【日経新春杯】「前走GⅠで9着以内の4歳馬」は勝率45.5% 本格化したハーツコンチェルトを推奨

貴シンジ

日経新春杯 前走GⅠ組の好データ(過去10年),ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

3つのファクターから推奨馬を見つけ出す

今回は1月14日(日)に京都競馬場で行われる日経新春杯について下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。

・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走の敗因」
・適性と素質を知るための「血統評価」

特別登録のあった15頭を検討対象とし、過去10年分のデータを使用する。


重要データ:4歳馬に妙味あり

前走クラス別成績,ⒸSPAIA


日経新春杯は京都芝2400mで実施されている中距離のGⅡレース。京都改修工事中は中京芝2200mで行われていた。このレースをステップに天皇賞(春)へ進んでいく馬も多く、注目が集まる一戦だ。いずれの舞台でもスタミナやタフさが求められて、実力はもちろん、適性も重要なため、前走条件戦組でも好走例が多い。

3勝クラスからの臨戦だった馬は【3-4-2-14】で単勝回収率122%、複勝回収率119%。今年、該当するのはリビアングラスだけだ。2走前に菊花賞4着という実績もあり、能力的には十分通用しても良い。前走の敗戦で人気を落とすようなら面白い存在だ。

OP・L組は【0-1-1-19】、GⅢ組は【0-2-2-36】でどちらも低調。GⅢ組は前年の11、12月に走っていたケースが多いうえ、GⅠレースに直行ではなく日経新春杯を使うということは相対的に実力が劣る馬が多くなりやすく、期待値は低い。また、GⅡ組も【1-1-3-21】単勝回収率18%、複勝回収率67%で並み程度だ。

気になるのはGⅠからの臨戦の馬。こちらは【6-1-1-26】で単勝回収率89%、複勝回収率47%。レース全体の単勝回収率が42%、複勝回収率が68%であることから、前走GⅠ組は好走率だけでなく回収率も優秀だ。なかでも4歳馬は【5-1-1-10】単勝回収率155%、複勝回収率83%と高水準。さらに、前走9着以内なら【5-1-1-4】で単勝回収率240%、複勝回収率129%となる。人気が予想されるサトノグランツも明け4歳で前走GⅠ組だが、菊花賞10着からの臨戦のため今回の好走データには該当しない。

【前走GⅠで9着以内の4歳馬】
・サヴォーナ
・シンリョクカ
・ハーツコンチェルト


前走の敗因:菊花賞のハーツコンチェルト

ハーツコンチェルトの前走は菊花賞で、結果は6着。レースはドゥレッツァが近年の菊花賞の中では引きしまった流れで逃げて勝利。そんな中ハーツコンチェルトは道中行きたがってしまい、やや折り合いに苦労した。

最大の敗因は2周目の4コーナーでトップナイフが下がってきた影響を受け、ポジションを下げてしまったこと。下り坂から加速していく京都外回りの菊花賞で一度減速することを強いられたのは厳しかった。勝っていたとまではいかなくとも手応えはよかったので、3着争いくらいはできたのではないか。もしそうなっていれば今回の大本命が同馬だった可能性は高い。サトノグランツやサヴォーナの方が人気するのであれば期待値の高い一頭だ。

血統解説:サヴォーナ、ハーツコンチェルト

・サヴォーナ
日本での牝祖は祖母ラプーマ。競走馬としても実績があって、現役時にはビウィッチS(GⅢ・芝12F)で2着している。従姉妹には小倉2歳Sで2着の実績があるレオパルディナ(父スニッツェル)がいるが、重賞クラスではやや見劣りする。父の特徴を引き出しやすいファミリーではあるが、ラプーマがスタミナ豊富だったようにスタミナは十分ある一族だ。本馬は母父がスニッツェルでスピード性能が高くそこにキズナを迎えた形だ。タフさもスタミナも十分な組み合わせだが柔らかさがやや欠けるため年齢を重ねるごとにレースの幅は狭くなってしまうことが予想される。

前走のようなスムーズに捲る形になれば上位争いする可能性はあるが、切れ味勝負となると苦戦を強いられるだろう。

サヴォーナの血統表,ⒸSPAIA


・ハーツコンチェルト
日本での牝祖は母ナスノシベリウス。現役時はJRAの芝1400~1800mで3勝を挙げた。明け3歳のソウルアンドジャズも含めて、デビューした産駒6頭全てがJRAで勝ち上がっている優秀な繁殖牝馬だ。母は芝馬だったが北米血脈で固められた配合なのでダートを走れるパワーとタフさも兼ね備えている。本馬は父にハーツクライを迎えた形で、ハーツクライ×Unbridled's Songといえばスワーヴリチャードと同じ組み合わせだ。2歳時から重賞戦線で活躍していたが、3歳の夏ごろまでトモに甘いところもあり成長待ちの馬体だった。

菊花賞時の馬体はかなり完成度が高く、いよいよ本格化かと思われたところで、消化不良な内容となってしまった。距離短縮は折り合いを考えれば上積みになるだろうし、スムーズに先行できれば勝ち負け必至だろう。

ハーツコンチェルトの血統表,ⒸSPAIA


Cアナライズではハーツコンチェルトを推奨

今回はハーツコンチェルトを推奨する。ハーツクライ産駒は晩成傾向の馬が多いが、本馬も本格化して以降、まだベストパフォーマンスを見せていないので今回は期待できる。人気が予想されるサトノグランツは好走データから外れており、サヴォーナも競馬のパターンが少ないことを考えると軸として信頼するには少し不安が残る。

穴で面白そうなのは前走3勝クラスからの臨戦で、2走前に菊花賞4着の実績があるリビアングラス。菊花賞ではスムーズに立ち回れたとはいえ、3着だった皐月賞馬ソールオリエンス相手に0.1秒差で、十分評価できる内容だった。

【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか「競馬王」など商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。

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