ
・ドンフランキー
『前走が東京大賞典』×『前走2番人気以下』 ★7.1%★
前走で東京大賞典を使っていた馬の成績は【0-1-2-13】(複勝率18.8%)で、意外にも近10年で勝ち馬は1頭も出ていない。層の厚い中距離のGⅠからの転戦組としては、やや物足りない。
この組からは3頭が好走を果たしているが、この内の2頭は東京大賞典で1番人気に支持されていた。前走で2番人気以下だった馬に限定すると、【0-0-1-13】(同7.1%)とさらに好走率が下がる。
このデータを覆したのは18年3着のインカンテーションだが、当馬はマイルのGⅠやJpnⅠで2度の連対実績を有していた。東京大賞典では7着に敗れたが、マイルへと条件が好転したことが功を奏したと考えられる。
今年は東京大賞典で1番人気を背負ったウシュバテソーロが不在。よって、このローテーションからの臨戦になる登録馬4頭全てが凡走データに該当する。いずれも中距離での実績が目立っており、マイルへの距離短縮でパフォーマンスが向上するとは考えにくい。上位人気が想定される馬も含まれるが、まとめて消去リスト行きとする。
【今年の該当馬】
・ウィルソンテソーロ
・キングズソード
・ドゥラエレーデ
・ミックファイア
『牝馬』×『JRA・GⅠ勝利経験なし』 ★0.0%★
当レースにおいて牝馬は苦戦を強いられており、成績は【0-0-1-12】(複勝率7.7%)とかんばしくない。唯一馬券に絡んだのは22年3着のソダシだが、当馬は芝のJRA・GⅠで3勝という素晴らしい実績を有していた。芝とダートの両方でJRA・GⅠを勝利したクロフネを父に持つ点も含めて希有な存在であった。
JRA・GⅠ勝利歴のない牝馬は【0-0-0-11】(同0.0%)と全く好走できていない。23年15着ショウナンナデシコ、22年14着テオレーマ、21年10着ヤマニンアンプリメといった、JpnⅠ勝ち鞍がある面々でさえも2桁着順の大敗を喫している。
今年はアルファマム、スピーディキックと2頭の牝馬が出走予定だが、ソダシのような傑出した実績は有していない。屈強な牡馬相手に好走を期待するのは酷であり、今回は軽視する。
【今年の該当馬】
・アルファマム
・(スピーディキック)
『7歳以上』×『前走上がり4位以下』 ★3.1%★
年齢別成績を見ると、7歳以上の馬が【0-4-2-58】(複勝率9.4%)と振るっていない。ダート路線ではベテラン勢の活躍も多い印象だが、当レースでは苦戦気味だ。これを前走上がり4位以下だった馬に絞ると【0-1-0-31】(同3.1%)とほとんどが凡走している。
このデータにはカラテが該当し、当馬は2歳時以来のダート戦への出走である。いきなりのダートGⅠ挑戦はさすがに荷が重い印象で、データ通りに消去して問題ないだろう。
【今年の該当馬】
・カラテ
『父サンデーサイレンス系』×『父がダートGⅠ勝利なし』 ★3.1%★
最後は血統に関するデータを取り上げる。父がサンデーサイレンス系の馬は【3-3-1-45】(複勝率13.5%)と、好走馬こそ出てはいるが全体の成績としては控えめだ。
実は、このサンデーサイレンス系の好走実績のほとんどがゴールドアリュール産駒によるもので、同産駒は【3-2-1-11】(同35.3%)と抜群だ。一方で、現役時にダートGⅠを制していた種牡馬以外の産駒は【0-1-0-31】(同3.1%)と苦しい。
このデータには新たにガイアフォースが該当する。父キタサンブラックにはダート出走歴がなく、当馬自身も今回がダート初挑戦。データ面からはダート適性が見込めず、消去対象とする。
【今年の該当候補馬】
・ガイアフォース
・(ウィルソンテソーロ)
・(ドンフランキー)
全ての条件を終えて凡走データに該当しない馬として、オメガギネス、タガノビューティー、ペプチドナイル、レッドルゼルの4頭が残った。中でも今回はレッドルゼルを推奨する。
前走の武蔵野Sは3着に敗れたが、この時は夏負けの影響から体調が万全でなかった模様。約8か月の長期休養明けだった点も加味すれば、上々の結果である。
鋭い差し脚が武器の当馬にとって、直線の長い東京コースは絶好の舞台だ。今回はイグナイター、ドンフランキーといった距離延長組がレースを引っ張るはずで、ペースが速くなれば展開利も見込める。
また、当レースへの出走はこれで4年連続であり、過去3年は4、6、2着と一度も大崩れしていない点も心強い。ダート路線の一線級がそろって中東遠征へ向かったことで、相手関係も近3年と比べて恵まれた。4度目の正直で中央GⅠ制覇を成し遂げ、名伯楽・安田隆行師の花道を飾ってほしい。
《ライタープロフィール》
藤川祐輔
98年生まれ、新進気鋭の若手ライター。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。以前は別媒体での執筆を行っていたが、よりデータを活かした記事を書きたいと考えSPAIA競馬への寄稿をスタート。いつの日か馬を買うのが夢。
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