【日経新春杯】データからは菊花賞5着サヴォーナが中心 穴馬の資格を持つのは「前走条件戦×2400m以上組」

勝木淳

2024年日経新春杯に関するデータ,ⒸSPAIA

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1、2番人気が強力

年初のGⅡ・日経新春杯はかつて有馬記念出走馬が人気に推され、ハンデ差や体調面の問題によって人気に応えられないケースが多かった。出走回数を抑える傾向にある近年は、むしろ菊花賞など10、11月のGⅠからここに向かう馬が増え、人気通り結果を残す形に変わった。格下からきてここで一気にハンデ差を生かしてタイトルを獲得する馬もいて、春のGⅠ挑戦への足掛かり的な立ち位置にある。データは中京で行われた3回を含め、過去10年分を使用する。

日経新春杯の人気別成績,ⒸSPAIA


1番人気【3-3-0-4】勝率30.0%、複勝率60.0%、2番人気【4-1-0-5】勝率40.0%、複勝率50.0%で上位2頭は堅実。かつては波乱もあった重賞だが、最近は人気どころが着実に結果を残す。ただ、3番人気以下は4番人気【0-1-5-4】複勝率60.0%を除き横一線で、連下級に伏兵が入り込む可能性はある。10番人気以下【0-3-1-54】複勝率6.9%と複穴は油断できない。

日経新春杯の年齢別成績,ⒸSPAIA


中距離重賞でもハンデ戦のため、この時期だと比較的恵まれやすい4歳が【7-3-1-19】勝率23.3%、複勝率36.7%と強力だ。以下、5歳【1-3-5-21】勝率3.3%、複勝率30.0%、6歳【2-4-4-33】勝率4.7%、複勝率23.3%、7歳以上【0-0-0-45】。基本は若い組を上位にとっていきたいレースだ。

素直にサヴォーナを信頼

菊花賞経由のサヴォーナ、サトノグランツ、ジャパンCからくるインプレスは傾向からアテになりそうだ。具体的に好走ゾーンを探り、着実に軸馬、穴馬を絞ってみたい。

日経新春杯の前走クラス別成績,ⒸSPAIA


日経新春杯の前走GⅠ、レース別成績,ⒸSPAIA


前走クラス別では、GⅠが【6-1-1-26】勝率17.6%、複勝率23.5%と1着候補としては心強い。内訳は菊花賞【3-0-1-9】勝率23.1%、複勝率30.8%、ダービー【2-0-0-0】と4歳馬にあたるクラシック組が断然強い。

前走菊花賞の着順をみると、5着以内【3-0-0-0】、6~9着【0-0-1-3】、10着以下【0-0-0-6】と素直に上位着順を買いたい。10着サトノグランツより5着サヴォーナを上位に組み立てよう。2400m以上を走るようになって【2-3-0-2】とクラスが上がっても崩れが少ない。菊花賞5着ならこの相手でも十分だろう。

インプレスの前走ジャパンCは【1-0-0-6】勝率、複勝率14.3%。23年ヴェルトライゼンデがジャパンC3着から勝利した。ハイレベルとはいえ、13着に敗れた点をどうとるか。3着だった新潟記念のように後半800mから11秒台の持久戦になれば、出番はあるかもしれない。

GⅠ以外の重賞では、暮れに行われていた金鯱賞が引っ張っており、それを除くと、中日新聞杯【0-1-1-14】複勝率12.5%、アルゼンチン共和国杯【0-1-0-12】複勝率7.7%、京都大賞典【0-0-0-2】。カレンルシェルブル、ハーツイストワール、ヒンドゥタイムズらベテラン勢はちょっと危ない。5歳でアルゼンチン共和国杯7着レッドバリエンテぐらいか。

日経新春杯の前走3勝クラス、距離別成績,ⒸSPAIA


格下の前走3勝クラス【3-4-2-14】勝率13.0%、複勝率39.1%もチェックしよう。ここは京都開催の7回に限って前走距離をみると、2400m【0-2-2-4】複勝率50.0%、今回短縮の2400m超【2-1-0-3】勝率33.3%、複勝率50.0%となり、2400m以上からここに来る馬がいい。今年、穴の資格があるのはこのあたりか。

日経新春杯に関するデータ、インフォグラフィック,ⒸSPAIA


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。



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